(やはり魔力糸なしの念動魔術で操作していたか)「どういうこと?」マリーがレルゲンに説明を求める。「簡単にいうと、こいつらを動かしているのはナイトの念動魔術だ。だから最初から見やすい位置に陣取って“操作していた”んだ。ナイトが操っているから念動魔術も使える」レルゲン以外の三人が驚きの声を上げる。今までのこの攻防を全て一人で演出していた。それこそまさに旅の行商人が連れ歩く人形使いのようではないか。ここまで並列に思考を分けて、狙いを絞り、作戦を共有させる。念動魔術の極地とも言える技の結集にレルゲンは素直に驚きと共に、上の世界を見た。「仕組みを理解したところで、今のレルゲン君には操作権は奪えませんよ」「そうかもな」最初はマリーとアイとの相性が悪いことから前衛を変える選択をしたが、アイの影移動とユゥの回復、どちらを先に叩くか──間違いなくアイの影移動の方が厄介だ。となればレルゲンが自らアイと一対一の戦いをしても良いが、それだと次のナイトと戦う事を考えると魔力が枯渇しかねない。寧ろ次を考えるなら、レルゲンが回復魔術を使うユゥを発動させないように釘付けにし、マリーとハクロウ、セレスティアにアイを討ち取ってもらった方がいい。アイとユゥ、どちらかが欠ければ後は消化試合のはずだ。「俺がヒーラーを抑える。みんなは影移動の方を叩いてくれ」「任せて」「あいよ」短いやり取りだが、即座にマリーとハクロウがアイに切りかかっていく。マリーが連続剣の加護を発動させて、ハクロウがそれのサポート。三人で戦っていた時はこんな戦法を取ることが多いのかなと考えたが、目の前のユゥに集中して回復の隙を与えないように立ち回る。マリーが連続剣の加護が発動してから速度が上昇し切るまではハクロウと一緒に前衛をこなすが、加護の速度が乗り切った後はマリーのみで前衛を任されるのが一つの勝ちパターンだ。次第に速度が上がっていくが、ここでアイが速度鈍化のデバフスキル「ダウン・ザ・ピッチ」をかける。またガクンと一瞬速度が落ちるが、セレスティアがそれを即座にカバーする。「ライト・スピード」下がった分即座に速度バフがかかり、マリーの口角も上がる。更に上がある、もっと先へ行ける。そう感じてからの攻撃速度はマリーを能力以上の速さへと進化させる。堪らずアイが影移動で離脱しようとするが、これをセ
Last Updated : 2026-02-07 Read more