Home / 恋愛 / それでも…愛 / Chapter 21 - Chapter 30

All Chapters of それでも…愛: Chapter 21 - Chapter 30

35 Chapters

第21話 お祝い

〈今から帰るね〉とメッセージが来た。 〈は〜い! お疲れ様〜気をつけてね♡〉と、 ハートを送る。 きっと照れているはずだ! 「ふふっ」 「あっ!」 そして、私は思い出した! 今日は、ラブラブする日♡ 下着をどれにしようかなあ〜と選ぶ。 昨日寝ちゃったから、今日は特別に、 「ウフッ、出血大サービスだ! 鼻血が出ても知らないよん。大丈夫かな〜コレ」 ネット検索していたら、凄くエロいランジェリーがお安く売ってて、いつ使うんだ? と、思っていたが、他のと一緒に買った。 いよいよ今日が出番だ。 まだ、律樹が帰って来るまで30分もあるから、 急いでシャワーを浴びて着替えて待っていよう。 律樹の為にお風呂も入れておいてあげよう。 そう言えば、ネットを見てると、カップルが悪戯を仕掛ける動画が流れて来て、思わず笑ってしまったので、私もやってみたくなった。 「ふふ、やってみよう」 と1人ニヤニヤする。 とりあえず急いでシャワーを浴びた。 スマホを見る。 最寄り駅に着いたら、また連絡が来るはず。 とりあえずエロい下着は、準備しておかないと、 律樹のことだから、自分がお風呂に入ったら発情してしまうのだから。 髪をギリギリまで乾かす。 〈駅に着いた〜もうすぐだから、待っててね♡〉と ♡を返して来た。 「ふふ、可愛い」 〈♡♡♡〉 を返して、髪をアップにして、準備に取り掛かる。 律樹が玄関から入って来た時、私を見て、
last updateLast Updated : 2025-10-07
Read more

第22話 受診と引っ越し

翌朝、 「おはようございま〜す」 と、眠くて仕方がない私に対して、 「おはようございます!」と、とてもスッキリ爽やかな様子の律樹。 「おはよう〜」「おはようございます」 「おはようございます」 ──なんで、あんなに元気なんだろう…… 「みありちゃん、おはよう」と長岡さん。 「おはようございま〜す……」と言うと、 「え? なんか疲れてない?」と言われる。 「あ、あはっ少し……」と言うと、 「え? あ〜そうよね〜新婚だもんね〜色々やらなきゃいけないことがあるわよね」と言われる。 ──ドキッ! 「あっ、は、い……」 「ダーリンは、とってもお元気そうだけどね」と……言われる。 「あはっ、あの人は、いつも元気なんですよ」と言うと、 「そうなのね〜家事とか分担してくれてるの?」と、 「ええ〜『出来る方がやればいい』と言って、やってくれますよ」 「まあ素敵」と微笑まれている。 ──良かった、家事の話だった あんなことやこんなことをして寝不足だとは、ウブな長岡さんには、とても言えない。 「ふふ」笑っておこう。 ──土曜日 私は、律樹に付き添ってもらって、 父が紹介してくれた大学病院の婦人科を訪れた。 父の友達は男性だが、婦人科の医師は、女医さんだったので良かったと思った。 すると、その方の奥様だと言うことが分かった。 「橋本です。主人からお父様のことは、伺っています。よろしくお願いします」と、とても優しそうな女医さんで良かった。 「塩谷みありです。主人です。よろしくお願いします」 「塩谷律樹です。よ
last updateLast Updated : 2025-10-08
Read more

第23話 祖父母

──次の土曜日、 いよいよ、初めて祖父母に会う日が来た。 父が運転手さん付きで、マンションまで車で迎えに来てくれた。 お休みの日だろうに、恐縮した。 「「ありがとうございます」」と、車に乗り込む。 祖父母の自宅で会うことになったのだ。 東京の中でも高級住宅街と呼ばれる場所に、 まず驚いた。 豪邸が立ち並ぶ。 ──お父さんって、高貴な家柄の息子なの? 「この先だよ」 と言われて見ると、日本家屋の旧家が並んでいる。 コレかなあ? と思っていたら…… 「ココ」 と言われたのは、老夫婦が住むには似つかわしくない洋風のオシャレな豪邸だった。 ──何これ? 凄っ! こんな凄い家に住んでいる親戚が居たんだ! いや、祖父母だし……お爺ちゃんっていったい何者? と頭がパニックになる。 そう言えばバタバタしていて、結局まだ父の家にも行けていない。 なのに、先に祖父母の家に来てしまった。 今は、都内で1人暮らしをしていると言う父、通いの家政婦さんが居ると言っていた。 ──どんな家なのだろう? マンション、一戸建て? そう言えば、それすらも聞いていなかった。 車を降りると、父が玄関のドアを開ける。 すると、中から祖父母らしき人が出て来た。 「まあ、いらっしゃい! みありちゃん?」と言われて両手で握手される。 「あ、はい。はじめまして」と言うと、 「あ〜そうよね、覚えてないわよね。初めてじゃないんだけどね。小さかったから無理もないわ」と微笑んでいらっしゃるのは、祖母のようだ。 細くて小さくて可愛らしいお婆ちゃんだ。
last updateLast Updated : 2025-10-09
Read more

第24話 父と娘の感情

そして、私は、なぜか無意識に、 「ちょっと上がって行きませんか?」と父に言っていた。 「え?」と父は、驚いた顔をしたが、 「そうですよ、まだ一度もご招待出来ていなくてすみません。狭いところですが、良かったらどうぞ」と、私が咄嗟に言い出したことなのに、律樹もそう言ってくれた。 「良いのか?」と、父は、少し嬉しそうだ。 「はい、もちろんです」「うん」 「じゃあ」と、運転手さんに「申し訳ない! 帰りはタクシーで帰るから今日はコレで」と言っている。 が、運転手さんは、「大丈夫ですよ、お帰りの際はいつでも又ご連絡くださいませ」とおっしゃってくださっているようだ。 「ありがとう」「行ってらっしゃいませ」と、父は車を降りた。 ニコニコしながら歩いている。 「何階?」と律樹に聞いている。 「8階です」と、律樹も嬉しそうに答えている。 そして、私は、ふと思った。 ──あれ? 今日、律が朝、脱いだパジャマを片付けてたっけ? と、不安になった。 ピーンと、エレベーターが8階に到着したので、廊下を端まで歩く。 鍵を開けながら、 「ちょっとだけ待ってて! 片付いてるか見てくるから」と言うと、 「うん」と微笑んでいる父。 律樹もニコニコしているが、私は、 ──律! 片付けた? と、目で訴えかけていた。 「ん?」と言っている。 バタバタと上がり、律樹もゆっくり上がり、 「お義父さん、どうぞ」とスリッパを出して、ゆっくり招き入れている。 私だけがバタバタと走り…… 「やっぱり!」と、律樹が脱ぎっぱなしにしていたパジャマを洗濯機へ ポーンと投げ入れた。
last updateLast Updated : 2025-10-10
Read more

第25話 妊活

「みあり!」 「ん?」と言うと、律樹は耳元で、 「今日は、ラブラブしようね〜」と言った。 「ふふっ今日もの間違いじゃない?」と思わず笑ってしまった。 エレベーターが来たので、 「行くよ」と言うと、 「うん」と律樹は、既にウットリしている。 ──あ〜ヤバイパターンだ 「ふふ」と笑っておこう。 そして、部屋に入ると、律樹のスマホが鳴って、 ようやく結婚指輪が出来上がったと連絡を受けたので、明日受け取りに行くことにした。 「明日何時?」と聞くと、 「お昼からにしたに決まってんじゃん」と笑いながら言う律樹。 ──あ〜計画犯だ! 「だって、今夜は、忙しいからね〜明日の朝は、ゆっくりで大丈夫だよ」と言っている。 「ふふ、私が寝ちゃわなきゃだけどね」と言うと、 「あ〜ダメダメ! 今日は、頑張る日だからお爺様お婆様も楽しみだっておっしゃってたでしょう」と言う。 「そうだね〜父に叩かれてたけどね」 「そうなんだよ! アレは絶対嫉妬だよな、うん」 「ふふっ。え〜っと」と私は数えてみた。 「ん?」 「排卵日いつかなあ? と思って」 すると、 「今日からだよ、ウフッ」と言う律樹。 「なんで?」 「チェック済み!」と言う。 「うわっ、早っ! 凄いね」 ──私より凄いなと思った 「じゃあ、律くん頑張ってね〜」と言うと、 「いやいや、1人で頑張れないから、2人で頑張ろうね」と、早くも私のカラダをあちこち、サワサワする。 「あ、まだよ! お・風・呂
last updateLast Updated : 2025-10-11
Read more

第26話 結婚指輪と式場

──11月3日 夜中まで、律樹は、興奮冷めやらぬで、 目がギラギラしていた。 3度抱き合って、 「お願い、寝かせて〜」と、夜中に2人で眠った。 なのに、また、朝方興奮したのか、 私のカラダをサワサワしていた。 その時は、私も反応してしまったが…… 更にもう一度! ──あ〜もう好きにして〜と思っていたので、 そう言うと、本当に好きにしていた。 一晩で5ラウンドまで……恐るべし体力。 まだ、20代だもの仕方がないのかしら…… でも、友達の旦那さんは、結婚したら全然誘って来なくなったと言っていた。早くに結婚したからなのか? それとも……? それぞれの夫婦の事情があるのだなと思った。 誘われるうちが花なのかなあ? まあ、私たちは妊活中だから、合意の上だけど…… 朝からラブラブしてから、シャワーを浴びる。 そして、ようやくブランチを食べて、身支度をする。 「ふふ〜」と律樹は、締まりのない顔をして、 また、べったりして来るので、 「今日は、結婚指輪を受け取りに行ってから、式場だよ」と言うと、 「そうだった……」と私を抱きしめる。 そして、昨日の父からの話では、 高級ホテルの名前をあげて、候補の1つとして、結婚式場を見て来て欲しいと言われたようだ。 「そうなの? なんだか高級感満載なんだけど……」 「だよなあ」 「地味婚の方が良いのになあ〜」と言ったが、 「みあり! それはもう無理そうだ!」と言う律樹。 「あ〜そっか、お爺ちゃんにお父さん! それに、律の将来の為だも
last updateLast Updated : 2025-10-12
Read more

第27話 受診

今日は、婦人科の受診日だ。 土曜日の予約が取れなかったので、 金曜日の夕方、私は半休を取って予約した。 律樹は、仕事が忙しそうだったので、1人で来た。 1番気がかりだった前回の病理検査の結果、 癌化はしていないことが分かりホッとした。 「良かった」 そして、今回の内診とエコー検査。 前回とほぼ大きさは、変わっていない様子で良かったと思った。 「良かったです」 「うん、良かったですね」 妊活について、まだ妊娠の兆候は見られないようだ。 内心、ガッカリしてしまった。 期待し過ぎていたようだ。 やはり、妊娠しにくい体質なのだろうか…… 「このまま頑張りましょう」と言ってもらえた。 「はい」 しかし…… 「特に問題が無いようなので、お近くのクリニックをご紹介しましょうか?」と言われた。 ──まだ妊娠出来ていないのに……と、思ったが、 大学病院では重大性と緊急性がない限り、もう迷惑になるのだと思った。 「はい……お願いします」 もちろん、今後も何らかのリスクを伴う場合は、 又診てもらえるが、そもそも誤診だったのだから、通常出産が出来そうなら、近くのクリニックで十分なのだろう。 女医さんを紹介してくださるようなので、良かったと思った。 全く妊娠しないカラダではないと分かったのだから、それだけでも良いと思った。 でも、凄く不安だった。 ──あんなに頑張っても、出来なかった。 律樹は、楽しんでいるのだから、離れていた分、もう少し2人で楽しめば良いんだよね…… と、気持ち
last updateLast Updated : 2025-10-13
Read more

第28話 父と、律樹のご実家

父の部屋を見せてもらって満足した律樹。 今度は、私が乗り越えなければならない。 今日は、律樹のご実家に招待されているのだ。 結婚してからは、初めての訪問だ。 それも、父と一緒に…… 前回皆んなでお会いした時は、結局、島田さんが予約してくださったお店に行ったので、家を訪れることはなかった。 まだ、父は一度も訪れたことがないので、結婚式前にお邪魔することになったのだ。 内心、私も父が一緒で良かったと思った。 お義父様は、先日も式場でお会いしているので、お人柄は分かって来たのだが、やはりお義母様とは、まだ蟠りがある。私だけかもしれないが厚い壁があるように思える。 でも、嫁になった以上、これからもお付き合いをして行かなければならないとは思っている。 以前のことがあったので、お義父様と律樹、父は、なるべく私とお義母様を2人だけで会わせないようにしてくれているのが分かる。 恐らくお義母様の性格上、何を言い出すか分からないからだろうと思った。思ったことをすぐに口に出して言ってしまうタイプなのだ。 もう父の部屋を見せてもらったので満足そうな律樹。 お茶だけいただいて、又、運転手さんに車で迎えに来ていただき父と一緒に、律樹のご実家へと向かった。 お義父様の会社の隣りにご自宅が隣接している。 私は、以前律樹と付き合っていた頃に何度かお邪魔させてもらったことがある。 別れて2年だから、最後に来たのは2年以上も前だ。 「ただいま」と律樹が言うと…… 「お帰り」「いらっしゃいませ」と、 お義父様とお義母様が出迎えてくださる。 「本日は、お招きいただきまして、ありがとうございます」と、丁寧にご挨拶をする父。 同じように深々とお辞儀をした。
last updateLast Updated : 2025-10-14
Read more

第29話 結婚式

──2月23日 結婚式当日 私たちは、ようやくこの日を迎えることが出来た! 付き合い始めたのが、大学4年の卒業式前。 律樹は、気づいていないのかもしれないけれど…… 2月23日だったんだよね! もう忘れちゃった? 再会した10月1日のことの方が、新しいから、 そっちの方を記念日として覚えてるのかなあ? そんなことを思いながら、今、私たちは、夫婦の誓いを交わしている。 「……幾久しくお守りください。令和7年2月23日、塩谷律樹」 「妻、みあり」 ──妻は、名前だけなので良かった! ホッ 「みあり綺麗」と、ボソッと言うので、 「律もカッコイイ」と言って微笑み合う。 お爺ちゃんとお婆ちゃんもニコニコしているのが見えた。良かった。 もちろん父もニコニコしている。 ──ん? 泣きそうになってる? その後、親族のみの写真撮影を終え、いよいよ、大勢の方々の前での披露宴。 まさに、披露する場だ。 白無垢姿で皆様をお迎えした。 そして、色打掛に着替えて、入場。 膨大なカメラのフラッシュとスマホの数に驚いた。 まるで、有名人になったような気分だ。 同僚や友達、親族の顔を見るとホッとする。 私の中では、誰だろう? と思われるおじ様がたくさんいらっしゃった。 「専務の娘さん」とか、「専務のお孫さん」という声が聞こえた。そっか、お爺ちゃんの知り合いもいらっしゃるのだなと思った。 ほとんど料理は、食べられない。 そんな暇はない。代わる代わる順番に高砂席で、皆んなと写真を撮る。
last updateLast Updated : 2025-10-15
Read more

第30話 涙

私は、まず一昨年、亡くなった母への感謝を述べた。 「今日この会場の席に、座ることは叶わなかったですが、きっと笑顔で『おめでとう! 良かったね』と喜んでくれていると思います。お母さん、産んでくれてありがとう! 育ててくれてありがとう!」 それだけで、皆んなの涙を誘ってしまった。 なので、我慢していた私もやっぱり泣いた。 そして、再会した父と祖父母への感謝。 「最初は、やっぱり戸惑いました。でも日を追う毎に、とても大切に思われていることに、嬉しくなり、独りぼっちになったと思った私を元気にしてくれた、お父さん、お爺ちゃん、お婆ちゃん、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」 そして、 「その架け橋となってくれたのは、何より旦那様になってくれた律樹さんなのです」と言うと、 「え?」と驚いている律樹。 「貴方が居なかったら、私は、ずっと独りぼっちだと思っていました。家族になってくれてありがとう! 心から感謝しています。これからもよろしくお願いします」と言うと、律樹はとても驚いて、泣いていた。 そして、律樹のご両親への感謝。 「お義父様、お義母様、律樹さんを産んで育ててくださりありがとうございます。私は、まだまだ未熟で不束者ですが、これからもどうぞよろしくお願いします。そして、一人っ子の私に義弟と義妹が出来ました。これからも仲良くしてください」と挨拶した。 皆んな泣いていた。 そして、花束贈呈。 私はお義母様に花束を贈呈し、お義父様の胸ポケットには1輪の花を差した。律樹は、父に贈呈してくれた。固い握手をし抱き合って父が律樹の背中をトントンと二度叩いた。 最後は、新郎である律樹が皆様にご挨拶してくれた。 「いや〜いきなり妻に泣かされるとは思いませんでした!」と笑っている。 「本日は、皆様ご多用の中、僕たち2人の為に、こんなにたくさんの方々にお集まり
last updateLast Updated : 2025-10-16
Read more
PREV
1234
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status