「あらあら、それはそれはご立派なことで」紫音はこれ見よがしにパチパチと手を叩き、心の底から馬鹿にしたような笑顔を向けた。「息子を育て上げた上に、自分のお金で孫まで養ってあげてるのね。お宅には後世に残さなきゃいけないような王位や、数十億円の莫大な遺産でもあるのかしら?ただ男の孫が生まれたってだけでそこまで有頂天になれるなんて、ある意味幸せな脳みそね。……で、その大切な跡取りのお孫さんは、おばあちゃんが病気で苦しんでるってこと、知ってるのかしらね?」「き、きいいぃぃっ!!」老婦人は怒りで髪を振り乱し、口角に泡を飛ばさんばかりに絶叫した。「生意気な口を叩くんじゃないわよ、この女が!女なんていくら金を持ってたって、どうせ結婚したら他人の家の所有物になるんだから!今だけ親に媚びへつらったって無駄よ!結婚した途端、夫の家族にこき使われて、親孝行なんてする暇もなくなるんだから!」時代錯誤も甚だしい暴言に、紫音は鼻で笑った。「いつの時代の話をしてるの?男尊女卑なんて化石みたいな思考、今時恥ずかしいわよ。もし私の結婚相手が、私が両親を大切にすることに文句をつけるような男なら、こっちから三行半を突きつけて家から叩き出してやるわ」紫音は一歩前へ歩み寄り、老婆を冷たく見下ろした。「私はね、男に寄生しなきゃ生きていけないような哀れな女じゃないの。自分の力で何億円でも稼ぎ出せる。もし離婚したって、指先一つで自分と家族を一生養っていけるだけの力があるわ。……夫や息子にすがりついて、男の顔色を窺いながら生きるしか能がないあなたと一緒にしないでちょうだい」「あ、あんたっ……!よ、よくも……っ!!」老婦人はあまりの屈辱に胸を押さえ、ヒューヒューと荒い息を吐き始めた。「あら、大丈夫?勝手に興奮して倒れないでよね。私、指一本触れてないんだから、慰謝料なんて払わないわよ?周りの人たちもみんな見てるしね」紫音は周囲の様子をぐるりと見渡し、クスッと笑った。「さっきまであんなに元気よく噛みついてきたのに、言い返された途端に息切れなんて。口先だけで中身が伴ってないからそうなるのよ」「はぁっ、はぁっ……!あんた、お年寄りに対して……っ!」「お年寄りだからって、何でも許されるとでも思ってるの?私たちは今日、家族揃って気持ちよく退院しようとしてい
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