淡野千与(あわの ちよ)は、ミスK大でグランプリに輝いた清楚系女子で、多くの男子学生にとって憧れの的だ。しかし、ある日を境に事態は一変した。大学の掲示板に、彼女のプライベートな写真が突然晒されたのだ。一夜にして彼女の評判は地に落ち、大手企業への学校推薦も取り消された。そればかりか、道を歩けば「一晩いくら?」と声をかけられる始末だ。そして、その写真を持っているはずの人物は、世界でただ一人、恋人の牧石鳴海(まきいし なるみ)だけだ。千与は真相を問い詰めようと、なりふり構わず彼のもとへ走った。だが、部屋のドアを開けようとしたその瞬間、中から彼の友人たちの声が漏れ聞こえてきた。「鳴海、やり方がエグすぎるぞ。あんな写真バラ撒かれたら、淡野は一巻の終わりだ。学校推薦もパーになったし、これで彼女も二度と凛夏ちゃんと争おうなんて思わないだろう」別の男が調子を合わせて笑った。「それだけじゃないぜ。付き合ってきたこの二年間、鳴海が彼女のことを一度も好きになったことがないなんて知ったら、それこそ狂うんじゃないか?鳴海は彼女に触れるのも嫌だから、昼間は適当にあしらって、夜は自分の弟を身代わりにベッドへ送り込んでたんだからな……ハハハ、傑作だぞ!」その言葉は雷鳴のように千与の耳を突き刺した。彼女は悲鳴を上げそうになる口を必死に押さえた。顔からは一瞬で血の気が引き、真っ白になった。その男はさらにニヤリと笑いながら、鳴海の隣に座るイケメンに肘打ちを食らわせた。「なあ、卓也。兄貴の彼女と二年間もやってて、どんな気分なんだ?気になって夜も眠れないぜ」牧石卓也(まきいし たくや)。鳴海と瓜二つの顔を持つその男の子は、グラスを傾けながらチャラい笑みを浮かべた。「ふん、最高に決まってんだろ。肌は白いし、体は柔らかいし、声もいい。どんな格好だって素直に応じるしな……わざわざK大に編入する手続きを進めてるのも、その方が後々都合よく抱けるからだ」それまで沈黙を守っていた鳴海が、ようやく口を開いた。相変わらず冷たい声で感情は読み取れないが、その一言一言が刃となって千与を切り刻んだ。「楽しむなら今のうちにしとけ。推薦枠が確実に凛夏のものになったら、千与とは縁を切る。それから、俺は正式に凛夏に告白するつもりだ」「マジか!ついに凛夏ちゃんを落としに行く
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