「ダメよ!」英さんは慌てて立ち上がった。「この脚本があなたにとってどれほど大きな意味を持っているか、私が一番よく分かってるのよ。あなたがチームを抜けるなんて、絶対に同意しないわ」「でも、脚本料はきちんともらえるんですから、私に損はないですよ」「あんたはこの脚本で、自分の実力を世間に証明しなきゃいけないのよ!」「英さん、硯川監督、それに清華さんが、私にはできるってすでに教えてくれましたから。私はここで立ち止まったりしませんし、これからも脚本を書き続けます。でも、このチームからは絶対に抜けなければなりません。だって私はこれから、奴らと正面から戦争を始めるんですから」ひとたび開戦すれば、拓斗はあらゆる手を使って彼女を攻撃してくるだろう。彼女が参加しているこのプロジェクトが真っ先に標的になるのは火を見るより明らかであり、それこそが彼女の最大の弱点だった。だからこそ、彼に攻撃される前に自らその弱点を切り捨てたのだ。その言葉に、その場にいた全員が息を飲んだ。少し前にネットで起きた大炎上騒動の裏事情を、彼らも多少は耳にしていたからだ。彼女が開戦を宣言した相手は、あの絶対的な権力を持つ拓斗とナフィサだ。それに対して、加奈子はたった一人である。「あなたがこのプロジェクトから降りるのは構わないわ。でも、脚本を書いたのはあなたよ。あなたがメイン脚本家であることに変わりはないし、私たちはあなたの心血を無かったことになんてしないわ」清華はそう言って、英さんと厳を席に座らせた。「加奈子さんが決断したなら、私たちはそれを尊重するべきよ」英さんと厳は、加奈子の境遇に深い憤りを感じ、同時に彼女の才能を心底惜しんだが、現実的な状況も考慮せざるを得なかった。プロジェクトはすでに動き出しており、一人の都合で全体を停滞させるわけにはいかない。それに、仮にこのままドラマを完成させたとしても、後から拓斗にあらゆる妨害工作を仕掛けられれば、チーム全体の損失は計り知れないものになる。まさかこの決起集会が、彼女のお別れ会になってしまうとは誰も予想していなかった。加奈子にとっても、ドラマの撮影からポストプロダクションまで深く関われるこれほど貴重な機会を手放すのは、身を切られるように惜しかった。加奈子は最新の第十話までの脚本を厳に手渡した。彼が目を通して問題がなけれ
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