両家はずっと提携関係にある。そんなことをすれば、角が立つのは避けられない。「以前は裕也兄さん、絵里のことすごく嫌ってたじゃない。どうして急に肩入れしたりするの?」寧々は眉をひそめて尋ねた。「両家の協力関係に亀裂が入るのを恐れたんだろう。あいつは社長だ。グループの利益を最優先に考える」和也は淡々と答える。寧々は納得した。それ以上深く考えず、和也が脅迫を何より嫌うことを知っている彼女は、わざと泣き出しそうな表情を作ってみせた。「私のせいね。赤松さんは私のために絵里に手を出したのに、あの時私が我慢していれば、何事もなかったはずなのに……そうすれば、和也が無理やり絵里と入籍させられることもなかった……」その言葉は狙い通り、和也の胸中の怒りに油を注ぎ、絵里のやり方に対する嫌悪感を一層募らせた。「あいつはそういう小細工が好きなんだ。結婚したら、あの狡猾で身勝手な性根を叩き直してやる」寧々はしおらしく言った。「和也……あなたが三年前の約束のためだけに、絵里との入籍を承諾したことはわかってるわ。でも、あなたはまだ若いのに……こんなふうに犠牲になるなんて見ていられない」「こんな女に成り下がるとわかっていたら、結婚なんて承諾しなかった」和也は瞳を暗く沈ませ、冷酷に言い放った。「結婚した後も態度を改めないようなら、すぐに離婚してやる」その言葉を聞き、寧々は満足げに録音を停止した。その瞳の奥に、陰湿な光が走る。裕也は絵里と昼食を共にし、会社へ戻っていった。彼が出て行ったのと入れ違いに、寧々が我が物顔で病室に入ってきた。「絵里……」和也の前で見せる従順さはどこへやら、寧々の可愛らしい顔は挑発の色に染まっていた。「本当、恥知らずね。和也を脅して入籍させるなんて」使用人は彼女が藤原家の令嬢であることを知っており、心配そうに立ち尽くしていた。何かトラブルが起きるのではないかと危惧しているのだ。絵里は彼女を安心させて部屋から出した。二人きりになるや否や、絵里は容赦なく言い返した。「和也が入籍してくれなくて、嫉妬してるわけ?恥知らずという点では、あなたには敵わないわ。そんなに悔しいなら、三年前の手口を使って、彼を奪えばよかったじゃない?」その言葉に、寧々の顔色が激変した。彼女は鬼のような形相で捲し立
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