50. 第七話 バナさん ミサトとユキは今日は少し変わったルールの雀荘に来ていた。『リーチ麻雀ブルーセブン』 ここの店には赤5が入っておらず。その代わりに⑦筒に青⑦が1つ、赤⑦が1つの2枚の祝儀対象牌がある。赤⑦はチップ1枚。青⑦はチップ2枚の牌だがともにメンゼン祝儀。そして、最も変わっているのが『⑦筒をアンカンすればその瞬間に祝儀1枚オール+3000点オール』というこのルールだ。 「面白いルールね。アガってないのに点数動くなんて」「つまり⑦筒をアンカンしたらご祝儀は15000点相当もらえて点棒は9000点。合わせて24000点と同じ価値ってことね。えらいこっちゃ」 「もう少し、あとほんの数分お待ちいただければおそらく来店があるのですけど、よろしいでしょうか?」 「同じ時間に来る常連さんでもいるのかしら?」 「そう、そうなんです。あと2分ぐらいで『バナさん』って方が見えるんで」 「2分なら待とうか」「そうね。全員入りになるとセットさんもいるから大変だしね」「ご協力ありがとうございます」 すると2分後 チリンチリン 「いらっしゃいませー! 待ってましたよ」 「バナナある?」 待ち席にはチョコレートと煎餅とアメとバナナが置いてあった。なるほど、この人が『バナさん』というわけだ。 『バナさん』と店長とユキとミサトで立卓。 バナさんは待ち席のバナナを一本丸呑みすると卓に向かった。それはもう手品のようにあっという間に飲み込んでいた。(前
Last Updated : 2025-11-16 Read more