和彦と中嶋は、まず互いの体に触れ合うことを、次に、快感を引き出すことを楽しみ始める。高ぶった欲望をすぐに爆発させてしまうのはもったいない気がした。やりたいように相手に触れ合い、感じ合い、そうしているうちに、意識が切り替わっていくようだ。〈オンナ〉という意識が。「ヤクザに目をつけられる前まで、ぼくにとってのセックスは、純粋に楽しむものだった。相手が何者かなんて関係なかったし、束縛もし合わない。気ままに、気楽な関係を持って――長続きはさせない。だけどそれが、性に合っていた」「今は、まったく逆でしょう。先生に触れられる相手は限られていて、セックス一つにいろんな事情が絡み合う。だからこそ先生は執着されて、大事にされて、束縛される。この世界で生きる限り、そんな状況はずっと続く」「君とのセックスに惹かれる理由は、そこにあるのかもな。君相手なら、ぼくは自由に振る舞える」 中嶋のものが、先端から透明なしずくを滴らせ始める。反り返った形を指先でなぞった和彦は、さきほどのお返しとばかりに、中嶋の内奥に指を挿入していく。声を堪えるように唇を引き結んだ中嶋だが、和彦が指を動かすと簡単に声を洩らすようになる。「秦に、慣らされているようだな」 奥まで突き入れた指をきつく締め付けられ、和彦は口元に笑みを刻む。発情した襞と粘膜が絡みつき、吸い付いてくるようで、その感触だけで和彦の体は熱くなってくる。 中嶋の片手が伸びてきて、和彦の欲望に触れられる。腰を密着させ、熱く濡れそぼった欲望を再び擦りつけ合っていたが、先に限界を迎えたのは中嶋だった。 和彦の体はベッドに押さえつけられ、しなやかな獣のように中嶋がのしかかってくると、両足をしっかりと折り曲げるようにして抱え上げられた。「ううっ……」 内奥を、中嶋のものによってこじ開けられる。この瞬間、和彦が感じたのは痛みでも苦しさでもなく、身を捩りたくなるような肉の愉悦だった。襞と粘膜を強く擦り上げられ、喉を反らして呻き声を洩らす。緩やかに内奥深くを突かれてようやく、下腹部に重苦しさが広がったが、それすら、すぐに快感と区別がつかなくなる。 自分にとって男を受け入れることとは、苦痛も快感も大差ない
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