──水曜日・深夜0時30分。 いよいよ、すべての決着をつける時が来た。 研究所前に集まった想・りか・橘の三人。緊張感の中、それぞれの覚悟が静かに燃えていた。 「いいですか、神谷さん。 作戦通りにお願いしますね」 「……あぁ、必ず成功させる」 想が力強く頷く。 「中野の側近と思われるスーツの男は、別件で拘束してる」 橘が言いながら、想の肩を軽く叩く。 「アイツは叩けば埃だらけだった。 今夜は中野一人、決めるには最適だ」 「……ふぅ、よし、行ってくる」 想は一度、深く息を吐き── ゆっくりと、研究所へ入っていった。 ──研究所内。 受付には、前と同じく無表情の女性職員がひとり、薄暗い照明の中で待っていた。 想が近付くと、電話をかけ始める。 「……もしもし、神谷さんが来られました」 電話が終わった瞬間、想は受話器を奪うように置き、背後からりかと橘が現れる。 「……これは、一体……?」 戸惑う職員。 「今日は、終わらせに来ました」 想がまっすぐに言い放つ。 「あなたた
Last Updated : 2025-11-09 Read more