今日から体育祭に向けてリレーの練習が始まったようだ。遅くなるから先に帰って良いと言われて、帰ろうと一人で下駄箱に向かう。 靴箱を開けると、久しぶりに丸められた紙が出てきた。大きなため息をついて無造作にそれを開く。目に入った文字に私は思わず声を出してしまった。 「え……」 以前は暴言だけだった紙にはっきりと「男たらし」と書かれている。 ――どういうことだろう? 私が話す男の人といえば、蓮と翠だけだった。全く心当たりがないため、疑問に思いつつも紙をリュックにしまう。笑いかけてくれる人が隣にいないため、沈んだ気持ちで帰路についた。 翌朝、私は窓から外を眺めていた。下駄箱に入っていた紙のことが忘れられない。そう考えていると志織の声が聞こえた。 「陽菜」 「ん?」 「ぼーっとしてたけど大丈夫?」 「あ、ごめん」 そう言って私は志織に視線を向ける。ぎこちなく口角を上げて頷いた。志織は眉を下げて目を細める。わたしはそんな表情に胸が締め付けられた。そこで志織が言葉をこぼす。 「そうだ。今日一緒に帰らない?」 「いいよ。久しぶりだね」 志織が柔らかく微笑む。私の心もその表情に絆されるようだった。 「志織、帰ろー」 「ちょっと待って」 放課後、私は志織に声をかけた。志織は急いでカバンに教科書を詰め込んでいる。思わずクスッと笑ってしまい、口をキュッと結んだ。志織は一瞬目を細めたが、すぐに笑みを向けてくれる。カバンを手に取って立ち上がった。歩き
Terakhir Diperbarui : 2025-12-20 Baca selengkapnya