莉亜の顔は、まるでよく熟れた林檎のように真っ赤になっていた。彼女は二人の男の会話を無視して、そそくさとその場を立ち去った。昨夜、独り酒を煽っていたことがばれてしまった。今朝、朔也の前で強がっていたばかりだというのに、まさかこれほど早くばれて自ら恥をかくような羽目になるとは思いもしなかった。莉亜は自分に冷静になれと言い聞かせ、ホテルに設けられたジムへ向かった。午後にはほとんどの社員が帰る予定だった。莉亜のほうはあまりやることがないので、せっかくのリゾート地だし、あちこち見て回ろうと思った。ここのジムには充実したマシンが揃っていると聞き、彼女はそれなりに期待していた。しかし、入ってすぐ目の前に広がる無数の機械に、莉亜はあっけにとられた。これまでジムに通ったことがない彼女には、ほとんどの器具の使い方も分からず、ランニングマシンだけ認識できた。「体のどこを鍛えたい?」突然、背後から冷たく聞こえても優しさが残っている男の声が響いた。莉亜は一瞬動きを止めた。朔也が自分を追ってきたのだと気づくと、不機嫌そうに別のマシンの方へ歩み寄った。ジムの中でまで、わざわざ朔也と関わり合いたくはない。だが、莉亜が腰を下ろしたかと思えば、すぐ背後に男の体温が迫ってきた。二人の間にはまだ距離があるはずなのに、莉亜にはその熱がまるで背中に直接当たっているように感じられた。朔也は少し身を屈め、莉亜の耳元で囁いた。「これは肩と背中を鍛えるための機械だ。重さを調整してやる。初心者には、最初から負荷をかけすぎないほうがいい……」莉亜はすぐに立ち上がろうとしたが、男の手によって押しとどめられた。もともと、ジムのマシン自体は少し面白そうだった。気がつけば、結局彼女も朔也に使い方を教えてもらっていた。ただ、莉亜は二人の姿勢が、実に親密そうに見えているのだと知らない。その間にも何人かの男がこちらへ近づいてきたが、莉亜に話しかけようとするたびに、朔也のちょっとした警告の目つきで一蹴されていた。夜が更けると、莉亜はベッドの中で何度も寝返りを打ち、どうしても眠れなかった。目を閉じても浮かんできたのは、朔也が自分にしてくれた優しい仕草ばかりだった。彼の彼女に対する好意は疑いようもない。本人が何度も口にしている。しかし、莉亜は自分と彼
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