「あうっ……」 熱く濡れた舌にべろりと首筋を舐め上げられて、思わず和彦は呻き声を洩らす。同時に背には、ゾクゾクするような疼きが駆け抜けた。 しなやかな体つきと荒々しい気性を持つ獣が、体の上で暴れているようだなと思いながら、和彦は乱れた息の下、小さく笑ってしまう。 「あっ」 ふいに、和彦の上で卑猥な律動を繰り返していた獣――ではなく、千尋が声を上げた。和彦は、千尋の茶髪を撫でてから、問いかける。 「どうした?」 「今、先生の中、すげー締まったから、よすぎてイきかけた」 まじめな顔でそんなことを言った千尋の頬を、汗が伝い落ちている。和彦はてのひらで汗を拭ってやってから、短く言い放った。 「――バカ」 「バカだけど、セックスは上手いだろ、俺」 悪びれることなくヌケヌケとそう言った千尋が、緩く腰を揺らす。すでに充溢した硬さと熱さを持つ千尋のものが和彦の内奥深くで蠢き、簡単に官能を刺激する。 「うっ、あぁっ……」 和彦が上半身をしならせると、嬉しそうに目を輝かせた千尋が顔を寄せてくる。野性味たっぷりのよく日焼けした肌が、若々しく端正な顔立ちにはよく映える。引き締まった頬のラインは、どこか粗野さも感じさせはするのだが、強い輝きを放つ切れ上がった目は子供っぽくもあり、顔立ち以上の魅力を千尋に与えている。 自分が二十歳のときは、こんなに生気を漲らせ、輝く存在だっただろうかと和彦は思う。こんなにしなやかで、熱い体を持っていただろうかとも――。 和彦はてのひらで愛でるように、千尋の体を撫でる。律動のたびにぐっと筋肉が硬く引き締まり、千尋の体が、しなやかではあるもののひ弱さとは対極にあるのだと、教えてくれる。 「先生、キス」 千尋にせがまれ、貪るように唇を重ねて、舌を絡め合う。和彦の中で、千尋のものが力強く脈打っているのがよくわかる。 「はあっ……、先生の中、興奮しまくり」 ペロッと和彦の唇を舐めてから、熱い吐息交じりに千尋が洩らす。和彦はお返しとばかりに千尋の下唇に軽く歯を立てた。 「興奮してるのは、お前のほうだ」 「若いから、俺」 ニヤリと笑いかけられて、和彦は千尋の滑らかな背に爪を立ててやる。もちろん本気でないと千尋もわかっており、ぐっと腰を突き上げて、心地よさそうに目を細めた。 こんな
Last Updated : 2025-10-14 Read more