綾芽が帰る時に浩之に電話をかけたが出なかったので、彼はもう先に寝てしまったと彼女は思っていた。執事がすぐに答えた。「柏木様、三条様は今お客様の接客中でございます」「お客様ってこんな遅くにどちら様?」綾芽はそう聞きながら、部屋に着替えに向かった。執事は綾芽の持ち物を受け取り答えた。「探偵の方です」綾芽はその言葉にピクリと反応した。「やっぱりまた妹さんのこと?」執事は頷いた。綾芽はついでにその進展を軽く尋ねてみたが、執事は知らないようだ。浩之は長年妹を探し続けている。最近になって探偵の方から頻繁に連絡を取ってくるようになっていることから、何か分かったのかもしれない。ここ暫くの間、綾芽は浩之について京原市に行き、仕事に専念していた。それで自分の能力をもう一度証明したいと思っているのだ。しかし、一花と慶によってできた綾芽への大きなダメージは一生をかけても忘れることはできない。しかし、復讐するのに早い遅いなどないはずだ。彼女自身が力をつけてまた南関市に戻ったら、絶対に一花の全てを奪い、倍返しにしてやるつもりでいた。もちろん、彼女が一花に対抗するなら、今浩之を後ろ盾に頼るしかなかった。浩之は綾芽に気があるようだが、二人はまだ体の関係を持つまでには進展していない。ここ暫く、綾芽は浩之に対してとても良く接していて、二人の仲は急激に近くなっている。ただ、彼女がいくらもっと深い関係に踏み込もうと思っても、彼のほうがそのつもりがないらしいのだ。もう手に入れたから興味を失ったのか。それとも浩之は綾芽のことを探り慎重な姿勢を保っているのか、彼女にははっきりとは分からなかった。しかし、今回綾芽はそこまで焦っていない。絶対にいつかは浩之と堂々と恋人同士になるつもりだった。綾芽は着替えてからそのまま書斎へと向かった。浩之は昔からずっと妹のことを気にかけていた。ギャロップが南関市に支社をつくるという計画も、彼が妹を探していることと関係しているのだ。綾芽も個人的に人に頼んで、浩之の手助けができないか助力していた。もし、彼女が浩之の妹を見つけ出せれば、浩之との結婚も自ずと成功するはずだ。「その捜索方法で期待できるでしょうか……ええ……ではよろしくお願いします」綾芽が書斎の前まで来た時、中から浩之の声が
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