二人の生きている人間が、まるで空気のように、すべての人々の視界から突然と姿を消してしまった。どうすることもできなくなった時男は、やむを得ずいったん結婚式を中止し、外には日を改めて式を挙げると発表した。晴子に何かあったのではと心配した時男は、警察に通報した。しかし通報後、警察から知らされたのは、晴子の身分情報が一週間前にすでに抹消されていたという事実だった。時男は雷に打たれたような衝撃を受けた。そんなはずがない……つい先ほどまで自分の腕の中にいた彼女が、なぜ突然消えてしまったのか。しかも身分情報まで抹消されていたなんて――彼は信じることも、受け入れることもできなかった。どんな手を使ってでも、必ず彼女を見つけ出す!時男は焦りに駆られて、晴子との新居へ急いだ。何か手がかりはないかと探そうとしたのだ。家に飛び込んだ彼は、一目見て息を呑んだ。家中の結婚写真がすべて、ナイフで意図的に切り裂かれていた。特に彼の顔の部分は何度も刺されており、無残な姿と化していた。時男の心臓は激しく高鳴り、不吉な予感が脳裏をよぎった。彼は震える足取りで部屋に入り、ベッドサイドのテーブルの上に、薄い一通の手紙が置かれているのを見つけた。彼は手を震わせながらその手紙を取り上げ、ゆっくりと開いた。すると、いくつかの決然とした言葉が目に飛び込んできた。【時男、私が求めているのは唯一無二の愛だ。この一生、決して誰かの代わりにはならない!】時男は呆然とその場に崩れ落ち、全身が氷のように冷たくなった。彼女は知っていたのか?いつ知ったのだ?自分では完璧に隠していたつもりだったのに、どうして彼女は気づいたのか?呆然としていると、スマホの着信音が彼の思考を遮った。それはアシスタントからの電話だった。「社長、警察が先ほどホテルの近くでスマホを見つけました。指紋確認の結果、白野さんのスマホであることが判明しました!」時男の呼吸が乱れ、興奮した声で叫んだ。「早く!晴子のスマホをすぐに俺のところへ持ってこい!」彼の心の奥底には、まだかすかな希望が残っている。晴子はただ彼に腹を立て、少し意地を張っているだけだと信じたかったのだ。晴子は必ず戻ってくる。十分後、アシスタントが晴子のスマホを届けてきた。時男はそれを受け取ると、すぐに充電して
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