おじいさんの思い出の正体がわかったところで、俺たちはそろそろおいとますることにした。「二人とも……ありがとうございます! 何かお礼をさせてください」「気にしなくていい、俺たちが好きでしたことだ」「そうそう、おじいちゃんの嬉しそうな顔が見れただけで満足だよ!」 花守さんは「でも……」と小さく呟き少し考えたあと、思い出したように手をパンと叩いた。「あっ、そうだ!来週の土曜日、うちに晩御飯を食べに来ませんか?」「来週の土曜日に?」「はい!毎年この時期は、お寿司とか頼んで一緒にご飯食べるんです。うちの両親もお礼がしたいって言ってて……どうですか?」「お寿司!?行く!!」 エリカが光速で即答した。目がキラキラしてる。というか、すでにヨダレ出てない?「おい、エリカ……。さすがに家族の憩いの時間に、それもちょっとした謎を解決しただけで俺たちが行くのは、さすがに悪いだろ」 「そんなことないですよ! おじいちゃんの嬉しそうな様子久しぶりに見れたんですから、それくらいさせてください!」「そうそう、ね? 直央くん、こういうのは遠慮するほうが逆に失礼なんだよ?」 うーん……説得力があるような、ないような。だが、エリカの顔にははっきりと「お寿司」って書いてあるし。「……わかった。それじゃあ、お言葉に甘えて、お邪魔させてもらおう」「はいっ! お父さんたちにも伝えておきます!」 そんなこんなで、来週のごちそうの約束も取り付けて、俺たちは花守さんの家をあとにした。 玄関を出て、エリカと並んで歩き出してしばらく――。 ふと、家の裏を流れる川が視界に入った。 来たときには何も感じなかったが。 どうしてだ。今、その水の流れを見つめていると……胸の奥が、ふいにざわついた。 ※※※ 俺とエリカは部活終わりの真司と茉莉花と合流して、アンサンブルのテーブル席に集まった。
Huling Na-update : 2025-12-06 Magbasa pa