周囲の轟音が、胸に直接打ちつけるように響いた。紬の心臓は、早鐘のように激しく跳ね続けた。遠くで土煙が巻き上がり、こちらに向かって猛烈な勢いで迫ってくる。危機はもう、目前まで迫っていた。一刻も早くすべての機材とチームを連れて、避難しなければならない。そのことだけははっきりと理解していた。紬は表情を硬く引き締め、周囲のスタッフに向かって叫んだ。「わかりました。すぐ機材を確保します!何があっても、機材だけは絶対に守り抜かなければならないわ」言い終えると同時に、先ほどの衝撃で床に落ちた携帯を素早く拾い上げた。衝撃で画面に大きな亀裂が走っていたが、かろうじて操作できる程度には使えそうだった。パニックに陥りかける人の波に乗って避難車両へと走りながら、紬は慎に電話を入れた。この異常事態を伝えて、彼がこちらへ来るのを全力で止めなければ。しかし——「おかけになった電話は、現在電源が入っておりません……」機械的で冷たい女性のアナウンスが、紬の胸をきゅっと締め付けた。言いようのない不安が、冷たい水のように全身を覆った。避難車両のドアまで来たところで、思わず足が止まってしまう。もう一度、震える指でかけ直した。結果は、同じだった。紬は深く息を吸い込み、強引に車に乗り込むと、すぐさま笑美に電話をかけた。笑美が今どこにいるかわからない。彼女の安全だけは、絶対に確認しなければ。笑美には、すぐ繋がった。ただその声は途切れ途切れで、明らかにパニックを起こしていた。「紬!今どこにいるのか!?まだあそこにいるのか?私はさっき、護衛の人に連れ出してもらった。こっちは何もなかったよ。そっち、大丈夫なのか!?」分厚い扉が閉まり、装甲を施された車が猛スピードで大通りへと飛び出した。周囲には、まだまばらな銃声が乾いた音を立てて響いていた。紬はずっとわかっていた——自国があまりに平和だから、こういう命の危機に国内では無縁なだけなのだ。でも国の外には、今もこうして理不尽な争いが続いている場所がある。血と命の代償で成り立っている場所が。紬は片手で耳を強く押さえ、砂塵の舞う窓の外を見ながら声を張り上げた。「私は大丈夫よ!今、車で移動してる!向かってる先は——」ドンッ。突然の鈍い衝撃に、車体が大きく横に揺れた。運転手がとっ
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