アイは下に落ちていっていた。 そして誘うように右腕をザミールの方へ向かって伸ばしていた。うつくしい笑みを浮かべながら――。 ザミールは洞窟内の壁を蹴って、アイに右腕を振りかぶったままアイに迫ろうとする。 すると、何か違和感があることに気がついた。暗くてよく見えないが、ザミールとアイを囲むように、洞窟内の壁を何かが這っている。 ザミールは|心《ヘルツ》割き心を配ってその正体を確かめるよりも。腕と身体にのみ|心《ヘルツ》を集中させて、どんな攻撃が来てもみを守れるであろう量を自身に纏うことを決断した。 ぽちゃん、となんだか場違いで間抜けな音がした。眼の前のアイが水の中に沈んだのだ。 アイは|蠱惑的《こわくてき》な笑みで言った。 「……ようこそ――おれの|心《せかい》へ――!!」 ◇◆◇ ――! これは、この水は|彼奴《あいつ》が沈んでいっている膨大な量の水は――! 壁をウネウネと伝っていたものの正体は――! |此奴《こいつ》の水の|心《ヘルツ》か!! アイは最初から、白い煙を纏いこの穴に最初にぶち当たったときから、ここずっと|心《ヘルツ》を溜めていたんだ! ――この闘いの最初の最初から!! 白い煙となって逃げていた時も、十分に広い閉鎖環境という、俺を倒すのに最適な環境をずっと探していたんだ!! 闇雲に|遁走《とんそう》していたように思わせておいて……!! そしていつ俺を誘い込むかをずっと考えていた……! ここに|心《ヘルツ》を割いていたから、|こころをもつもの《プシュケー》のクセに心を配ったりしねぇわけだ! やりやがる!!戦術I
Última actualización : 2026-05-04 Leer más