Masuk彼方流麻雀小説の世界へようこそ―― この物語は【牌神話】〜麻雀少女激闘戦記〜の第2巻として出させてもらうのですが、なんだ2巻かと思って戻らないで大丈夫です。例えるなら、ドラ◯ンクエスト2を思い浮かべてください。あれ、2から始めて全然大丈夫でしょう。これもそんな感じ。2巻からで大丈夫なんです。世界観が繋がっているけど1から順番に読む必要はない。二章からで全然楽しめる作りです。なので、これを最初に開いたならここから読んでくれたらいいんです。そのために2巻ってわかりづらいようにあえて『通』なんて書いたんです。 主人公が少女じゃないとかも気にしないで。 最後には、読んで良かった――と必ず思うはずですから。
Lihat lebih banyak158.スノウドロップ エピローグ 最高の未来へガチャ「ただいマー」「おかえりなさい、早かったね。今日は最近にしてはあんまり来客が無かったからもっとゆっくりしてても1人でなんとかなったのに。とは言え満卓だけど」「卓数増やした方がいいかもネ。3卓じゃあ少な過ぎタカ」「でも、そういうわけにもいかないだろ。ほら今日はアレ。伝えに来たんだろ」「あっ、ソウソウ。実はネ、今回のことはほとんどお父様の計画通りだったんだっテ。腹立つことにネ! どんくらい前から計画通りに進んでたかって私たちが麻雀をマージに持ち込もうとすることからもうお父様に誘導されてたみたいデ。……考えたらほんとアタマ来るんだけど。結局ナニが言いたいカト言うと。スノウとミサトがヨシエに出会ってヨシエが力を貸すことも全部予定通りのことだったんだっテ。信じられないケド、未来も見通せるお父様には出来る芸当なのカモネ」「エッ、そんなことある? あのとき私は私の意思で同行すると決めたけど?」「だよネェ。だから気味が悪くて。お父様には言ってやったワヨ『キショい』ってネ!」「どこまで操られてるのか分からないの怖いわねえ」「そう、ほんとソレ。でネ。今回の麻雀普及という仕事が一段落ついたら次にまたヨシエにはやってもらう事があるんだって。そろそろ頃合いだから伝えるように言われて。……ヨシエは孫に会いたイ?」「えっ、そりゃ会えるならいくらでも会いたいけども」「孫の力になってやりたいな。とか思ウ?」「まあ、できるなら。私はどうなってもいいから孫の人生に力を貸してあげれたらって思わない日は無いわよ」「ただ、そのためには自分の自我を失うかもしれないケドモ。つまり、生まれ変わってもらうんだケド。その、財前カオリのサポート役にはあなたしかいないと思っテ。全部お父様の提案なんだけど。私もそれがいいと思ウ。 財前カオリが自分の孫だということは思い出せないかもしれないケド、孫の助けになって、相棒になって生きてみたいと思いマスカ?!」「もちろん! もちろんよ! もう、1回死んだんだから自分は失ったっていいよ。その先に孫の相棒になる未来があるなんて最高じゃないの!」「ヨシエならそう言うと思ってタヨ。じゃあまた魂になってもらうネ。時空を超えて少し遡ってくヨ。私との記憶も多分消えちゃうかラ。ここでしばらくお別れネ。あ、そう
157.四章 最終話 スノウドロップ「戻ってきたね」「そうね、なんだか信じられない経験をしたね。夢のよう」 しかし目の前に大破したミサトの愛車があってとりあえず今ここが現実であることや交通事故があったこと、そこからエルによって救われたことなどは認めざるを得なかった。「そうだ、忘れないうちに何かに書いておこうよあっちでの事。忘れちゃうって言ってたじゃん彼女が、あの、あれ? ちょっと待って! あれ?? ウソでしょ?」「ど、どうしたの、ユキ」「もう彼女の名前が思い出せない……」「エッ!」「やばい。全部忘れちゃう前に本当に何かに書いておかなきゃ。ミサトも忘れないようにあの、リスのこと書いておいたら、あのえっと。とにかくリスよ」「……うそ。リス仙人の名前が私にも思い出せない」「たしか『キュ』とかなんとか」「私も『キュ』は正解な気がする。じゃあ、思い出すまで仮にリス仙人は『キュベレー』としておこう」「で、神様は何ていう名前してたっけ。なんかアルファベットじゃなかったかな?」「エフ?」「エム?」「~~~思い出せん! この際エスで良くない? 小さい子だったし」「だね、じゃあ神様は『エス』ってことで」 2人はコンビニで筆記用具を買うと思い出せることを今のうちに書き出した。「ユキはなんだっけ」「私はスノウよ。スノウって名乗ってた。クリクリ族とかいうのになってたからそれっぽい名前にしてたのよね」「なんとなく何か違う気がするけど、でも思い出せないな。完全に記憶消去される前にもっと書き出すわよ。そうだ、ユキは絵が上手いんだから神様の絵を描いたらいいんじゃない?」「えっ、出来るかな~。まあ、記憶があるうちにやってみる」◆◇◆◇ その頃、 ちゃんと交通事故を回避したか確認のためエルたちは地球の映像をしばらく見ていた。「アイツラ~! 小さい子だからエスだとォ! 自分らがちょっと大きいからっテー! 小さいのはそういう種族だからダシ!」「僕のことはキュベレーか。それ、地球にいる森とか大地の神の名前じゃなかったっけ。僕は基本的に森に住む仙人だし、あながち大ハズレってわけでもないね。それより見てみなよ、スノウの描いたエルの絵。とっても上手だし、満面の笑みじゃないか。いい絵だね。僕のことも描いてくれないかなあ」「ミサトがなんか一生懸命動物を描いてるわ
156.第七話 理屈じゃなくて愛なのよ エルはヨシエの書いた麻雀本にミサトが書いたほぼノンフィクションの小説や自分がスノウたちと出会ってから感じたこと、思ったことなどを加えてマージ用の麻雀本を完成させ魔法で刷りまくった。「ヨシ! あとは雀荘の店名をつければ完璧カナー」「マージは名前つけないこと多いからこれでOKにしたのかと思ってたけど、違うんだ?」「ウ~ン。そのつもりでいたんだけど、せっかくだからチキュウの文化を受け継いでみようかなっテ。その方が思い出に残るカラ」「そうかぁ」 ヨシエの作っていた花壇は完成していた。「ヨシエさん。これは何ていう花なんですか?」「スノウドロップよ。私の家で育ててたやつ。もう今年の花は終わりなんだけどね。がんばってまだ咲いてるのを集めてきたの」「へぇ、私の名前が入ってますね」「ソレダ!」「えっ」「お店の名前。『スノウドロップ』にしヨウ。この世界に落ちてきたスノウを連想して忘れないようにサ!」「落ちてきたんじゃなくてぶん投げて落としたんでしょ。ほんとエルは乱暴なんだから」とキュキュがツッコミを入れた。自分もろとも投げられたことをまだ根に持っているようだ。「でも、いいかもね。花壇にスノウドロップが咲いているのもカワイイし」「これって繰り返し咲くんデショ?」「球根だからね。ちゃんと管理したら毎年咲いてくれるよ」「私。管理する。スノウのこと忘れないように、私が管理して覚えておくワ」「エル~! ありがとう。大好きよ」「私のことも忘れないでよ?」「ミサトのことを忘れるわけないよ。僕、ミサトの肩の高さがちょうど良かったのにな」「私も、肩が軽いとなんだか寂しいわ。……でも、帰らないとね。ここは私たちの世界じゃないから」「ちょちょ!! 待ってよ、あたしもいるんですけどー! 完全に忘れてたでしょう!」「あ、コトノ」「そうだった」「コトノはまだ異世界100日ビザ切れないから残ってレバ?」「嫌ーよ。この世界お酒もタバコもないんだもん。なんか、空気が違うからかタバコ吸いたい気持ちにはならないんだけど、そういうことじゃないんだよなー。そろそろあの身体に悪いやつらが恋しい」「へんナノ」「こういうのは理屈じゃなくて愛なのよ」 「アイ……」「コトノ先生いっちゃうの?」「コトノ先生まだいてよー」「んー、カワ
155.第六話 ビザ切れ 雀荘をオープンさせたスノウたちは地球にいた時の日常に戻っていた。つまり、雀荘で麻雀教室。それの繰り返しだ。 最近ではエルもしっかり正しい選択で打てるようになり補助輪は外していいくらいにはなった。まだまだ未熟ではあるが、1人で麻雀を打てるようになったと言って良いだろう。つまりスノウたちの一番の仕事が終わったということ。 エルが自分でも他人にルールくらいは教えられるようになればスノウたちのミッションは達成したようなものだ。 「♪~」 ヨシエは鼻歌を歌いながら雀荘の横の日当たりのいい方向に花壇を作っていた。地球から持ってきた花があるからここに植えたいのだという。 一方、エルはというとヨシエの作った本を手書きで書き写していた。「コピー魔法とかで刷ればいいんじゃないの?」「いいの。覚えたいカラ。一度覚えたことも繰り返し読んで記憶していきたいシ。私が訳して書き写せば私には日本語の勉強にもなるデショ。お勉強はすればするだけイイワ。 1冊訳して仕上がったらその後はそれをコピーすることにスル」「真面目~」 「エヘヘ、そうデショ! そうデショ~!」 コトノは子供たちと麻雀をして遊んでいた。しかし、きちんと自分のすべきことはしている。というのもコトノは自分だけ手牌を公開して打っているのだ。 全員の手牌を公開しているとつまらないし進むのも遅くなる。しかし、全員伏せて普通にやっては教えられるものも教えられない。コトノのとった自分だけ公開して打つというのは麻雀を教える時に大いに役立つ方法のひとつなのだ。 だが……。コトノ手牌三伍七①②③⑦⑨45668 7ツモ ドラ9「んー、これっ!」打三「先生ー。これ、なんで七萬じゃなく三萬なんですか?」「えっとね。それは……」「先生ー、これ⑨筒とか⑦筒じゃあダメですか?」「うんと、その…… 遠くに567の三色があるかなって」「それだとどこかで必ず完成面子の破壊をしなければいけないと思うんですけど。この手牌からそんなことしてもいいんですか?」「ムグッ……! ムムムムム」「あーあー。コトノ先生、生徒に理詰めで来られて苦戦してるよ。ミサト、助け舟出してあげたら? 僕じゃまだそういうのは無理だから」「あれはいいのよ。それにあの生徒たちだってコトノが教育していまあそこまで成長したんだし
55.第三話 理論上完全安牌 せっかく憧れのミサトプロとの同卓になったんだ、頑張るぞ。という気負いがあったからかいつものバランスを崩して東場でボコボコになる賤機副店長。(あれえ、こんな予定じゃないんだけどな)と思う賤機。 それを背後から見ていた小幡は(バカだな、いつもの打ち方すればいいのに…… 女の前だからって何を格好つけようとしてるんですか。ラス回避が持ち味の麻雀打ちなのにリスク度外視の攻撃麻雀を付け焼き刃でやる
51.第八話 ルールの数だけ戦略がある「ロン!」「ツモ!」「ツモ!」「ロン!」 店長の反撃が決まりあっという間にバナさんの点数を減らすことに成功した。所詮は天和に気付かない次元の打ち手だ(そんな次元は聞いたことがないが)基本手順がなっちゃいないのである。 そしてむかえた東3局、ミサトの親番。「ポン!」 序盤にミサトがドラの二萬を叩く。チャンス手だ。しかし、
45.第二話 たった千点差のために ユキは家に帰ってゆっくり休むと、今回の旅の記録を物語形式で書くことにした。 その物語の主人公はもちろん井川ミサト。ユキが信じる最強雀士はミサトなのである。いつかきっとそれは皆が認める事実となるはずだと確信している。自分がミサトに習ったことを記録していけばその高く洗練された麻雀に皆が驚くに違いない。そう思って筆を取った。(たしか、最初に教えてくれたのは…… 守らせるってことだったっ
46.第三話 麻雀会計士「ユキは細かい点差計算が得意ね」ミサトは最近ユキのそういう側面を発見した。微差で勝ち切るパターンがこの子は多いな、と。「『リンリン』では基本的に経理担当してたからね。毎日電卓叩いてたわ。私が居なくなって小宮山さんは困ってるかも」 リンリンというのは今全国的に店舗数を増やしている大人気メイド喫茶のことである。ミサトとユキはそこで一緒に働いた仲間なのだ。「そう言えば裏方だったわね」「うん、麻雀の点棒もお金と同じで勝つた