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第二十二話——心が触れ合う瞬間

Auteur: 桜庭結愛
last update Dernière mise à jour: 2025-12-12 14:00:00

 ――ピーンポーン

 翌朝、インターホンの音で目を覚まし、重い体を起こして扉を開けた。

「はーい」

 日差しに目を細めて扉の先を見ると、少しずつ人影が鮮明になってきた。久しぶりの光景に首を傾げる。つい言葉がこぼれた。

「あれ?」

「おはよう」

「おはよう。蓮一人?」

「おう。図書委員の仕事で早く行かなきゃいけなくて……お前も行くか?」

 蓮は首をかしげて私の返答を待っている。翠のことが気になり眉を顰めたが、ゆっくりと頷いた。

 「……行く!」

 蓮をリビングに通して、急いで身支度を整える。足を棚にぶつけてしまい、ぎこちない足取りで蓮のもとへと向かった。

「お待たせ」

「よし、行くか……ってぶつけたのか?」

 私の歩き方を見て、蓮は心配そうに眉を寄せた。慌てて首を横に振る私を下から覗き込み、首をかしげる。私が事情を説明すると、苦笑して立ち上がった。

 歩き出した蓮の後に続いて外に足を踏み出す。冷たい風が全身を包み、意識がはっきりとする。目を刺すような日差しが、私たちの歩く道を照らしている。そんな朝に、胸の奥がふわりと弾んだ。

「久しぶりに早起きしたー!」

「ごめんな。朝早くに……」

「全然!」

 申し訳なさそうに視線を逸らす蓮に、明るい笑顔を向けて否定した。私は弾むような足取りで蓮の隣を歩く。蓮は表情を変えずに、私と視線を合わせた。

「それと、今日放課後も委員の仕事あるんだけど待っててくれるか……?」

「もちろん!教室で待ってるね!」

 私の言葉を聞いて、蓮は安心したように微笑んだ。蓮の纏う空気の暖かさが私の胸の奥に伝わり、全身に広がった。エネルギーが満ちた気分で軽やかに学校までの道のりを歩いた。

 門をくぐり、靴を履き替えて図書室に向かう。委員の人しか入れない場所に足を踏み入れ、その特別感に心が弾んだ。私たちはカウンターの中に入り、椅子に座る。蓮の隣で、仕事の様子を観察していた。

「へー!こんな仕事してるんだ!」

 生徒に差し出された本と貸出カードのバーコードを読み取り、返却日の書かれた紙を挟んで、カウンター越しにいる生徒に手渡す。蓮は、
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