翌朝。目が覚めると、体が重かった。ほとんど、眠れなかった。目を閉じるたびに、蓮くんの顔が浮かぶ。あの冷たい目。あの優しい笑顔。全部、恐怖。スマホを見る。午前9時。会社に行かなきゃ。でも——体が、動かない。もう、限界かもしれない。電話をかける。「もしもし、水野です……」「水野さん、どうしました?」受付の声。「体調が……悪くて。今日も、お休みさせてください」「わかりました。お大事に」電話を切る。——また、休んだ。これで、三日連続。もう、戻れないかもしれない。ベッドから起き上がる。リビングに行く。テーブルの上に、あの箱。蓮くんから届いた、写真。——警察に、持っていかなきゃ。——今日、行こう。でも——昨夜、蓮くんに会ってしまった。自分から、会いに行ってしまった。警察は、それをどう判断するんだろう。『自分から会ったんですよね? それなのに、ストーカーだと?』そう言われるんじゃないか。不安が、胸の奥に広がる。でも——行くしかない。この写真は、証拠。蓮くんが私を監視していた、証拠。着替える。鏡を見る。ひどい顔。でも、もう気にしない。箱を持って、マンションを出る。エレベーターに乗る。エントランスに出る。曇り空。今にも雨が降りそう。警察署に向かう。歩きながら、周りを見る。また、視線を感じる。誰かが、見ている。振り返る。誰もいない。——気のせい?——それとも……。警察署に着く。受付で、名前を告げる。「山田刑事に、お会いしたいんですが」「少々お待ちください」待合室で、待つ。箱を、膝の上に置く。手が、震える。——信じてもらえるだろうか。——今度こそ、信じてもらえるだろうか。しばらくして、山田刑事が現れた。「水野さん」少し、驚いた顔。「また、何か?」「はい……証拠が、あるんです」山田刑事が、応接室に案内する。二人で、座る。「証拠、というと?」「これです」箱を、テーブルに置く。蓋を開ける。中の写真を、取り出す。「蓮くんから、届いたんです」山田刑事が、写真を見る。一枚、一枚。表情が、変わらない。「これ、全部水野さんですね」「はい……」「いつ撮られたか、わかりますか?」「最近です。ここ数週間の……」山田刑事が、メモも確認する。『美月さん、毎日見てます。毎日、あな
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