しかし、その思いは一瞬頭をよぎっただけだった。一花は再び、他の人と熱心に話し込んでいる美穂と敬子のほうを見やり、心の中は温かい感覚で満たされた。「何を考えているの」柊馬は、一花が上の空なのに気づき、黙って彼女のそばに歩み寄った。夜のパーティーはバーベキューで、食べ物の種類も豊富だった。美穂が使用人たちに庭で次々と料理を並べるよう指示しており、賓客たちも続々と訪れ、庭の中央にある湖の前の祝福を残すための大型スクリーンに、署名をし記念に残していた。星空の下、すべてがロマンチックに映っていた。一花は隅に置いてあるブランコに腰掛け、微かに微笑みながら、後ろにいる柊馬の腕を取った。「あなたのことを考えてたの」「そうか。たった二分会わなかっただけで、俺に会いたくなったの」柊馬は軽く笑うと、一花のそばに回り込み、椅子を引いて座った。彼は温かいミルクティーを一杯持ってきて、一花に渡した。さっき彼女が飲みたいと言ったが、キッチンでまだ準備ができていなかったので、柊馬がわざわざ見に行き、先に一杯取ってきたのだ。「ええ、二分どころか、一分会わなくても、あなたにすごく会いたくなるわ」一花はとっびきりの甘いセリフを出し、ミルクティーを受け取る時、わざと両手で柊馬の関節がはっきりしている男らしい手を撫でた。わざと彼をからかうためだった。柊馬も一花のそんな悪戯には慣れており、突然、抑えきれなくなったかのように彼女の唇に近づいた。「そんなことを言うなら、今すぐ君の想いを満たしてやらねばな」「……と、柊馬」一花は頬を赤らめ、慌てて周りに人がいることを注意した。しかし、柊馬はそんなこと構わなかった。彼女の言葉が終わらないうちに、彼の唇は重なり、舌はさらに無遠慮に侵入しようとした。「社長!奥様!」その時、突然、湊の声が聞こえてきた。一花は驚き、手に持っていたカップを落としてしまい、中の温かいミルクティーが地面にこぼれてしまった。湊はその光景を見て、またまずいタイミングで来てしまったことに気づき、すぐに立ち去ろうとしたが、柊馬に呼び止められた。「待て」柊馬の声は落ち着いていたが、息遣いはやや乱れていた。彼は一花を解放し、体を起こして、少し乱れた襟元を整えた。「そんなに慌てて、何事だ?」一花は頬を真っ
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