その日は2人の帰りが遅かった。 夜11時近くに帰ってきた二人らはお酒の匂いが強く、たまたま水を飲みに降りてきていた優希は顔をしかめて息を止め、2人がぼやけるように眼鏡を外した。 ふらつく暁春を支える有美の姿は結婚記念日のそれと重なり、優希はパジャマの裾を強く握る。 「お姉さん気がきかないですね。お水持ってきてくださいよ。」 イライラとした有美の声に、優希は無言でキッチンに戻ると2つのコップに水を注いぐ。 さっさと渡して部屋に戻ってしまおうと、テーブルに置いてすぐに振り返るも、突然暁春が優希の手首を掴んだ。 驚いた優希は思わず振り払い、しかめた顔で暁春を見る。 振り払われた手をぼんやりと見た暁春は、不思議そうに優希を見上げた後、目を細めて微笑んだ。 「ゆうちゃん。」 甘さを溶かした目は久しぶりに向けられるもので、甘く呼ばれた愛称も以前の優しかった暁春を思い起こさせた。 この1週間の彼の非情さに苦しんだくせに、愚かにも一気に跳ねる心臓に優希は唇を噛み、どう反応を返すのが正解か考える。(暁春が相当酔っているのは確実ね。)対応を間違えれば自分の首を締めることになる。 しかし暁春は再び優希の手を掴むと優しく引いた。 優希は戸惑いながらもなぜか抗えず、無意識に引かれるままに動く足はゆっくり暁春に近づいていく。 そしてとうとう膝に座らせられると、驚くことに暁春は優希のお腹を撫で始めた
Последнее обновление : 2026-05-09 Читайте больше