陽菜は退院後すぐにSNSを更新し、ネット上で自分を気遣ってくれたファンやネット民に無事を報告した。このことをネットにあげると凄まじいコメントが次々と返ってきた。多くの人が彼女に芸能界復帰を望んでいるようだ。もともと下火になっていた世論が、またにわかに沸き立った。そして今回、陽菜は直接ライブ配信を始め、事業を立て直すことを宣言した。しかし芸能界進出ではなく、自身の専攻だったジャーナリズムの道に戻り、社会的貢献活動のインタビューを行うと表明した。如月家自体、多くの福祉団体と提携しており、すぐに数多くのチャリティープロジェクトが舞い込み、陽菜は一夜にして数十万のフォロワーを獲得した。陽菜のライブ配信を見て、陸斗の目に笑みが滲んだ。やはり仕事に没頭する女性は魅力的に見えるものだ。陽菜もそこまで愚かではない。確かに今回同情を得るための策は効果的だった。柊馬と大衆の同情を引き出し、メリットは多かった。陸斗はすぐに和香に電話をかけ、状況を報告した。一花を襲撃した男はもうこの世にいない。柊馬も調査に手をかけている。だが柊馬がどう調べようと、陸斗たちまで辿り着くことは不可能だ。あの男は匠を憎んでいただけでなく、長年、和香に恋心を抱いていたのだ。陸斗はただ、和香の苦境を伝えるだけで、彼は喜んで馬鹿な真似をしてくれた。人というものは、手に入らないものには永遠にとりつかれるものだ。これから、如月家との提携は彼と和香の手に落ちる。一花も如月家を敵に回したことになる。西園寺グループの製薬業は、事実上ほぼこの街の経済の動脈を把握している。如月家を敵に回すのは痛くも痒くもないように見えるが、陸斗は分かっていた。如月家の背後に立っているのは、様々な福祉団体なのだ……その影響力は、想像以上に大きい。和香と陸斗のやり方は異なり、彼女はより強引な手段を好んだ。一方、陸斗は非常に忍耐強く、頭の中に曲がりくねった考えを多く持つ、機会をうかがう狩人のような男だった。厄介な「家庭内のいざござ」を処理するには、陸斗のやり方のほうが適していた。和香との通話を終えた後、陸斗はパソコンを開き、昨日秘密に黒崎グループから届いたメールを見た。彼が出資して以来、黒崎家には多くのプロジェクトが息を吹き返していた。黒崎グループも相当に気を利かせ、自
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