最悪の目覚めだ……。 久しぶりに“あの日”の夢を見てしまい、目が覚めたときには、シャツが汗でぐっしょりと張りついていた。まるで水の中で眠っていたみたいだ。 喉がからっからで、脱水になる前に水分を摂ろうと、ベッドから起き上がった――その瞬間、視界に入った時計を見て、俺は凍りついた。 (……は!? いつもより、三十分も寝坊してる!?) 血の気が引いた。その瞬間、再び汗が噴き出す。いや、さっきの汗とは別の、冷たいやつだ。 目覚ましは?かけ忘れた?いや、そんなはず……! そんな混乱に頭が追いつかないまま、確認もせずにベッドを飛び出しエリカの部屋へと向かう。 朝起きたばかりのエリカは日記を読むという習慣を知らない。 つまり、一年前の高校入学前の時点の記憶のままその日をはじめるということだ。 なにも情報もなく、変わってしまった自身の周りをみた時にエリカにどんな影響があるか分からない。「エリカっ!!」 勢いよく隣のドアを開け放つ。 俺の部屋と同じ間取りのその部屋。けれど、ぬいぐるみやリボンで彩られた空間は、どこか柔らかくて、あたたかい。 その中心で、エリカは机に向かってちょこんと座っていた。「直央くん?おはよ。……どうしたの?そんな怖い顔して」 エリカは首をかしげて、きょとんとした表情で俺を見上げる。「エリカ……どうして……?」 戸惑う俺を見て、エリカは目をぱちぱちさせていた。 やがて彼女は「あっ!」と何かを思い出したように、ぱっと笑った。「えへへー。これのおかげ♪」 そう言って、ベッドの真上の天井を指差す。 その方向に目を向けると、天井に貼られた一枚の紙が目に入った。A4用紙に、太いマジックでこう書かれていた。 《起きたらまず日記を見る!》「ねっ、えらいでしょ?」 腰に片手をやり、胸を張ってキリッとしたどや顔をきめるエリカ。金髪がきらっと揺れて、髪までもエリ
Huling Na-update : 2025-12-26 Magbasa pa