「世の中には色んな考えがあるんだよ、その中でも多数意見を元にルールや倫理なんかが考えられる」 銀髪の少年は語り続ける。「100年前は亜人は奴隷だという考えが世間で正しかった」「でも今は違うんだろ!?」 ムツヤは避けながら食って掛かった。「そうかもしれないね、でも僕たちはそう思わない」「いい加減にしろ!!」 ムツヤは槍を取り出して少年に近づく。毒の壁の外から攻撃をしようとしたのだ。 だが、その考えは少年が毒の壁を厚くすることによって防がれてしまった。 残された道は1つ、また全力の魔法を使って少年を殺してしまうことだ。「少なくとも僕達は亜人と分かり合うなんてできない」「これ以上邪魔をするなら……」「僕を殺すかい?」 ムツヤは言おうとしていた言葉を言われて驚く。「ほら、僕と君も分かりあえずに殺し合いをするんだ」「違う、それはお前がやめないから……」「僕も亜人にやめてと懇願しても、彼奴等はやめてくれなかったよ」 この少年もやはり亜人と悲しい過去があるのだろう。「どっちの考えが正しいか、少なくともこの場では戦いに勝った方が正しいことになるよ」 そんなやり取りの中、ムツヤは後ろから人の気配を感じ取っていた。キエーウの増援かと思いパッと向くと「ヨーリィ!?」 ヨーリィがちょこんと居た。長い黒髪が月明かりを受けてキラキラと輝いている。「あぁ、例の枯れ葉少女だね、残念だけど死んでもらうよ」 毒の風がヨーリィを襲う。「ヨーリィィィ!!!」 ムツヤはヨーリィを押し倒して避けようとするが間に合わない。毒の風を受けてヨーリィの髪と服が激しくはためく。 しかし、倒れるでもなくヨーリィはその場に立ち続けていた。「ヨーリィ、大丈夫なのか!?」「私はもう死んでいますから」「やれやれ、これはまずい事になったね」 まるで他人事のように銀髪の少年は言うと、ムツヤは微かに勝機を感じる。「ヨーリィごめん、俺じゃ近寄れないんだ!!」「はい、任せてお兄ちゃん」 右手に短剣を、左手に木の杭を持ち、少年に向かって走った。 まずは木の杭を投げるが、風で吹き飛ばされてしまう。その風が止んだ後にヨーリィが飛びかかる。「無駄だよ」 少年の後ろから突風が吹いて、体の軽いヨーリィは吹き飛ばされた。 その間にも木の杭を投げ続けたが、届かずに終わる。 着地
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