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All Chapters of それでも…愛: Chapter 11 - Chapter 20

35 Chapters

第11話 実家へ

すると、律樹が、 「明日、みありの実家、一緒に行ってみたい! 行かない?」と言った。 「え? うん、それは大丈夫だけど……」 驚いた。 「みありが育った街を見てみたい」と言った。 「うん、分かった。私も掃除したいし、行こう!」 急遽、私の実家へ行くことになった。 ※※※※※ 翌朝、律樹は「移動に便利だから、レンタカーを借りた」と言った。 「え? そうなの?」と私は驚いた。 「うん」 社用車は、ずっと運転していたが、特に車は必要がないかなと自家用車は購入していない。 「車、買おうっかな〜」と言っている。 私は、律樹のお財布事情をまだ詳しく知っているわけではないので、なんと言えば良いのかよく分からなかったが、 「欲しいの? 律が買えると思ったら、買えば良いんじゃない?」と言った。 「買えるんだけど……」 「じゃあ良いんじゃないの?」と言うと、 「う〜ん、住む場所のこともあるし、もうちょっと考える!」と言った。 「そうなんだ……」 律樹は何やら考えているようだ。 駅前のレンタカー屋さんまで歩いて行って車を借りた。 SUV車を借りたようだ。 「やっぱカッコイイな」と言った律樹。 「うん、カッコイイね。でも買っても乗るのは、お休みの日ぐらいだよね?」と言うと、 「うん、まあな」 そこから、私の実家がある埼玉県へと向かった。 「俺、こっちの方は初めて〜」 と遠足気分で楽しそうな律樹。 「そうなんだ、特に何ってないけどね。風車
last updateLast Updated : 2025-09-27
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第12話 衝撃の事実

「みあり!」 「はい!」 「落ちついて聞いてね」と言われた。 「うん……え? 何? 怖いな」 そして、律樹は、話し始めた。 「もしかすると、みありのお父さん、見つかったかもしれない」と言った。 「え?」 私は、驚き過ぎて一瞬言葉が出なかった。 ずっと会っていないし、顔も覚えていない。 探そうとも思っていなかった父が……? まず私の実家にあったアルバムに挟んであった父の写真を見て、律樹は、どこかで見たことがあると思ったのだと言っていた。 そして、家の前で隠れていた、私が島田さんと見間違えた男性の後ろ姿にも見覚えがあると言った。 ずっとモヤモヤしていて、思い出したことがあったので、先ほど公園に居た島田さんに頼んで、 以前私の実家を探した時に取り寄せていた資料を見直して欲しいと、お願いしたのだと言う。 でも、今島田さんも埼玉県に居るのだから、東京に居る別の人に資料を写真で送ってもらったようだ。 「それで、みありのお父さんが分かってしまった」 と言う。 「そう、なんだ……」 正直、聞きたい気持ちと聞きたくない気持ちが半分ずつぐらいで、迷っていた。 「どうする? 知りたい? 知りたくなかったら俺からは言わない。でも、恐らく近いうちに分かってしまうと思うよ」と言われた。 その言葉に、 「……なら、律から聞きたい!」と私は言った。 「分かった」 「ちょっとだけ、待ってね……ふう〜〜〜〜」と私は、深呼吸をした。 「はい! どうぞ」と聞く決心をした。
last updateLast Updated : 2025-09-28
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第13話 律樹にも…

「え!」と言う律樹。 「ん?」と、私は律樹の顔を見たが表情が硬い。 ──ショートカットが良く似合うスラッとした この女は、どなた? 「久しぶり!」とその女性が言った。 「お久しぶりです」と言う律樹に笑顔はない。 そして、その女性は、私の方を見て、 「ん? 彼女さん?」と律樹に聞いた。 すると、律樹は、 「婚約者です!」とハッキリ言ってくれた。 ──嬉しい! 「まあ、そうなのね?」 「佐藤みありです」とご挨拶する。 「浜口です。塩谷くんには、以前同じ会社で大変お世話になりました!」と言われた。 私は、 「こちらこそ、律樹くんがお世話になりました」と、咄嗟にお礼を言っていた。 ──律樹くんって言っちゃった、まだ、人前で律樹って呼び捨てにしても良いのか? 迷ったし、浜口さんのお立場が分からなかったから…… 「てことは、マンションは変わってないのかしら?」と言った。 ──えっ! マンションの場所をご存知なんだ! 「はい」と律樹が答えると、 「そう! あ、じゃあ私も近くだから、又お会いするかも〜」と私の方を見て言った。 「そうなんですね」と、私は引き攣った笑顔で答えていたと思う。 「ええ、じゃあまたね、塩谷くん!」と言って、私にも笑顔で会釈をしたので、会釈で返した。 「浜口さん? 前の会社の人?」と聞くと、 「うん……」と言っただけで、まだ表情は硬いままだ。 ──何かあったのかなあ? 浜口さんと…… 今は、話したく無さそうだから後で聞いてみよう 「あっ、律! カレー
last updateLast Updated : 2025-09-29
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第14話 ラブ

お風呂にお湯を入れてから戻って来た律樹は、ソファーに座っていた私の隣りに座って、スッと自然に私を後ろ向きに座らせて抱きしめた。 「みあり!」 「ん?」 「好きだよ」 「うん、私も」 「な〜〜!」 「ん?」 「結婚しよう」 と律樹が言った。 ──えっ! そう言えば、再会してからはまだ、きちんと言われていなかったかも…… 顔だけ振り向いて、律樹の顔を見た。 「結婚、しよう」と、もう一度ゆっくり言ってくれた。 やっぱり凄く嬉しかった。 もう誰とも結婚出来ないかもしれないと、勝手に思っていたから。 「私で良いの?」 「他に誰が居るの? 俺には、みありしか居ないよ!」 と、言った。 私の目は、ウルウルして…… 「だよね、律の相手は、私にしか出来ないよ!」 と軽口を叩いた。 「ハハッ、そうだよ。みありにしか無理だよ!」と、更にぎゅっと抱きしめられた。 そして、律樹は、私のカラダをクルッと回して自分の方に向かせて膝の上にお姫様抱っこで座らせた。 やっぱり、涙が溢れた。 黙って、指で涙を拭ってくれる。 「何があっても、もう離れないよ!」と言ってくれた。 「うん……」 「これから先も、ずっと みありと一緒に居たい」 「うん……」 「だから、俺の妻になってください」 ──2度目のプロポーズだ、嬉しい 「……はい! よろしくお願いします」 律樹は、私をぎゅっと抱きしめた。 そして、優しく唇を重ねて、グッと堕ちるような素敵なキスをする。 私は、それだけで、ぐ〜んと堕ちていくような感覚になってしまう。 律樹は、私が倒れないようにしっかりと支えてくれる。 ──好き、大好き〜 夢中になって律樹も止まらなくなる…… ──ん? あれ? お風呂は? 「律、お風呂は?」と言うも、 「後で……」 と、そのまま寝室へ…… ──え? そうなの? じゃあなんでお風呂にお湯を…… ん? それより、私、今日どんな下着だっけ? と、頭の中で、思い出す…… あっ! そんなことは、お構いなしで、律樹は夢中になってしまっている。 私の服を脱がせて…… 「うわ〜みあり! 今日も最高に良い!」と言った。 ──でしょうね、貴方が大好き
last updateLast Updated : 2025-09-30
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第15話 対面

結局、昨夜は律樹に押し切られて、 長〜〜〜〜い夜を過ごした。 なので、疲れたのだろう。 まだ律樹は隣りで眠っている。 私は朝早くから目が覚めてしまった。 やはり、緊張しているのだろうか…… 起き上がってしまうと律樹を起こしてしまうので、 しばらくジッとしたまま、律樹の寝顔を隣りから眺めている。 ──綺麗な顔立ち、寝顔もイケメン! というか、律樹の全部が好きだから、何でもそう見えてしまうものなのかなあ〜 と、私は、ボーっと律樹を見ながら物思いに耽る。 今日は、実の父だと思われる人に会いに行く…… 何から話せば良いのだろう。 とりあえず、私のことは、いつから分かっていたのか? それに、律樹とのことも知っていて、この会社に誘ったのか? それと、そもそも母とはどうして離婚してしまったのか? それすら、母と話せないまま、お別れすることになってしまったのだから……。 ジーッと見つめていると、律樹が目を開けた。 「あっ! みあり、おはよう〜もう起きたの?」と言う。 「うん、おはよう〜」 私は、律樹を抱きしめて、胸に顔を埋めた。 「ん? どうした?」と優しく聞いてくれる。 「ちょっと怖い……」と言うと、 「そっか、大丈夫! 大丈夫! 俺がそばに居るからな」と言ってくれる。 「うん、
last updateLast Updated : 2025-10-01
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第16話 律樹の実家へ

父との対面後、帰るタクシーの中で、律樹はずっとハイテンションだった。 ようやく頭を悩ませていたことから解放されると思ったからホッとしたのだろう。 私の名前を呼んでベタベタしてくる。 「みあり〜」「みあり〜」と、 手を握っては撫でて……ずっとこの調子だ。 「は〜い〜」と返事するのも疲れて来た。 「あ〜良かったね〜」と何度も言っている。 完全に酔っている。 「うん、良かったね〜」 「みあり〜愛してるよ〜」 「ふふ、恥ずかしいから……」と、タクシーの中では、律樹の口を押さえる。 ようやく律樹のマンションに帰宅。 明日は月曜日だが、3連休でお休みなので良かった。 まだお昼の2時半を過ぎたばかりだ。 酔っている律樹をそのまま寝室まで連れて行き、ベッドで寝かせることに…… 「おやすみ」と寝かせた。 私は、部屋着に着替えて、1人でお水を飲みながらリビングでボーっと物思いに耽った。 父の存在…… あの人が本当に、私の父なんだ! 父と母との会話、やはり母は離婚していても、いざと言う時には、父を頼っていたのだと分かった。 特に、遺される私のことを1番に心配して、 父に頼んでくれていたんだ。 そう思うと、やはり涙は流れる…… そして、私は、ひとりぼっちじゃなかったんだ! と思った。 母が亡くなって、親戚の叔父さん叔母さんは、居るが父の記憶はなく、兄弟も居ない。 律樹とも別れていた頃だったから、本当にひとりぼっちになったんだと思っていたのだから…… 私は、ベランダに出て、
last updateLast Updated : 2025-10-02
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第17話 法要と入籍

朝からバタバタと身支度をする。 まだ、1周忌法要なので、黒の喪服を着る。 母の遺影に向かって、 「お母さん、ありがとう。今日納骨するね」と、挨拶をした。 納骨する日に決まりはなく、いつしても良いとされている。 四十九日では、まだ離れ難く、1周忌には、お寺さんの納骨堂に納骨しようと思っていた。 母は、生前『みありが大変になるから、お墓は要らない。たまに、思い出した時にでも、お寺さんに参ってくれれば良い』と言っていた。 そんな話は、もっともっと先のことだと思っていたのに…… お寺に着くと、父が既に到着していた。 「ありがとうございます」と言うと、 深々と頭を下げている。 そして、律樹のご両親と、弟の蒼太さんも来てくださった。 なぜか島田さんまで来てくださっている。 「え?」 「来たいって言うから……」と、律樹。 お礼を言った。 そして、蒼太くんが、 「すみません、朱音は、体調を考えて遠慮させていただきました」と。 「いえいえ、もちろんです。お気持ちだけで、ありがとうございます」とお礼を言った。 そして、初めて私の父に会う、律樹のご両親。 初めまして……が、まさかの母の法要の日。 ご挨拶と共に、手土産案件に対して、深々と頭を下げて、お礼を言われているご両親。 元々、私1人で納骨しようと思っていたので、叔父叔母には、声を掛けなかったのだ。 母は、若い頃に両親を亡くしているので、私は祖父母の存在を知らない。 そう言えば、父方の祖父母は、健在なのだろうか。 追々聞きたい。 なので、今日は、母方の叔父叔母が居れば、父も離婚している手前、居
last updateLast Updated : 2025-10-03
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第18話 母からの手紙

「え? 父は母に会ったの?」 と律樹に聞くと、 「お母さんが入院されてた時に、みありが病院から帰ったあと電話で呼び出されて、一度だけお見舞いに行ってお会いしたらしいよ」と言われた。 そして、更に、 「お母さんから『亡くなってすぐは、きっとみありは、大変だと思うから、落ち着いた1周忌の頃に、この手紙を渡して欲しい!』と頼まれたようなんだ」 その手紙をジッと見つめる。 怖くて開けられない。 「お父さん、さっき、みありに渡そうと思ったようだけど、これから入籍に行くのに……って。だから無事に入籍したら、俺から渡してやって欲しいって頼まれた」 開ける前から、涙が流れてしまう。 「大丈夫か?」と、抱きしめられる。 「うん、隣りに居て!」と律樹に頼んで、 2人でベッドにもたれて座る。 律樹が私の腰に手を回してくれている。 ゆっくり封を開ける。 便箋を開くと、母の弱々しい文字が並んでいる。 ────みありへ みあり、あなたがこの手紙を読んでいる頃には、 もう私は、この世に居なくて……1年が過ぎた頃かしら? お父さんに、そうお願いしたからね。 病気になんてなってしまってごめんね。 自分でもこんなに早く逝くとは思ってなかった。 もう少し、みありと過ごしたかった。 だから、最後に我儘を言って、家に帰りたい! だなんて、みありに、いっぱい負担をかけるようなことをして、本当にごめんなさいね。 それでも、やっぱり最後は、3人で過ごした、あの家で過ごしたかったの。 お父さんが居なくなって……みありから、父親を奪うようなことになってしまってごめんね。 お父さんとの離婚原因、最後までき
last updateLast Updated : 2025-10-04
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第19話 結婚指輪

喪服から、今度は、綺麗めの白のワンピースコーデに着替えた。 結婚指輪を買いに行くので、なんとなくカジュアルなスニーカーではなく、久しぶりに7cmヒールのパンプスを履いてみようと思う。 「みあり、可愛い」と律樹は、何でも褒めてくれる。 律樹は、白の長Tに黒のパンツ、オシャレなライトグレーのジャケットを羽織っている。 「カッコイイ」と思わず言ってしまった。 「だろう?」と喜んでいる。 「ふふ」 ──だから、モテちゃうんだよね 律樹は、背が高く185cm有るので、私の身長158cmだとヒールを高くしないとバランスが良くないような気がする。 そんなこと、周りは、誰も気にしていないのに…… でも、結婚式とかだと皆んなの前で隣りに並ぶから気にするよね〜と、1人で考えていて…… ──そう言えば、結婚式は、しないのかなあ? と、ふと思った。 私は、式を挙げなくても2人で、写真は撮りたいな〜ウェディングドレスを着てみたい! と思っている。 若いうちに……皆んな今日が1番若いのだから、1日も早い方が良い。 「ねぇ、律!」 「ん?」 「結婚式は、しないの?」と聞いてみた。 「やろうよ! やりたい!」 と言う律樹。 「そうなんだ……」 「ん? みありは?」 「うん、ウェディングドレスを着て、写真だけは撮りたいから、フォトウェディングが良いかな!」と言うと、 「え〜〜! お父さんの立場上、結婚式は、して欲しいんじゃない? 俺もしたいし」と、言われて、 「そうかなあ? まだ会社の人は、私と父が親子だとは知らないよ」 と、言いながら……
last updateLast Updated : 2025-10-05
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第20話 報告

「おはよう〜」 「おはよう〜」 「あれ?」と昨夜のことを思い出す。 律樹が私をジーッと見つめて微笑んでいる。 「あっ、ごめん」と言うと、 「ふふ、疲れてたんだもんな」と私の髪を撫でる。 「うん」 「新婚初夜だったけどね」と言われて、ようやく気がついた! 「ああっ! ごめ〜ん! やっちゃった」と言うと、 「ううん、やってないの」と微笑む律樹。 「ふふふっ、そうだけど……」と苦笑する。 そして、私をぎゅっと抱きしめて、 「じゃあ、今夜楽しみにしてる」と言われた。 「!!!!」 ──ヤダ〜もう〜朝から夜の約束だなんて…… 「ふふ〜」と笑って誤魔化しておこう。 チュッとされた。 「早く支度しないと遅れるよ〜」と…… 「ああ〜そうだった!」 今日からずっと律樹の部屋から出勤するんだった。 早くしなくちゃ…… と、バタバタ身支度をしていると、先に終えた律樹が朝食を作ってくれている。 「えっ、嘘! 凄〜い」と、パチパチ拍手する。 「出来る方がする!」と言ってくれる。 「ありがとう〜」頬にチュッとすると喜んでいる。 私は、隣でお弁当を詰める。 「ごめん、常備菜いっぱいだけど……」 「ううん! 嬉しい、ありがとう」 「他の課長たちと一緒に食べなくて良いの?」と、 聞いたが、 「一緒に食べる時も愛妻弁当が良い!」と言って、 チュッと唇にする律樹。 「あっ! ふふ」
last updateLast Updated : 2025-10-06
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