Semua Bab 氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜: Bab 161 - Bab 170

179 Bab

161話

「君、何を考えているんだ!?」「シャムスの騎士は礼儀を知らんようだな」 フェガリの貴族達は、いきなり入ってきたハーディを批判する。だが彼らの批判は、ハーディには届かない。ハーディはラウルとリュゼを探したが、ふたりの姿はどこにもない。「罰なら後でいくらでもお受けします。ラウル様とリュゼ様はどちらにおられるのですか?」「ふたりならソニアという娘の様子を見に行った」 サウラが答えると、ハーディの顔が青ざめる。最悪のシナリオが、頭を巡った。「ソニアが、カミリアが大変なんです! 庭の穴に……!」 ハーディの言葉に、フローレス公爵の顔が真っ青になる。貴族達は訝しげな顔をしてフローレス公爵を見つめる。「あの悪魔のような穴に落ちたというのか!? すぐに助けに行かねば!」 フローレス公爵はハーディを突き飛ばし、外へ向かう。サウラとノクス王は顔を見合わせると、後に続く。ハーディはサウラ達と一緒に庭へ向かった。「私のせいで、カミリアが……!」「話は後で聞く」 サウラは強い口調で言うと、更に急いだ。 カミリアは、水に浮かんでいた。ランタンまであと50cm、外まであと70cmといったところか。もう少しで外に出られそうだが、体力と精神力の限界が近い。ランタンの近くに来て分かったが、フックはもうボロボロで、今にも取れそうだ。気が急いて早いタイミングで登ろうとすれば、命綱はなくなるだろう。 カミリアは寒さでかじかみ、力が入らないようにするだけで精一杯だった。きっと、本当にギリギリまで水が上りきらないと出るのは難しい。そう考えただけで、気が滅入りそうになる。その度に、ランタンの光で輝く宝玉を見て気力を保った。「それにしても、ハーディはどうして私を……」 氷のような冷たい目、裏切り者という言葉。いつ彼女を裏切ったのか、見当もつかない。こんな残酷な罠で殺したいと思うほど憎しみを抱えていたのなら、理由を聞いても話してくれないかもしれない。それでも、ハーディとも向き合わないといけないと思った。
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162話

「ーリア!」「え?」 遠くから、自分を呼ぶラウルの声が聞こえた気がした。幻聴かと思ったが、複数の足音がこちらに近づいてきている。「カミリア!」「ラウル……!」 今度は愛しい人の声がはっきりと聞こえた。途端に希望が満ち溢れる。「ラウル! 私はここよ!」 力いっぱいラウルを呼んだ。身体が沈みかけるのを、必死で立て直す。「カミリア!」 今度はハーディの声だ。まさか彼女が来るとは思ってもみなかった。感動で胸が打ち震える。「カミリア! よく頑張ったね。今助けるから」 ラウルは精一杯手を伸ばした。カミリアはその手を掴む。「引き上げるよ!」 ラウルが力いっぱいカミリアの腕を引っ張る。彼の後ろに、サウラやノクス王の姿が見える。「私も手伝います」 ハーディもカミリアの手を引っ張ってくれる。カミリアはサテンのロープが結ばれた手を差し出した。ハーディはサテンのロープをナイフで切り離し、自由になった手を引っ張り上げてくれた。 ふたりのおかげでなんとか陸に上がると、ラウルとハーディはカミリアを痛いくらいに抱きしめた。「カミリア、ごめんなさい! 私、リュゼ様がこんなに恐ろしいことを考えてたなんて、知らなくて……!」「リュゼ? どういうこと?」「うちの娘がこんなことを!?」 ハーディの言葉に、カミリアとフローレス公爵は動揺した。友と思っていた人物が、娘が、恐ろしい計画を立てたと知り、戦慄する。サウラとノクスは険しい表情で顔を見合わせる。「寒かっただろう?」 ラウルは燕尾服をカミリアの肩に掛け、抱きしめる。 他の貴族達が何事かと様子を見に来た。その中に、リュゼの姿もあった。「リュゼ、お前……」 ラウルがリュゼを睨みつけると、彼女は狂ったように笑う。近くにいた貴族達は、不気味がって彼女から離れる。
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163話

「全部全部あんた達が悪い! ラウル様は私を見ていればよかったの! お父様、相応の立場の人と結婚なさいって言ってたじゃない! カミリア! お前はシャムスの騎士のくせに、ラウル様の隣にいるなんて図々しいのよ! ハーディ! あんた、カミリアがいなくなればいいって言ってたじゃない! どうして助けたのよ!?」「リュゼ、貴女……」「うるさいうるさい! お前みたいな庶民が、気安く私の名前を呼ぶな! 私のラウル様に近づくな! 私のものにならないなら、殺してやる!!!」 リュゼは血走った目でラウルに突進していく。その手には、銀色に鈍く光るナイフが握られていた。「させない!」 カミリアは燕尾服をリュゼに投げつけた。燕尾服は見事に覆いかぶさり、リュゼの視界を奪う。リュゼの動きが一瞬だけ止まり、その隙にカミリアは彼女を横から蹴り飛ばした。すかさずハーディは燕尾服を退かし、脇腹を抱えてうめき声を上げているリュゼを確保した。「いやぁ! 離しなさいよ! あんただってカミリアに死んでほしかったくせに!」「私はカミリアに死んでほしかったんじゃない! 貴女と一緒にしないで」 捕まっても抵抗するリュゼに、フローレス公爵が歩み寄る。リュゼは縋るように父を見るが、軽蔑の目を向けられていた。 乾いた音が、広々とした庭に響き渡る。リュゼの頬には、大きな手形がついた。「お前がやったことは犯罪だ、リュゼ。話は後で聞いてやる。ハーディといったな。その子をうちの地下牢に閉じ込めておくように」「はい」 ハーディはリュゼの手を後ろ手にまとめると、無理やり歩かせた。それでもリュゼは、こちらに振り返って暴言を吐き続けていた。「なんだか、とんでもないことになったわね……」「あぁ……。けど、君が無事で本当によかった」 見つめ合うふたりを邪魔するように、フェガリの老貴族が咳払いをする。そちらを見ると、他の貴族達も不満げな顔でこちらを見ていた。
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164話

「これはどういうことですかな? マルティネス公爵。婚約者のソニア様は、田舎の名家のご令嬢と聞いていましたが」「シャムスの騎士、カミリアというのは本当かね?」 責め立てるような視線からふたりを庇うように立ちはだかったのは、サウラだ。「説明は俺の方からしてやる。まずはカミリアを湯浴みさせるのが先じゃないのか? それとも貴殿らは、令嬢ではない彼女がこのまま風邪を引いてもいいと?」 貴族達は顔を見合わせ、渋々頷いた。サウラはこちらに振り返り、にっこり笑う。「カミリア、よくやった。今は休んでくれ」「サウラ王子……」 礼を言おうとしたが、クシャミが出てしまった。生還できた喜びとリュゼの騒動で寒さを忘れていた。ずぶ濡れになっただけでも寒いのに、足がほとんど出ているのだから尚更だ。「本当に風邪を引いてしまいそうだな。とにかく屋敷に戻ろう」 フローレス公爵の一言で、屋敷に入る。カミリアは使用人の案内で風呂に入った。よく汚れを落として温まると、用意されていたバスローブに身を包む。 浴室から出ると、使用人が食堂に案内してくれた。 食堂に着くと、ハーディも座っていた。テーブルの上にあった豪勢な料理がなくなり、紅茶やお菓子が並べられている。「カミリア。つい先程お前について話し終えたところだ」 サウラが紅茶をひと口飲み、リラックスした表情で知らせてくれる。恐る恐る貴族達を見ると、彼らはニヤニヤ笑っていた。何故彼らが笑っているのか気になっていると、ラウルに隣に座るように言われたので、彼の隣に座る。リュゼが座っていたところにはハーディが座り、彼女と目が合うとうつむかれてしまった。「ラウル殿がご執心だとか」「一緒にいたいがために、大掛かりなことを」 貴族達はニヤニヤしながら口々に言う。こういったことに鈍感なカミリアも、流石に気づいて顔が熱くなる。「氷の戦乙女殿は、任務が終わったら戻るのですかな?」 この一言が、カミリアの胸を揺さぶった。これに頷いてしまえば、もう二度とラウルと会えない。そんな気がした。
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165話

「もしサウラ王子が許してくださって、ラウル様がいいと言ってくださるのなら、フェガリにいようと思います」「俺は構わないぞ」 カミリアの言葉に、貴族達はおぉ、と声を上げ、サウラはニヤリと笑ってラウルを見た。ラウルは目を見開き、カミリアを見ていた。「カミリア……。それって、本当に僕の婚約者になってくれるってことでいいのかい?」「はい、そういうことです」 照れ臭さを押し殺して頷くと、ラウルは力強くカミリアを抱きしめた。貴族達は彼らを祝福する。カミリアは意外に思いながら貴族達を見る。 身分詐称をした上に、自分はシャムスの騎士だ。てっきり批判されるとばかり思っていただけに、気が抜ける。「あら、お嬢ちゃん。鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしちゃって。私達が祝福するのが、そんなに意外?」 中年の貴婦人は、楽しげな目をカミリアに向けながら問う。カミリアは戸惑いながらも頷いた。「えぇ、意外です。身分差の恋は許されないものかと思っていました。それに、シャムスとフェガリはこうして交友パーティを開催していますが、いがみ合ってるって……」 カミリアの言葉に、貴族達は声を上げて笑う。貴族というのは口元を押さえて上品に笑うイメージがあったため、呆気にとられる。「いがみ合ってるのは一部の連中だけさ。この若造共が動いてくれたおかげで、大半は仲がいいんだ」 ノクス王はラウルとサウラに目をやりながら言う。ふたりがある程度動いているのはカミリアも察していたが、まさかここまでとは思いもしなかった。「それに、若者達の美しい恋は応援しませんとな」「私も昔、町娘に恋をしたことがあったな……。身分差なんかで結ばれない時代も、もう終わりにしようということになってきている。いい時代だ」 貴族達はしみじみと言う。そんな彼らを見て、貴族は税金を搾り取ることしか考えていないというカミリアの偏見が、少しだけ緩和された。 貴族も人間。恋に一喜一憂することもあれば、冗談を言い合って笑い合うこともある。それを知れてよかったと思う。
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166話

「そうと決まれば、残り2日は予定変更だな。明日はシャムスとフェガリの新国王継承式、明後日はふたりの婚約パーティだ!」 ノクス王は無茶苦茶なことを言うと、一気にワインを煽った。そんなノクス王を、仕方ない人だと貴族達が笑う。「陛下、いくらさっさと隠居したいからって、それは急すぎますよ」「あぁ、まったくだ。明日急に王座から降りろと言ったら、父上が卒倒する。同時に継承式をやるのは構わんが、ちゃんと計画を立ててくれ」 貴族とサウラに注意され、ノクス王はふてくされる。「最終日にラウルが時期国王に決まったことを発表してはどうだ?」「おぉ、それは名案だ! ラウル、それでいいか?」 サウラの案に、ノクス王は目を輝かせる。はやく隠居したいという思いが伝わり、ラウルとカミリアは苦笑する。「えぇ、それで構いませんよ。ただし、継承式の日取りはこちらでさせていただきます」「俺としては、今すぐ継承したいところなんだがな」「気持ちは分かるがノクス王よ、まずはふたりのハネムーンが先なんじゃないのか?」「いいわね、ハネムーン。ところで、結婚式はどちらの国でやるのかしら?」「両国で挙げてもいいだろう」 自分達の未来についてあれこれ言われ、くすぐったい気持ちになる。結婚はもちろん、ハネムーンなど、考えたこともなかった。 深夜、マルティネス家の馬車にはラウル、カミリア、ハーディの3人が乗っていた。ラウルとカミリアは隣同士に座り、ハーディがふたりの向かいに座っている。「改めて、本当にごめんなさい……」 ハーディは深々と頭を下げる。カミリアは慌てて彼女の頭を上げさせた。「ううん、いいの。私が助かったのは、ハーディのおかげなんだから」「どういうこと?」 ハーディは小首をかしげ、ラウルは興味深そうにふたりを見ている。「小さい頃、せめて浮くくらいはできなくちゃって教えてくれたでしょう? その時のことを思い出して水に浮いてたの。あの時の教えがなければ、私は溺れていたもの」「カミリア……」 ハーディは今にも涙が零れそうな瞳でカミリアを見つめる。カミリアはまたこうしてハーディと話せることに、心の底から感謝した。
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167話

 屋敷に着くと、カミリアとハーディはカミリアの部屋に行った。ラウルはオネストを自室に呼び、チェスの相手をさせる。「正式なご婚約おめでとうございます。しかし、いいのですか? 婚約が決まった夜ですのに」 オネストは神経質そうにモノクルを直しながら聞く。ハーディのことを言っているのだと察したラウルは、小さく笑った。「ふたりの友情を邪魔するのは無粋だからね。それに、カミリアは逃げないさ」「左様でございますか」 オネストは興味なさそうに言いながら、駒を動かす。ラウルは彼の口角が少しだけ上がっていることに気づき、素直じゃない執事に苦笑する。 その頃カミリアとハーディは、大きなベッドの上でソファを抱えながらおしゃべりをしていた。「そういえば、答えたくなかったら答えなくていいんだけど、私、ハーディになんかした?」「え?」「ほら、裏切り者って……」 カミリアが言いづらそうに言うと、ハーディは申し訳なさそうな顔をして話し始めた。カミリアが自分にないものばかり持っていること、自警団の先輩、恋愛に興味ないと言いながらモテること、そして、ラウルのこと。「そうやって聞くと、私って嫌な女ね」「違うの。私はただ、カミリアが羨ましかっただけ。綺麗で強いカミリアに憧れてた。それが、いつの間にか嫉妬に変わっていって……」 うつむくハーディを、カミリアは優しく抱きしめた。「何言ってるの。ハーディにしかない良さだって、いっぱいあるのよ? 朝まで語るんだから」「そんなにある?」 ふたりは笑い合い、朝まで語り合ったのだった。
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168話

 シャムスの王族御用達のビーチを、カミリアとラウルが並んで歩く。カミリアは白いワンピース、ラウルは白いワイシャツに黒のトラウザーズを着こなしている。 白い砂浜に、透き通るアクアマリンの海が眩しい。「綺麗なところね」 カミリアは裸足になると、波打ち際へ行く。押し寄せる海水は程よい冷たさで、気持ちがいい。「まさかサウラがこんなにいいところを貸してくれるなんて、思いもしなかったよ」「サウラ王子には、あとでお礼を言わないと」「あぁ、そうだね。頑張って報告書を書かないとなぁ……」「報告書?」 ハネムーンに似つかわしくない言葉に、カミリアは眉をひそめる。このハネムーンに、どんな裏があるのだろう?「そう、報告書。実はここ、できたばかりでまだ誰も使ってないんだって」「私達が1番に使ってるってこと? どうして私達が?」「本当はサウラ自身が試しに来たかったらしいんだけど、ノクス王のせいで忙しくなっちゃったからね。だから僕達にここを使わせて、良かった点と悪かった点をまとめておいてほしいって」「ハネムーンって言いながら、仕事じゃないの……」 せっかくのハネムーンなのだから、ラウルにもゆっくり休んでほしかった。心置きなくふたりきりでのんびりできると思っていただけに、ガッカリした。夜、ラウルが机に向かっているのが目に浮かび、ため息をついた。「そんな顔しないで」 カミリアをラウルは彼女を抱き寄せてキスをする。ラウルにキスをされるのは舞い上がるほど嬉しいが、今回の件はキスでごまかせるものじゃない。「報告書は、帰ってからふたりで書くんだ。ふたりの思い出を振り返ることができる楽しい仕事だと思ったんだけど、ダメだった?」 悲しそうな顔で見つめられてしまっては、カミリアはこれ以上ゴネることはできない。愛しさがこみ上げ、ラウルの首に腕を回した。「いいえ、ダメじゃない」「よかった。暑くなってきたから、そろそろ中に入ろうか。僕達の将来について、話したいこともあるしね」 そう言ってラウルはカミリアをお姫様抱っこする。カミリアはラウルの首筋に顔を埋め、ラウルに初めてお姫様抱っこされた日のことを思い出していた。
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169話

「あの時の私、可愛くなかったわね」「どの時?」「初めてお姫様抱っこされた日のことよ」「あの時も今も、カミリアは可愛いよ。可愛くない時なんて、1秒もない」 キザなセリフを平然と言ってのけるラウルに、顔が熱くなる。ラウルは真っ赤になったカミリアの顔を覗き込み、クスクス笑う。「暑さにやられちゃった?」「確信犯でしょ?」「なんのことかな?」 ラウルは涼し気な顔をして別荘に入る。別荘は白と水色を基調とした爽やかな見た目をしており、中も同じく白と水色を基調としていた。窓は大きめで、オーシャンビューを楽しめる造りとなっている。 ラウルはひとり掛けのソファに座ると、カミリアを抱きしめる。恋人になってまだ間もない上に、男性経験がなかったカミリアは、恥ずかしさで身を捩らせる。ラウルは逃すまいと更に強く抱きしめた。「どこに行くの??」「そこのソファに座るの。ずっとあなたの上に座るわけにはいかないでしょう?」「ダメ、ここにいて。大事な話をするから」 大事な話をするなら、向かい合って座ったほうがいいんじゃないかと思ったが、言ったところで離してもらえないのは目に見えている。恋人になってからというもの、時間さえ出来ればカミリアを抱きしめたり、キスをしに来ていた。抱きしめる時間があまりにも長いと、カミリアの方から理由をつけて離れようとするが、離してもらえたことは一度もない。「それで、大事な話って?」「来月、僕はフェガリの国王になるわけだけど、カミリアは騎士を続けたい?」「え?」 結婚して女王になれば、カミリアは公務で忙しくなるだろうと思っていた。それが当たり前で、当然、騎士も辞めなければならないと思っていた。だから、こんな質問をされるとは思ってもみなかった。「でも、女王になったら忙しいでしょ」「僕はそういうことを聞きたいんじゃない。カミリアの気持ちが知りたい。騎士は続けたいの? それとももう、未練はない?」 未練がないと言えば嘘になる。国民を守ることに生きがいを感じていたし、授業をするようになってからは仲間達と過ごすのが楽しかった。本音を言えば、辞めたくない。だが、本当にそれを言っていいのか、迷ってしまう。
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170話

「カミリア、僕は君の意志を尊重したい。だから、教えて?」「私は……、騎士を続けたい。騎士の仕事はやりがいも誇りもある。それに、やっと皆と本当の仲間になれた気がするの。だから、辞めたくない」「本音が聞けてよかった。それじゃあ、カミリアが騎士で居続ける口実を作ろうか。君ほど最高の護衛はいない。それに、フェガリの騎士団は心もとない。だから、氷の戦乙女と謳われたカミリアの力が必要だ。あぁ、シャムスの騎士団との合同練習なんかもいいね」 次から次へと出てくる騎士の口実に、カミリアの口角は自然に上がっていく。 フェガリに嫁ぐ以上、シャムスの騎士団にいられないのは分かっていた。それでもラウルは彼らと会う口実を作ってくれた。それに、フェガリの騎士団を鍛えることができると思うと、ワクワクしてくる。「シャムスの騎士団には戻れないけど、どうかな?」「私のために色々考えてくれてありがとう。とても素敵な考えだと思う」「そう言ってくれてよかった。このことも、帰ってからよく決めよう。喉渇かない? 何か取ってくるよ」 ラウルはカミリアを下ろすと、飲み物を取りに行った。カミリアはその背中を見つめながら、彼の愛情を噛み締めた。 夜、カミリアは緊張した面持ちで風呂から出る。バスローブの前合わせ部分をぎゅっと握りながら寝室に入ると、ベッドに腰掛けたラウルが優しく微笑みかけてくれる。「おいで」 言われるままにラウルの隣に座ると、抱き寄せられ、触れるだけのキスをする。昼と同じような軽いキスなのに、夜の匂いがした。「緊張してる?」「ハジメテだから……」「大丈夫、できるだけ痛くないようにするから」 そう言ってラウルは再び唇を重ねる、何度か啄むようなキスをすると、ラウルの舌先が唇の間をつついた。カミリアは一瞬身体を強張らせ、小さく口を開ける。隙間から舌が侵入し、味わい尽くすように舌が絡められる。「んぅ……ふ、んんっ……!」 カミリアはなんとかついていこうと、不器用に舌を絡ませるが、すぐに呼吸の限界が来てしまい、ラウルの肩を軽く叩いた。
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