All Chapters of 追放令嬢のスローライフなカフェ運営 ~なぜか魔王様にプロポーズされて困ってるんですが?~: Chapter 41 - Chapter 50

50 Chapters

41. 止まる世界

 三田のキャンパスへとやってきた二人――――。 そこは、まるで異世界だった。 近未来的なガラス張りの構造体が天を突き、陽光がプリズムのように乱反射している。広大なキャンパスには、まるでファッション誌から抜け出してきたような学生たちが、笑い声を響かせながら行き交っていた。「うわぁ……すごい大学ですねぇ……」 シャーロットは圧倒され、呟いた。 ここは確かに自分が知っている日本。でも、地方の製薬会社で働いていた頃には縁のなかった、きらびやかな世界――――。「ふんっ! 我はこういう奴らはいけ好かんがな!」 少女は不機嫌そうに吐き捨てる。過去に何かあったのだろうか?「で、女神さまはどこに……?」「あー、シラバスによると……」 少女はiPhoneを取り出すと、画面を指でトントンと操作しながら確認する。「三回生なら……あの校舎から出てくるじゃろう」「東京では『三年生』って言うんですよ?」「あーー! だから東京もんは好かんのじゃ!」 レヴィアは腕を組んで、ふんっと鼻を鳴らした。「ふふっ、ごめんなさいね……」 シャーロットは苦笑いを浮かべる。そして――。「あ、学生たちが出てきたわ……」「おっ! いよいよじゃな……」 二人は慌てて、広場の中央にそびえる巨木の陰に身を潜めた。 どやどやと、豪奢な校舎から学生たちが溢れ出してくる。「あー、腹減ったぁ!」「おぅ、あの店行こうぜ!」「お前、学祭どうする?」「単位がなぁ……」「俺はサークル行かなきゃ!」 青春の喧騒が、初夏の空気を震わせる。 その中でも、ひときわ華やかな一団があった。「あっ! 美奈ちゃーん! 今日も最高に可愛いわっ!」「美奈先輩! 学祭の件で相談が……」「美奈さん! この後サークルですか?」 歓声の中心には――。 チェストナットブラウンの髪が風に優雅に舞い、琥珀色の瞳が陽光を受けて宝石のように輝く。まるで光そのものを纏っているかのような、人ならざる美貌の持ち主が歩いていた。「おいでなすった……」 レヴィアが息を呑む。「えっ!?」 シャーロットは目を見開いた。「あの方が……全宇宙の頂点……女神さま……?」 圧倒的な美しさ。 けれど同時に、違和感も覚える。 数十兆人の頂点に立つ異次元の存在が、なぜこんなところで大学生活を?「じゃあ、我はここまでじゃ」
last updateLast Updated : 2025-12-01
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42. 喜んで!

「レヴィア!」 女神はツカツカと少女に迫りながら、怒気を放った。「あんたの仕業ね! どういうこと?」「ひぃぃぃ! め、女神様!」 レヴィアは急いで土下座した。「こ、これには深いわけが……」「どんな理由があれ、私の個人情報を漏らしたことは重罪よ?」 女神の瞳が、恐ろしく冷たい輝きを放つ。「厳罰に処すから、首を洗って待ってなさい!!」「ごめんなさい!」 シャーロットは衝動的に叫んでいた。「私が無理に頼んだんです!」 膝をついて、必死に訴える。「私、何でもやります! やりますから……」 声が震える。「私の世界を……元に戻してほしいんです!」「は?」 女神の眉がぴくりと動いた。「終わったゲームを再開しろって? あんた、宇宙をなめんじゃないわよ!!」 怒号が、停止した世界に響き渡る――――。「ごめんなさい、ごめんなさい!」 シャーロットはもう理性を失っていた。「でも、もう女神さまにしか頼れないんです!」 堰を切ったように、涙が溢れ出す。 ゼノさんの不器用な優しさ。 カフェでの温かな日々。 それらすべてを失った絶望。 感情の波が押し寄せて――。「うわぁぁぁぁん!」 号泣した。 泣いてる場合じゃないとは分かっている。でも、もう止められない。「泣いたって変わらないわよ!」 女神の叱責が飛ぶ。 でも、追い詰められたシャーロットには、もう何も考えられなかった。「ごめんなさい、何でもしますからぁ……うわぁぁぁぁん」 ただ泣くことしかできない。 子供のように、ただひたすらに。 はぁ…&hel
last updateLast Updated : 2025-12-02
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43. 最高神のお願い

 息を切らしながら追いついたシャーロットの前で、女神は巨大な木製のドアを開けた。 パシュー! 瞬間、別世界が広がる――――。「えっ……?」 そこは、宇宙空間から一転して――驚くほど普通のオフィスだった。 いや、普通というには洗練されすぎている。 深い色合いの木製家具が落ち着いた雰囲気を醸し出し、大きな観葉植物――フィカスやモンステラが生き生きと葉を広げている。そして何より、鼻腔をくすぐる芳醇なコーヒーの香り。(ここが……全宇宙の地球たちを管理する場所?) 想像していたような、冷たい機械に囲まれた空間ではない。 むしろ、シリコンバレーの最先端IT企業のような、創造性を重視した空間設計。 広々としたワークスペースで、十数人のスタッフが思い思いの場所で作業をしている。彼らの前には、虚空に浮かぶ複数のホログラフィックディスプレイ。指先が優雅に舞うたび文字列や図形が踊るように変化していく。「|誠《まこと》ぉ!」 女神が、奥の方で作業している男性に声をかけた。「新人連れてきてやったぞ!」 しかし――。 大きなヘッドホンを装着した男性は画面に向かって小刻みにリズムを取りながら、完全に自分の世界に没頭している。 女神の眉がぴくりと動いた。 手近のティッシュボックスを掴む――――。 パァン! 容赦ない一撃が、男性の後頭部に炸裂した。 ゴハッ! 男性はつんのめり、慌てて頭を押さえながら振り返る。「ちょっと何すん……」 怒りの言葉が、相手を認識した瞬間に変わった。「あ、美奈ちゃん……」 まるで悪戯を見つかった子供のような表情。「あんたねぇ、呼んだら応えなさいよ!」 美奈は腰に手を当て、まるで姉が弟を叱るような調子で言う。「あ、ごめんごめ
last updateLast Updated : 2025-12-03
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44. キラキラと輝く日常

「そ、そんなぁ……」 誠の悲痛な呟きを無視して、美奈はシャーロットに向き直った。「それから、お前!」 人差し指が、まるで剣のようにシャーロットを指す。「死ぬ気で成果を出しなさい」 声が、宇宙の冷たさを帯びる。「役に立ったら……その時初めて、話は聞いてやるわ」 琥珀色の瞳がギラリと光った。「いいね?」 でも――。 シャーロットにとっては、それこそが希望の光だった。「は、はい!」 全身に力を込めて、背筋を伸ばす。「命がけで頑張ります!」 ゼノさんに会うために。 カフェでの日々を取り戻すために。 たとえド素人で何も知らなくても、やってみせる。「よーし、いい返事だ!」 女神の表情が、一瞬だけ柔らかくなった。「あのぅ、レヴィア……さんは?」「もちろん、お前の活躍次第だ……レヴィアはあれでいい子だからな? 期待してるぞ……」 そう言い残すと――。 スーッと、煙のように消えていった。 まるで最初から幻だったかのように。 残されたのは、戸惑うシャーロットと、頭を抱える誠。 遠くでカタカタと響くキーボードの音。 コーヒーメーカーが立てる、ゴポゴポという水音。 誰かが打ち合わせしている声。 すべてが、ここが現実であることを告げていた。「はぁ……」 誠が深いため息をついた。「とりあえず、座る?」 誠は隣の席から高級なネットチェアをゴロゴロと引っ張ってきてシャーロットに勧めた。 その声には、諦めと、そして少しの優しさが滲んでいる。 シャーロットは小さく頷き、キュッと口を結んだ。 ここか
last updateLast Updated : 2025-12-04
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45. 勇気をちょうだい

 やがて――。 ヴゥゥゥン…… 空間が震え始めた。 白い世界に、小さな歪みが生まれる。 それは次第に大きくなり、人の形を取り始めて――。「あ……」 立派な角。 漆黒の髪。 深紅の瞳。 紛れもない、魔王ゼノヴィアスがそこに出現した。「ゼノさん!!」 シャーロットは叫ぶ。 考えていたことも、伝えたかったことも、すべてが吹き飛んで、ただ本能のままに彼の胸に飛び込んだ。「うわぁぁぁぁん! ゼノさぁぁぁん!!」 涙が止まらない。 広い胸に顔を埋め、ただひたすらに泣いた。 彼の温もりを、匂いを、存在を、全身で感じながら。「お、おぉ、シャーロット……」 ゼノヴィアスは明らかに戸惑っていた。「ど、どうしたのだ……? なぜそんなに泣いて……」 大きな手が、おずおずとシャーロットの背中に回される。「会いたかったの」 しゃくり上げながら、必死に言葉を紡ぐ。「会いたかったんだからぁぁぁ……」「ふはは、どうしたのだ?」 ゼノヴィアスは困ったように、でも優しく笑った。「我も会いたかったぞ? いつもシャーロットのことばかり考えておるのだから……」 その大きな手が、そっとシャーロットの髪を撫でる。 不器用で、でも限りなく優しい手つきで。 シャーロットは耳を澄ます――彼の心臓の音が聞こえてくる。 ドクン、ドクンと、いつもより速く脈打っているのが分かる。 思い切り、彼の匂いを吸い込む。 もう二度と感じられないかもしれない、この匂いを、体中に刻み込むように。「好き……」 
last updateLast Updated : 2025-12-05
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46. 黒曜の幻影

 でも――。 次の瞬間、ゼノヴィアスの体が透け始める。「あぁっ!」 霧のように、薄れていく愛しい人。「ゼノさぁぁぁん!」 シャーロットは必死に抱きしめようとした。でも、その手は虚しく空を切る。「また、カフェで会おう!」 最後に残った笑顔。 いつもの、不器用だけど優しい笑顔。 そして――。 完全に――消えた。「ゼノさん! ゼノさぁぁぁん!」 真っ白な空間に、シャーロットは崩れ落ちる。「うわぁぁぁぁん!」 慟哭が、何もない世界に響き渡っていった。 でも、唇にはまだ彼の温もりが残っている。 シャーロットは唇をそっと撫で、また涙をこぼす――――。 必ず、必ず成し遂げてみせる。 その決意を、涙と共に白い空間に刻みながら。      ◇「あれほど三分って言ったのに……」 オフィスに戻ると、誠がジト目でシャーロットを見つめていた。 その表情は呆れているようで、でもどこか優しさが滲んでいる。「ご、ごめんなさい……」 シャーロットは肩を縮こまらせた。「三分って、本当にあっという間だったので……」 まだ頬は涙の跡で濡れている。唇には、彼の温もりが残っている。たった三分――でも、無限の勇気をもらえた時間。「まぁいいよ」 誠は苦笑いを浮かべて手を振った。「それだけ大切な時間だったんだろ? 俺が美奈ちゃんに怒られるだけだから、気にしないで」「ほ、本当に申し訳ありません!」 シャーロットは深々と頭を下げた。この人の優しさが、胸に染みる。「で、早速なんだけど……」 誠の表情が、急に真剣なものに変わった。「キミへのミッションにつ
last updateLast Updated : 2025-12-06
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47. 宙に浮く田舎娘

「そう。でもね」 誠の目が、真剣に光った。「【|黒曜の幻影《ファントム》】を捕まえない限り、多くの地球がハックされ続ける。無数の人々の平和な暮らしが、奴の気まぐれで壊され続ける」 そして、少し声を落として。「美奈ちゃんも、これでかなり頭を痛めているんだ」 期待のこもった視線を向ける。「もし、キミが見つけたとしたら……それは間違いなく大成果だよ」「ほ、本当ですか!?」 シャーロットの目が輝いた。「じゃあ、見つけるだけでも、私の世界は復活できるってことですか?」「ああ、きっと十分だと思うよ」 誠は頷いた。 うわぁぁぁ……。 ゼノさんに会える。 カフェを再開できる。 あの温かな日々が戻ってくる――。「でも……」 現実的な問題に戻る。(どうやって見つけよう?) 渋い顔で腕を組む。 シャーロットにはシステムの知識がない。できることといえば、街のライブ映像をじーっと眺めるくらい。でも、それで変幻自在のテロリストを見つけられるはずもない。「うーん、まぁ……」 誠は頭を掻いた。「とりあえず研修……からかな?」 苦笑いを浮かべながら、新しいプログラムを起動する。「まずはチュートリアルを受けてみて。基礎の基礎から始めよう」 誠はニヤリと笑う――――。 再び、シャーロットの体が光に包まれた。「えっ、ちょっと……」 言いかけた言葉は、白い光の中に消えていく。 次の瞬間、シャーロットはまた真っ白な空間に立っていた。(研修……か) 大きく息をつく。 この世界のシステムなんて分からない。
last updateLast Updated : 2025-12-07
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48. 完璧な変装

『でもまぁ』 誠の声が、急に優しくなる。『その天然ボケが、聞き込みには合ってそうだから期待してるよ。はっはっは』「て、天然ボケって……」 シャーロットは頬を膨らませた。『いやいや、いい意味でだよ』 誠は慌てて付け加える。『明朗快活、のびのびと自分の道を行くキミには、我々にない視点があると思うんだ』 温かい励まし。『システムに詳しい我々は、どうしても理詰めで考えてしまう。でも、キミなら違う角度から【|黒曜の幻影《ファントム》】を見つけられるかもしれない』「そ、そうですよ!」 シャーロットの顔が、パッと明るくなった。「私、絶対に【|黒曜の幻影《ファントム》】を見つけて……」 グッと拳を握りしめる。「私の世界を取り戻すんです!」 あの三分間の記憶が、胸を熱くする。 彼の温もり、優しい声、そして最後の約束――『ひだまりのフライパン』で、また会うのだ。『ははは、その意気だ』 誠も笑った。『まずは、その先にある市場からね。朝市の時間だから、人も多いし、情報も集まりやすいはず』「ラジャー!」 シャーロットは敬礼のポーズを取った。 そして、中世ヨーロッパ風の編み込みが施されたカーキ色のワンピースの裾を整える。それは田舎から来た純朴な娘――中身は神の力を操る元転生カフェ店主――完璧な変装だ。(【|黒曜の幻影《ファントム》】を見つければ、それだけでゴール!) ふんっと鼻息を荒くする。(なんて簡単なお仕事! 今日中に決めてやるんだから! ゼノさん、待っててね!) キュッと口を結ぶと、シャーロットは意気揚々と大股で歩き始めた。       ◇ 石畳の道の先には、色とりどりのテントが立ち並ぶ市場が見えてくる。 野菜や果物の山、香辛料の匂い、魚を売る威勢のいい声
last updateLast Updated : 2025-12-08
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49. カフェなら

 そんな中、八百屋の店先で一つだけ些細な発見があった。(やっぱり……) 色とりどりの野菜が山と積まれた中に、あの赤い宝石のような姿はない。(この世界にも、トマトはないのね……) シャーロットの顔に、寂しい笑みが浮かんだ。 脳裏に浮かぶのは、『ひだまりのフライパン』の看板メニュー。(もしここで『とろけるチーズの王様オムライス』を出したら……) ふわふわの卵に包まれたケチャップライス。 とろりと溶けるチーズ。 そして何より、トマトの酸味と旨味が凝縮された真っ赤なソース――――。 きっと、この世界の人々を驚かせ、虜にするだろう。(って、そんなこと考えてる場合じゃない!) 慌てて頭を振り、妄想を追い払った。今は捜査に集中せねばならないのだ。     ◇ 半日かけて市場を回り尽くしたが、成果は完全にゼロ。 シャーロットは噴水の縁に腰を下ろし、顔を両手で覆った。(どうしよう……本当にどうしよう……) 初日でこの有様では、先が思いやられる。 誠さんに何と報告したらいいのだろう? 『何の成果もありませんでした!』なんてどんな顔で報告したら――――。 シャーロットはぎゅっと目をつぶった。(聞き方が悪いのかな……) いや、そもそものアプローチが根本的に間違っているのかもしれない。(もし私が【|黒曜の幻影《ファントム》】だったら……) 目を閉じて、想像してみる。 この中世ヨーロッパ風の大都市。石畳の道、運河、白亜の建物。 システムをハックしながら、人目を避けて生きる日々。 孤独で、誰とも深く関わらず、でも人恋しさは消せない。どこへ行く――――?「あっ
last updateLast Updated : 2025-12-09
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50. 紅蜘蛛の巣

「田舎の親が倒れちゃって、急遽行かなくちゃならないのよ……」「あらら、それは大変ですね」「そうなのよ。でもこんな直前に取りやめたら迷惑かけちゃうじゃない? 誰か切り盛りできる人を探してるんだけど……」 すがるような視線が向けられる。「良かったら、お願いできない?」「へ? 私がですか!?」 シャーロットは目を丸くした。「カフェを開くんでしょ? この街を知るいい機会にもなるはずよ?」 店主はニコッと微笑む。 出店をを……出す……? トマトがないこの世界でオムライスを出せば、間違いなく大成功するだろう。 店主の期待にも応えられる。 でも――――。(そんな悠長なことしてる場合じゃない) 自分の使命は【|黒曜の幻影《ファントム》】の捕獲。 出店なんて出している暇は――。 その時だった。 シャーロットの中で、何かがチリッとスパークした――――。(え……? ……待って) 思考が、急速に回転し始める。(トマト……?) 心臓が、ドクンと大きく脈打った。(そうよ……【|黒曜の幻影《ファントム》】だって、元は|万界管制局《セントラル》の職員なんだから、トマトの美味しさを知ってるはずだわ!) そして、この世界にはトマトがない。 もし、ルミナリア祭でオムライスを出したら――――。「そうよ!」 シャーロットは弾かれたように立ち上がった。「これだわ!」 驚く店主の手を、両手でがっしりと掴む。「やります! やらせてください!!」 瞳が、希望の光でキラキラと輝いた。(聞き込みで見つけられないなら
last updateLast Updated : 2025-12-10
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