Semua Bab 「おはよう」って云いたい: Bab 11

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第十話——夏祭り

八月最初の週末に毎年、近所の神社でお祭りが開かれる。私と蓮と翠、そしてお互いの両親合わせて七人で神社に向かう。慣れない浴衣を身に纏い歩いていると、住宅街に下駄の音が響き渡った。近づくにつれて、太鼓と笛の音が鮮明になる。神社の近くの道には、屋台が多数並んでおり、人で溢れ返っていた。 両親と私たちはいつも別れて行動する。入り口で、おおよその時間だけを伝えて、両親は先にステージのある、境内に入っていった。私たちは両親の背中を見送り、先に屋台の方へ向かう。 「ねぇチュロス食べたい!」 「分かったから走るな。転ぶぞ」 「もう!子どもじゃないんだからそんな心配はいらないよ!」 「気をつけて歩いてね」 「は〜い」 「おい、俺への扱いが違いすぎるぞ」 「えへっ、ごめん」 そんな会話をしながらチュロスの屋台へ向かっていると、前から歩いてきていた大柄な男性とぶつかってしまった。 「わぁ!」 「……っぶね」 大きくよろけたところを、後ろにいた蓮が強い力で支えてくれる。そのまま人の少ない道まで手を引いてくれた。 「大丈夫か?」 「大丈夫だよ。ごめんね」 「いや、謝る必要はねーけど」 そう言って、蓮は顔を背け、こちらに手を差し出した。ほんのり頬が赤くなっている。 「えっ……」 「繋いでおけ。迷子になるぞ」 「あ、ありがとう……」 相変わらず顔を背けたままの蓮の手を握る。チラと横にいる翠を見ると、眉間に小さな皺を寄せ、握られた私たちの手に一瞬だけ視線を向けた気がした。私は不安に感じ首を傾げて声をかける。 「翠……?」 「ん?あぁ、ごめんね。行こっか」 「うん……?」 気のせいだったのだろうか。私に視線を向けたときには微笑んでいて、いつも通りの穏やかな表情をしていた。しかし前を歩く翠はほんの少しだけ早足に感じられた。 焼きそばや人形焼など、いくつかの食べ物を買い、少し外れにある道に出た。 「いや〜歩くだけでクタクタになるね」 「運動不足なんじゃね?」 「浴衣なんだし仕方ないでしょ〜!」 「まぁそれもそうか」 ここで言い返してこない辺り、蓮もだいぶ変わったな、と改めて実感する。私たちが食べた後のゴミを持って、蓮は一人、ゴミ袋のある場所へ向かっていった。 翠と二人になり、妙
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-21
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