Semua Bab 「おはよう」って云いたい: Bab 21 - Bab 30

36 Bab

第二十話——成長

 翌朝、扉を開けるといつも通り、二人が笑顔で私を出迎えた。「陽菜おはよう」「おはよう、陽菜」 先に蓮が私に挨拶をして、蓮の肩から顔を覗かせている翠がその後に続いた。いつも通りの翠に期待で胸を膨らませる。――そんな期待もすぐに弾かれることとなる。「陽菜、体調大丈夫?」「うん。昨日たくさん寝たから大丈夫だよ」「何かあったらすぐ言えよ」「ありがとう」 昨日、翠には体調が悪くて帰ると電話で伝えていた。翠も帰ると言ってくれたけれど、入院のこともあるし授業は出た方がいいと伝えると、渋々頷いてくれた。 胸を撫で下ろしている様子の翠を見て少し胸が痛んだが、翠の柔らかい表情にその痛みも和らいだ。翠に視線を向けると、翠は思い出したかのように口を開いた。「そういえば、美咲ちゃんの件なんだけど」 心臓がドクン、と鈍い音を立てる。額から汗が流れて頰を伝った。私たち二人は少し視線を細めて翠の言葉を待つ。「付き合うことになったよ。まぁ前から付き合ってたみたいなんだけど……」 私の中でガラスが割れる音がした。このままだと泣いてしまう気がして、二人を祝福してる感情を必死に胸の中に作る。それでも口から出る言葉は震えていた。「そっか。おめでとう」「ありがとう。二人は俺らのことで何か知ってることはあるかな?」「いや、俺らも二人が付き合ってることは知らなかったな」「そうなんだ。じゃあ最近なのかな」 翠は顎に手を当てて眉を寄せている。その頭の中に私がいないことに胸が痛んだ。働かない頭で次の言葉を考える。すると隣から声が聞こえてきた。「それもそうだが……翠はいつから部活復帰するんだ?」「あー明日から復帰する予定だよ」「そうか。それなら俺らは先に帰るか」 蓮が視線を翠から私に移して、微笑みを浮かべる。その笑顔が私の胸に明かりを灯す。胸が温かくなり自然と口角が上がった。私は蓮と視線を交わし、頷く。「うん。そうだね」「最近ずっと一緒にいたから寂しいな」「まぁ部活は青春の一つだ」「蓮の口から出てくるとは思わなかったー」「うるせー」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-10
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第二十一話——未来の輝き

 夕陽の淡い光に包まれながら、私たちは静かにゲームセンターまでの道を歩いていた。「ゲーセン久しぶりー」「高校生になってから行ってないな」 浮き足だって、跳ねるように歩を進める。扉の前で振り返ると、蓮は後ろからゆっくりと歩いてきていた。 ゲームセンターに足を踏み入れた瞬間、外の静けさが一気にかき消された。機械の爆音に体の芯まで震わされる。無数の激しい光が視界を刺し、思わず目を細めた。「音ゲーで勝負しようぜ」「絶対勝てないんだけど……」 蓮から紡がれた言葉は、子どものように軽やかに弾んでいた。蓮の後ろを歩いていく。蓮が足を止めた目の前には、二つの画面が並んでいて、円形にボタンが配置されていた。画面をタッチしてゲームを開始する。 案の定、三ゲーム中三ゲームとも蓮のスコアが上だった。特に悔しい気持ちも芽生えない。「蓮強すぎ」「陽菜も前より出来てたじゃねーか」「無理して褒めなくても……ていうか、あれやりたい!」 私は、カーレースの機械を指さし、飛び跳ねて言葉を紡ぐ。蓮も私が指さした先に視線を向けて強く頷いた。「おう、やろうぜ」「今度は勝つもんねー」 そう言って二人並んで機械の椅子に腰を下ろす。ハンドルを握って画面を操作した。 カーブの時に体を傾けて操作する私に対して、蓮は淡々とハンドルを回していた。序盤は互角だったが、アイテム運が作用し、ギリギリ私が先にゴールテープを切った。「やったー!蓮に勝てた!」「そんなに嬉しいか?」「うん!だって蓮、ゲーム強いんだもん」「帰宅部舐めんなよ」「帰宅部万能すぎでしょ!」 蓮は誇らしげに鼻を鳴らして言葉をこぼす。私は晴れやかな気分で言葉を返した。ふと、蓮が足を止めて、遠くを見つめる。私も足を止めて蓮の顔を覗き込んだ。「ん?蓮、どうしたの?」「あ、いや……」「あ」 蓮の視線の先を見つめると、カラフルなライトが瞬いていた。女子高生やカップルで賑わいを見せている。翠と美咲の姿が頭に浮かんで胸を締め付けられた。 「帰るか」「……こう」「え?
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-11
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第二十二話——心が触れ合う瞬間

 ――ピーンポーン 翌朝、インターホンの音で目を覚まし、重い体を起こして扉を開けた。「はーい」 日差しに目を細めて扉の先を見ると、少しずつ人影が鮮明になってきた。久しぶりの光景に首を傾げる。つい言葉がこぼれた。「あれ?」「おはよう」「おはよう。蓮一人?」「おう。図書委員の仕事で早く行かなきゃいけなくて……お前も行くか?」 蓮は首をかしげて私の返答を待っている。翠のことが気になり眉を顰めたが、ゆっくりと頷いた。 「……行く!」 蓮をリビングに通して、急いで身支度を整える。足を棚にぶつけてしまい、ぎこちない足取りで蓮のもとへと向かった。「お待たせ」「よし、行くか……ってぶつけたのか?」 私の歩き方を見て、蓮は心配そうに眉を寄せた。慌てて首を横に振る私を下から覗き込み、首をかしげる。私が事情を説明すると、苦笑して立ち上がった。 歩き出した蓮の後に続いて外に足を踏み出す。冷たい風が全身を包み、意識がはっきりとする。目を刺すような日差しが、私たちの歩く道を照らしている。そんな朝に、胸の奥がふわりと弾んだ。 「久しぶりに早起きしたー!」「ごめんな。朝早くに……」「全然!」 申し訳なさそうに視線を逸らす蓮に、明るい笑顔を向けて否定した。私は弾むような足取りで蓮の隣を歩く。蓮は表情を変えずに、私と視線を合わせた。「それと、今日放課後も委員の仕事あるんだけど待っててくれるか……?」「もちろん!教室で待ってるね!」 私の言葉を聞いて、蓮は安心したように微笑んだ。蓮の纏う空気の暖かさが私の胸の奥に伝わり、全身に広がった。エネルギーが満ちた気分で軽やかに学校までの道のりを歩いた。 門をくぐり、靴を履き替えて図書室に向かう。委員の人しか入れない場所に足を踏み入れ、その特別感に心が弾んだ。私たちはカウンターの中に入り、椅子に座る。蓮の隣で、仕事の様子を観察していた。 「へー!こんな仕事してるんだ!」 生徒に差し出された本と貸出カードのバーコードを読み取り、返却日の書かれた紙を挟んで、カウンター越しにいる生徒に手渡す。蓮は、
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-12
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第二十三話——夢の中の靄

翌朝、目覚ましよりも先に目が覚めた。胸の奥がくすぐったくて、じっとしていられない。 ソファに座ったり部屋の中を歩き回ったりしながら、時計の針が進むのを何度も確かめた。 ――ピーンポーン 心の準備をしていたのに、インターホンの音で体が少し跳ねる。ぎこちない足取りで玄関まで行き、扉を開いた。 「おはよう、陽菜」 「蓮、おはよう」 蓮はいつも通りの柔らかい笑みで、扉の少し先に立っていた。その温かい視線に緊張の糸が解けた。 「ん」 「え」 家の鍵を閉めてから蓮の方へ向くと、蓮はこちらに手を差し出していた。私は少し目を見開いて蓮と視線を合わせる。 「恋人同士なんだから普通だろ」 「そうなんだけど……」 蓮の手に視線を向けて、ゆっくりと握る。冷えていた指先にふんわりと温もりが伝わった。心の奥まで熱が広がり、浮いたような心地になる。 蓮の足が前に動き、私は少し遅れて歩を進めた。蓮に視線を向けず、私の横を過ぎる車を目で追った。 「なんか不思議な感じ」 「俺と付き合ってることが?」 「違くて……なんていうか」 私は眉間に皺を寄せて、言葉を探す。この気持ちに名前をつけるとしたら、何と呼ぶのだろう。芯を指す言葉が見つからなかった。少し遠くを見つめながら言葉をこぼす。心が溶けていくみたいに、声までやさしく霞んだ。 「ふわふわするっていうか……夢みたい」 「気持ちは分かるが、夢にされちゃあ困るな」 蓮は掠れるように、笑いながら呟いた。その声に、私は視線を蓮に向ける。蓮は頬を掻きながら、悲しみを含んだ笑みを浮かべていた。その表情を見て、胸に棘が刺さったような痛みが静かに広がる。思わず顔を顰めて、視線を逸らした。遠くを走る車の音が、胸のざわめきと重なって響く。私の心も悲しみで埋め尽くされそうになっていると、
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-13
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第二十四話——あっという間の一週間

靴を履き替えて校庭へ足を踏み出すと、ひんやりした風が頬に触れた。思わず身を縮めて、手のひらを擦り合わせる。そこに蓮の指先が触れて、そっと左手を取られた。ゆっくりと歩き出した蓮に手を引かれ、自然と足が前に動き出した。 「一週間ってあっという間だよな」 「何急に」 突然言葉をかけられて、少し目を細めて蓮の方に視線を向けた。蓮は、空を見上げて穏やかな表情をしている。その表情に翠が重なって見えた。そんな自分にため息が漏れてしまい、乾いた笑みがこぼれた。 蓮が私の方を見る。いつも通りの芯の通った視線が、私を現実に引き戻した。蓮は沈黙を避けるように言葉をこぼした。 「別に、ふと思っただけ」 「変なのー」 一瞬浮かんだ暗い気持ちをかき消すように、明るく言葉を返す。空を見上げると、茜色の空に白い雲が一つ浮かんでいた。この空を見ていると、何故だか寂しい気持ちになる。心から出た言葉は、夏の終わりを感じさせた。 「でも、確かに一日が終わるのって早いよね」 「だよな」 「旅行行ってからすでに二週間経ってるんだもん」 「体育祭まで後少しだしな」 「あ、そうじゃん!」 蓮の言葉を聞いて心が弾む。私は、視線を空から蓮に移して、力強く頷いた。学生の一大行事、体育祭が目前に迫っている。私はもう一度視線を空に移して、言葉をこぼした。 「ここから行事続きだから、あっという間に一年が終わりそう」 「実際そうだろうな」 去年の今頃を思い出し、胸がキュッと縮むような感覚になる。昨日のことのように鮮明に思い出せる記憶は、一年の移ろいの速さを感じさせた。そんな私の手を蓮は固く繋ぎ直す。 「まぁ時間は経つものだし、物思いに耽っても仕方ないだろ」 「そうだね……って蓮から始めたんじゃん!」 「そうだっけ?」 「……もう!」 口角を上げて首を傾げる蓮に、思わずツッ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-14
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第二十五話——映画館デート

心がふわりとした状態で一日を過ごしていたら、あっという間にデートの日の朝が来ていた。優しいピンク色のワンピースにコートを羽織って、インターホンが鳴るのを待つ。ニュースキャスターの声が耳にスッと入ってきて、心を落ち着かせた。 ――ピーンポーン 猫の動画を見て和んでいたところでインターホンが鳴り、思わず体が跳ねる。ソファーから滑り落ちるように、地面に足をつけて立ち上がった。チェーンのついた鞄を肩にかけ、一呼吸置いてから扉を開ける。扉の前には私服姿の蓮が立っていた。モノトーンの襟付きシャツに黒いズボンを身につけていて、大人っぽく見える。 「おはよう」 「蓮、おはよう」 久しぶりの私服姿に思わずじっと蓮のことを見つめてしまう。蓮は不思議そうに首を傾げて、私に一歩近づいてから言葉をこぼした。 「なんで突っ立ってんだよ」 「あ、ごめん」 蓮の言葉で意識を戻され、扉に体を向けた。鍵を閉めて蓮の方へ向き直る。少し視線を下に向け、階段を下りて蓮の前へ行く。首を傾けて微笑みを浮かべた。私と視線を合わせて蓮も微笑む。私はそんな空気に溶け込むような温かい声で呟いた。 「行こっか」 「おう」 引き寄せ合うように手を繋いで、駅前のショッピングモールに向けて足を進める。久しぶりの映画に心が躍って、跳ねるような足取りだった。 「映画なんて久しぶり!」 「俺も、恋愛映画は久しぶりだな」 「恋愛以外のは見たんだ?」 「まぁな」 「えーいいなー」 私は少し唇を尖らせて蓮を見上げる。蓮は温かい表情を向けていたが、ニヤリと片方の口角を上げた。 「陽菜も連れて行けば良かったか?」 「うん、誘ってよ」 「……ホラー映画だけど」 「絶対行かない!」 食い気味に否定して顔をそっぽに向ける。隣で蓮が声を上げて笑っていた。控えめな笑い声
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-15
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第二十六話——エンドロール

お会計を済ませ、カフェを後にする。駅の中にあるレンタルショップへ入ると、たくさんのDVDに出迎えられた。 「何にしよっか!」 心を弾ませて店内を歩く。私は弾んだ心でDVDを次々に手に取ってあらすじを確認する。すると、蓮が一つのDVDを持って表紙を見せて来た。 「これは?」 「え……」 蓮が手に持っていたのはホラー映画だった。表紙が赤色に染められて不気味さを感じさせる。見ていないのに体の芯が冷えるような感覚がした。 「そんなにホラー好き?」 「ホラーがっていうより、この原作の著者が好きだな」 「確かに、いつもその人の小説読んでるよね」 「構成がおもろいんだよ」 「そう言われると少し気になる……」 もう一度薄目で表紙を見ると、先ほどよりは恐怖感が減っていることに気づいた。同時に、一緒にホラー映画を見た時のことを思い出す。少し眉を顰めながら蓮に視線を向けた。 「じゃあ一つはこれにしようぜ」 「いいけど……」 ぎこちない動きで首を縦に振り、DVDがかごに入るところを目で追う。私は緊張を振り払うように、DVD探しに集中した。私が見ている恋愛コーナーでは、優しい色をベースに男女が微笑み合っている表紙がよく目に入る。それを見て私の頬も緩んだ。一つ気になるDVDを手に取って蓮に見せる。蓮は優しく微笑んで頷いた。 DVDをレンタルし終えた私たちは、蓮の家に向かって並んで歩く。温かい空気が私たちを包み込んでいた。ふと疑問に思ったことをつぶやく。 「ていうか急に行ったら迷惑じゃない?」 「大丈夫。母さんたち遅くなるらしいから」 「そうなんだ」 「翠も出かけてるみたいだから安心しろ」 「別に心配してないよ?」 「そうか、まぁ一応な」 蓮の言葉を聞いて心が軽くなったのは事実だった。ただ、家に蓮と二人というのも緊張する。心臓から時計
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-16
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おまけ1——蓮は弟

「ねぇ蓮」 「なんだ?」 二人は食卓に対面に腰をかけてご飯を食べている。そこで不意に翠が言葉をこぼした。 「俺と蓮、産まれたのが反対だったらどうなってただろうね」 「別に変わらないんじゃねーか?」 「でもさ……」 蓮は不思議そうに翠のことを見ている。そこで一拍置いて翠が告げた。 「蓮が兄とか想像できないんだけど」 「お前なぁ」 蓮が呆れたように大きくため息をつく。翠は優しく笑って言葉を続けた。 「蓮はいつまでも弟って感じ。ちょっと子どもっぽいところとか」 「言っとくけど、お前と同じ日に生まれてっからな」 「そうだっけ?」 翠はクスッと控えめに笑うと蓮に温かい視線を向ける。 「でもさ」 「なんだよ」 蓮は目を細めて翠に視線を向ける。翠は蓮から視線を逸らしてどこか遠くを見つめて言った。 「たまに頼れるんだよなぁ」 「たまにってなんだよ」 「なんで、褒めたのに」 蓮は拗ねた顔をして顔を背ける。それを見て翠は穏やかな笑みを浮かべた。 「いつもありがとね」 「え……」 翠が小さくつぶやく。蓮は目を丸くして翠に視線を向けた。 「なんだよ、急に」 「なんとなく」 二人ともほんのり頬を赤くして顔を逸らす。リビングに入り込む風が二人のことを優しく包み込んだ。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-18
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おまけ2——幸せは永遠に

「温泉気持ちいいな」 「体の芯まで温まるね」 蓮の言葉に、翠は微笑んで頷いた。そして小さく言葉をこぼす。 「ずっとこんな日が続けばいいのに」 「……そうだな」 二人は大浴場で並んで座り、真っ暗な空を見つめる。小さな光が瞬いていて、今にも消えてしまいそうだった。咄嗟に翠は右手を空に伸ばす。 静かな空に溶けていくかのような声で蓮は呟いた。 「また来れるよ」 「え?」 蓮の口角は微かに上がっていた。翠はゆっくりと蓮に視線を向ける。蓮は昔を思い出すように、遠くを見つめて言葉を続けた。 「翠は覚えてないんだろうけど、俺らはずっと昔から一緒にいるんだ」 そこで蓮は視線を翠に向ける。翠は息を呑んで蓮の言葉を待った。短い呼吸の間に柔らかい沈黙が流れる。やがて、蓮の真っ直ぐな声で告げた。 「だから来年も来れる。これは絶対だ」 蓮は真剣な目をして言った。翠はその表情を見て、そっと胸を撫で下ろす。 「ふふっ、蓮が言うならそうなんだね」 「あぁ」 蓮の目の奥では、力強く光が輝いている気がした。翠は伸ばしていた腕をゆっくりと下ろす。そして、強く手のひらを握った。 絶対に今の幸せを離さない。――誓った想いを叶えるように、空では星が息をするように輝いていた。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-19
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