All Chapters of 【牌神話】〜麻雀少女激闘戦記〜 通: Chapter 61 - Chapter 70

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第1部 三章【護りのミサト!】その4 第一話 偶然の再会

60.ここまでのあらすじ ミサトとユキはアクアリウム静岡店でゲストに呼ばれ、18卓ある店舗を見事期間中の3日間毎日満卓にした。2人は自分たちコンビを『牌戦士 三郷幸』と名乗る。牌戦士たちの旅は続く、次は一体どんな出会いがあるのやら――【登場人物紹介】井川美沙都いがわみさと主人公。怠けることを嫌い、ストイックに鍛え続けるアスリート系美女。金髪ロングがトレードマーク。通称護りのミサト 日本プロ麻雀師団所属 獲得タイトル 第36期新人王 第35期師団名人戦準優勝など飯田雪いいだゆき井川ミサトの元バイト先の仲間でありミサトのよき理解者。ボーイッシュな髪型、服装をしているが顔立ちはこの上なく女の子で可愛らしい、そのギャップが良い。金田朱鷺子かねだときこ新宿でゴールデンコンビと言われる2人組。生物学的には女だが、見た目は美男子で『トキオ』の名で通っている。通称TKOのトキオ。麻雀真剣師団体ツイカの1期生。新宿ゴールデン街で店をミカゲと共同経営している。金子水景かねこみかげトキオと2人でゴールデンコンビと言われる一流雀士。通称隠密ミカゲ。麻雀真剣師団体ツイカ1期生。新宿ゴールデン街で店をトキオと共同経営している。普段は分厚いメガネをしててダサめな姿だが、メガネを外しコンタクトにするとすごく美人。その4第一話 偶然の再会「ねえミサト。次はどこに向かってるの?」「んー、今日はお休みにしようかなって。旅に出てからというもの1日も休まず働いたでしょ? だから今日は旅館にでも行ってゆっくりしたいなって」「えー! 嬉しいぃ!」「実はもう宿はとってあるの。ちなみにあの2人も一緒よ」「あの2人?」「新宿ゴールデンコンビよ」──── 旅館に到着するとロビーにトキオとミカゲは既にいた。「よう、お二人さん。今日は誘ってくれてありがとな」「いいえ、私こそ急な誘いだったのに来てくれて本当に嬉しいわ。ありがと、ミカゲ、トキオ」「ミサト、いきなり誘ったの?」「ええ、名刺の裏に店休日が書いてあったから今日と明日は休みってことは知っていたの」「あー、なるほど。にしてもそれですぐに来るって2人とも行動力あるなー」「実は花火大会情報でここは知ってたんだよ。今日はここで花火大会があるんだろ? 夜が楽しみだな。出店もたくさん準備してたし」「それにこの旅館は麻
last updateLast Updated : 2025-11-24
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第1部 三章【護りのミサト!】その4 第二話 対決! 新人王vs新人王

61. 第二話 対決! 新人王vs新人王  川原田朱里(かわはらだじゅり)は中野雅也(なかのまさや)の有能な右腕だ。 彼女は言われるであろうことを先読みして動けるタイプの人間なので、あれよあれよと事が進んでいく。気が付いたら全てのサイドテーブルにキンキンに冷えた麦茶まで置いてある。 A卓東家 中野雅也(なかのまさや)南家 金田朱鷺子(トキオ)西家 曽根博一(そねひろかず)北家 井川美沙都(ミサト) B卓東家 金子水景(ミカゲ)南家 鳥栖大毅(とすだいき)西家 飯田雪(ユキ)北家 鹿野沙織(しかのさおり) 立会人 川原田朱里 「ジュリはおれたちの勝負を見届けてくれ。おれが本物のプロ雀士だったって所を見せてやるから見逃すなよ」「わかりました」 「「よろしくお願いします!」」  各卓ゲームを開始した。  A卓は35期新人王と36期新人王の対決だ。中野は麻雀プロを辞めて4年になるが一度は新人王にまでなった実力の持ち主だ。そう簡単には勝たせてもらえないだろうとミサトは警戒して挑んだ。 「えー、みなさんやりながらでいいんで聞いてください。今回の勝負はチーム戦です。我々『カキヌマホールディングス』対『井川美沙都プロ率いる女流雀士チーム』はまず一回戦をA卓B卓に分かれて対局します。その結果で例えば課長が3位で曽根が4位だとしたとしたら二回戦A卓は課長B卓は曽根というように同卓した同じチームの相手とで順位が上の方が二回戦はA卓に、下の順位の方がB卓に行き決勝を行う半荘2回勝負です。終わったらチームトータル得点を計算して負けたチームがこの麻雀ルームの場代を持ちます。また、個人優勝した方にはここの売店で1番高いお
last updateLast Updated : 2025-11-25
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第1部 三章【護りのミサト!】その4 第三話 ミオちゃんの配信

62. 第三話 ミオちゃんの配信  トキオはダブ南を鳴いて打2索とした。トキオの捨て牌にはソーズが全く出ておらず、この2索が初めてトキオから出たソーズだった。  ジュリはトキオの手をチョロっと見に行った トキオ手牌二三⑤⑤赤⑤44赤567(南南南) ドラ7 (ポンテン8000かー)  トキオは既にダブ南赤赤ドラの一-四萬待ちポンテンを入れていた。しかしトキオの仕掛けに対して一-四は危険牌であるので現状はすんなりアガれるか分からないな、とジュリはトキオの手を見ながら思った。するとミサトの手から4索が切られた。 「ポン」打赤⑤ (は?) トキオ手牌二三⑤⑤赤567(444)(南南南) ドラ7 (え? 手を短くして、使えるドラを捨てて、待ちを変えることもしないってどういうこと?)  見てる方が混乱するような鳴きだった。しかし、これは対局者にしか分からない魔法なのである。 曽根打一 「ロン」 「えっ!?」 パタン トキオ手牌二三⑤⑤赤567(444)(南南南) ドラ7 「満貫!」 「使える赤を捨ててる……?」 「メンゼン祝儀のルールだからね。そこのルール表の通りにやるなら」  たしかに、この麻雀ルームは昔はフリー雀荘だったのか店のルール表
last updateLast Updated : 2025-11-26
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第1部 三章【護りのミサト!】その4 第四話 これが本物の勝負師

63. 第四話 これが勝負師  結局、曽根がアガリをとれたのは初めのハネマン一回だけでありその後はみんなして曽根をボコボコにした。プロ3人でよってたかってフルボッコである。「わかったわかったわかりました。格の違いはもうわかったから、お願いだからこの辺でやめて!」 「こう言ってるし、中野さんはもうアガるの禁止でよくないですか」 「よくねーだろ! 今おれ三着目だろうが」 南3局曽根の最後の親番 中野 29800点トキオ33100点曽根 3600点ミサト33500点  3人は三つ巴だった。なのでここで軽くアガリを取ろうとか考えない、むしろこの局。ここで決着をつけるように手作りするのがプロというものだ。それを3人とも分かっているのでこの局は誰も鳴かなかった。そして…… 「リーチ!」「リーチ」「私もリーチよ」  親の曽根以外の3人が一気にリーチ。曽根は親番ではあるがさすがに無理なものは無理なため『もうお手上げ』とばかりに現物を力無く放る。 「ツモ」 ミサト手牌三三八八八①②③11666 1ツモ  手を開いたのはミサトだった。 「四萬切りリーチで三萬と1索のシャボ!」「3軒目のリーチなのにあえてツモり三暗刻なの?」「三萬が山にありそうだったからね。まあ、引けたのは1索なんだけど。それに、アナタたち強いからここで決着つけておくのが最善策だと思ったの。はい、2000.4000で私の勝ちね」  チャン
last updateLast Updated : 2025-11-26
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第1部 三章【護りのミサト!】その4 第伍話 中野の最速対々

64. 第伍話 中野の最速対々 二回戦 A卓東家 中野雅也南家 飯田雪西家 井川美沙都北家 鳥栖大毅 この座順でゲームスタート 「ユキ、あなたもトップだったの」「ええ、私だって伊達にミサトの相棒をやってないからね」「私としても鼻が高いわ」  すると中野が黙っていられないという顔で会話に割って入ってきた。 「おれも元プロ雀士だ。ただ見ていただけで見せ場も作れずにやられました。なんてわけにはいかない!」「そうよね、期待してるわよ。新人王」「C3リーグ優勝の実力を見せてくださいよ」 「ぐぐぐっ! 完全に舐められてるな」「えー? なんでそうなるのよ。私はただ思ったことをそのまま言っただけよ」 「まあ、私は若干舐めましたけど。所詮は一般人なのかなって。私たち『牌戦士』とは覚悟も違うだろうし」 「ちょっと、ユキ! 失礼よ、謝って」「いや、すいません。でもせっかくの対局だからもうちょっと中野さんのカッコいい所見てみたいなと思って。中野さん達だってこのまま終わったら不完全燃焼じゃないですか? とは言え、花火大会は行きたいからもう半荘やる時間はないし」 「焚き付けてくれたってことね。オッケー…… おれもそこまでされてジッとしてるような男じゃない。見せてやるよ。新人王の本気をさ!」 「待ってました!」  ユキの挑発を受けて中野雅也のハートに火がついた。そこからはリーチに対しても怯まず押し返して、それでいて本命だけは押さえて。上手いことテンパイさせた。
last updateLast Updated : 2025-11-27
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第1部 三章【護りのミサト!】その4 第六話 ひとときの休息

65. 第六話 ひとときの休息  南3局からはミサトの構えが違っていた。 あのような素晴らしいプレーを見せられたらヌルい麻雀は打てない。ただでさえ堅い守備をさらに固めて逆転は実質不可能にする。それがミサトの戦い方だ。(守って守って守り切る! それが私の持ち味だ)  そして終局―― 「ノーテン」   結局、ミサトには微差トップのまま逃げ切られて中野は逆転出来ないまま終わった。 「く~~~! 固いなー井川プロ。甘い牌1枚も出ないまま終局まで続くか普通? さすがは『護りのミサト』と言われるだけはある。完敗だよ」 「いや、正直ツイてただけです。実際今の局は終局時に安全牌を完全に使い切ってしまったし。途中のツモ牌が安全じゃなかったら最後の最後で放銃の可能性もあったんです。紙一重ですよ」 「こっちも勝ちましたよ、ミサト」  B卓ではゴールデンコンビが圧勝していた。新宿最強と言われる2人が素人に負けるわけはないのである。 トキオはリーチ合戦で放銃したので危なかったが、ミカゲがそつなくアガリを重ねてくれたので終わってみれば躱し手ばかりだったはずのミカゲがトップ。トキオも二着を確保。結果――  勝利チーム 女流プロチーム 総合優勝 井川美沙都プロ(2連勝)  ミサト率いる女流プロチームの完全勝利だ! 「総合優勝の賞品はこちらのお酒になります」  それはかなり大きなビンだった。 「おお! 大きいなー。運ぶのも重いし、今みんなで飲んじゃいましょうか!」「大賛成!!」「ミサトさん、いいんですか? 
last updateLast Updated : 2025-11-28
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第1部 三章【護りのミサト!】その4 第七話 ツインテール

66. 第七話 ツインテール  ――翌朝 「あー、よく寝た!」「ちゃんとした寝床で寝るのも久しぶりだったものね」  ミサトとユキは車中泊が基本の旅人である。旅の途中でキチンした宿泊施設に泊まったのはこれが初めてだ。(アクアリウム静岡店からは宿泊費込みの報酬を受け取ったくせに車中泊をして宿泊費を浮かせていた) あったかい布団の素晴らしさを噛み締める2人。いいないいな、人間っていいな。と。 「あれ、ミサト今日はツインテールなんだ。珍しいね(かわいいな)」「あー、昔はよくツインテールにしてたから。思い出してもらえるかなって」「思い出すって何を?」「これから行く所は中学生の頃に1年と少しだけ住んでた場所。そこにある中華屋に行く」「雀荘じゃなくて?」「雀荘もたくさんある街だったけど、昨日のミカゲとの会話で千葉の中華屋美味しかったなって思い出しちゃって。今日はその思い出の中華屋にチャーハンを食べるために千葉に向かいたいと思います!」「楽しそう! それで当時の髪型にしてるわけだ。金髪ツインテールなんて令嬢みたい」「令嬢って、そんな高貴な生まれじゃないわよ、家は社宅だし。うちのパパは転勤続きのサラリーマン。東京、大阪、広島、千葉、また東京、そして茨城。引っ越すのは嫌いではなかったけど、そのたびに友達と別れるのはつらかったな。でも、一番大変なのはパパなんだし、頑張ってねって応援するしかないよね」「ミサトは良い子だね」「べつに…… いつでも優しいパパのことが好きなだけよ。ユキはそういえば家族の話とかしたことないね」「……うん、私は孤児院育ちだからね。あんまり人に言ってないんだ」「…あっ、ごめん。そうだったの……」「いいの、いいの、今は幸せにや
last updateLast Updated : 2025-11-29
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第1部 三章【護りのミサト!】その4 第八話 酒瓶トロフィー

67.第八話 酒瓶トロフィー 2人は千葉県に到着した。「あれ、ミサトそれ持ってきたの?」「うん、武器としてね」「武器??」 ミサトは優勝賞品でもらった酒の空瓶を持ってきていた。「冗談よ。まあ、これは記念にね。優勝トロフィーみたいなもの。今回の大会はほんの小さいものだけど相手は強かった。それに勝ったという思い出よ」「酒瓶のトロフィーか。いいね」◆◇◆◇ 千葉県のとある低レート雀荘にて。 石沢伸也(いしざわしんや)はその雀荘でまあまあ強い方だった。「今日も石沢さんの勝ちか。強いねー」「呉(くれ)さん。いや、今日のはたまたま。牌の巡り合わせが良かっただけですよー」 石沢伸也は強いと言われてご機嫌だ。麻雀を打つ奴は強いと言われたら機嫌を良くする。そしてそれは実際にはそれ程強くない者程そうであった。『まずまずの強さ』な伸也にとって「強い」と言われる事ほどのご褒美はないと言える。それを呉という男は分かっていた。通称『人誑(ひとたら)しの呉』ヤツの術中にこの時点でハメられているとは石沢は全く分かっていなかった――◆◇◆◇ 千葉県に到着したミサトたち。パーキングに車を停めようとウロウロするが――「たっか! パーキングの値段高すぎない!? 千葉県って都会なのねー」「私もこの辺に住んでた時はまだ子供だったから知らなかったけど高いのねー」 八千代台駅周辺で一番安いパーキングを探したがちっとも安くないので驚いた。「私が住んでたのは隣駅なんだけど、ここらでは八千代台駅が一番便利なの、もう駅前のデパートに一旦車停めよう」────「さて、夜になったら移動させるとして、どうせこのデパートは使うつもりだったし、いいでしょ」「賛成。ちょっと高すぎるもんね。私たちの経済力から考えたら無駄遣いはできません」 そう言いながらデパート2階のクレープ屋さん『ピレーネ』で早速イチゴチョコ生クリームクレープとバナナチョコ生クリームクレープを買って休憩している2人。モッチャモッチャとクレープを頬張りながら無駄遣いについて語るという……「美味しいわね。ここのクレープはおかずクレープも美味しいって有名なんだけど、でもね、どうしても毎回バナナチョコ生クリームを買ってしまうのよ」「分かるよ。私もクレープの野菜入りって美味しいだろうなと思いながら結局はイチゴチョコ生クリームし
last updateLast Updated : 2025-11-30
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第1部 三章【護りのミサト!】その5 第一話 イカサマよりタチが悪い

68.ここまでのあらすじ 旅先で偶然にもかつて同じリーグに所属していた元師団員、第35期新人王の中野雅也と遭遇し対局することとなるミサト。 苦戦こそしたものの現役の力を見せつけてミサトたちは中野に勝利。 今度の行き先は千葉県。次はどんな強敵がミサトたちの前に現れるのであろうか――【登場人物紹介】井川美沙都いがわみさと主人公。怠けることを嫌い、ストイックに鍛え続けるアスリート系美女。金髪ロングがトレードマーク。通称護りのミサト 日本プロ麻雀師団所属 獲得タイトル 第36期新人王 第35期師団名人戦準優勝など。飯田雪いいだゆき井川ミサトの元バイト先の仲間でありミサトのよき理解者。ボーイッシュな髪型、服装をしているが顔立ちはこの上なく女の子で可愛らしい、そのギャップが良い。金田朱鷺子かねだときこ新宿でゴールデンコンビと言われる2人組。生物学的には女だが、見た目は美男子で『トキオ』の名で通っている。通称TKOのトキオ。麻雀真剣師団体ツイカの1期生。新宿ゴールデン街で店をミカゲと共同経営している。金子水景かねこみかげトキオと2人でゴールデンコンビと言われる一流雀士。通称隠密ミカゲ。麻雀真剣師団体ツイカ1期生。新宿ゴールデン街で店をトキオと共同経営している。普段は分厚いメガネをしててダサめな姿だが、メガネを外しコンタクトにするとすごく美人。その5第一話 イカサマよりタチが悪い 麻雀『ささき』ではフリーが二卓。セットが一卓立っていた。平日の真っ昼間なのでそんなものでも仕方ないが、ただここはゲーム代の安い『低レート雀荘』と言われる店なのでもう少し流行ってないと困る所。ここのように駅近だったら尚更だ。 八千代台の駅近だったら家賃も安くはないはずだ。(ちょっと淋しいわね。駅前なのに。ていうかこれ駅ビルの一部よね。駅ビルに雀荘が入ってるのは少し面白い)(ガラの悪いセット客もいるし、この店はハズレね)(まあ、セットなら関係ないからって気にしないで入れてるんだろうけど、こんな狭い空間でガラの悪い連中と一緒に居たい人がいるわけないからね) ミサトとユキは別々の卓に案内された。ユキは入り口近くのメイン卓、ミサトは昨日からずっと続いている奥の卓でセット卓の近くだった。「しっかし、呉さんはワルだよなあ。ちょっと腕が立つ程度のカモを見つけ出してはおだ
last updateLast Updated : 2025-12-01
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第1部 三章【護りのミサト!】その5 第二話 呉の手口

69. 第二話 呉の手口  遡ること数日前。 ────── 「呉(くれ)さん、今日はおれの日だったみたいですね。じゃあまた。今夜」「ちょっと待って、石沢さん。おれも帰るから駅まで一緒に行きましょうよ」「ああ、いいですよ」 呉八起(くれやおき)は石沢を狙っていた。丁度いいくらいの雀力でお人好しな、押しに弱そうな人間を探していたのだ。 石沢がここで駅に一緒に行くことを何かしらの理由をつけて断っていれば難を逃れたかもしれない。呉は断ることが出来ない人間を探していたのだから。 「石沢さん、おれたちいつも同じメンツで打ってる気がするな」「ええ、フリー雀荘なのにセット客と同じですね」「いっそ今度セットでやらないか? いつものメンツで目一杯まで」「ええ? でもそれはマスターに悪いよ」※フリーの料金はセットの利用料金より割高であるのでフリー客同士が雀荘で知り合って仲良くなりセットを利用するようになるというのは店にとってマイナスで、それはご法度であると何となく誰でも気付いている。 「それはホラ、別の雀荘でやることにしてさ。たまにはいいだろ、そういうのも」 石沢は呉の提案に乗り気にはなれなかった。いつも遊ばせてもらっている店に不義理を働くことになるからだ。しかし、それもたまにはいいだろと言う呉の言い分もわからなくはない。 「まあ、たまにならいいか」「そうこなくっちゃ! じゃああとの2人はいつも通り安岡(ヤス)と浜田(ハマさん)でいいよな。彼らにはおれから伝えておくから」  石沢は了承して呉と連絡先を交換し、その日は帰った。 ────── カラカラカラ 
last updateLast Updated : 2025-12-02
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