心からの謝罪を口にする兄を見て、紫音は再び小さく息を吐いた。「お兄ちゃん、自分で分かってるなら、もう二度とあんな自分勝手な真似はしないでよね。頭を冷やしてちょうだい。お兄ちゃんが馬鹿なことをするたびに、私たちがどれだけ心配して、胸を痛めてるか……これに懲りたら、もう忘れないで」「……ああ、分かってる。絶対に、もうあんな真似はしない」州は真摯な面持ちで深く頷いた。有加里への未練や失意を、すぐに消し去ることはできないかもしれない。感情というものは、そう簡単にコントロールできるものではないからだ。だが、少なくとも自分の感情のせいで、これ以上家族を巻き込み、心配させるような真似だけは絶対にしないと、彼はこの瞬間に固く誓った。「……母さん、リンゴ、剥こうか?」気まずさを誤魔化すように、州は逃げ足も早く立ち上がると、見舞い品のバスケットからリンゴを取り出し、不器用な手つきでナイフを入れ始めた。さらに、他のフルーツも丁寧に洗い、切り分けて家族の前に差し出した。さっきまでの自暴自棄な姿が嘘のような、そのあまりにも甲斐甲斐しい長男の姿に、病室を包んでいた重い空気はふっと緩んだ。「……ふふっ、何よそれ」紫音が思わず吹き出すと、琴音も口元を抑えてクスクスと笑い声を漏らした。「急に人が変わったように素直になって……なんだかおかしいわね」「まったくだ。あんなに反抗的だったのにな」隆之介も呆れたように笑いながら、差し出されたリンゴを一切れ手に取った。「まあいい。お前は昔から、一度自分で決めたら梃子でも動かない男だからな。俺たちがこれ以上とやかく言うのはやめておこう。……ただ、これからの人生で何を選択するにせよ、お前の帰る場所にはいつも家族がいるということだけは、絶対に忘れるな」父親の厳しくも温かい言葉に、病室にはようやく、家族としての穏やかな絆の光が戻り始めていた。州は真剣な面持ちで、深く、深く頷いた。今日の騒動で、彼は身をもって学んだのだ。これからは二度と、感情のままに暴走して周りを巻き込むような、子供じみた馬鹿な真似はしないと。「よし、お前が自分で分かっているならそれでいい。俺たちも、いつまでもお前に説教なんてしたくないからな」隆之介は面倒くさそうに手をひらひらと振った。まるで追い払うかのような素振りだ
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