「お帰りなさいまし、若!」 「若頭お帰りなさいまし!」 「姐さんもお帰りなさいまし!」 音羽と伏見が手を繋ぎながら門の前まで歩いて行くと、頑丈な門が開き、中から大勢の男たちが出て来た。 男たちは殆どが厳つい見た目で、スキンヘッドの頭にはちらほらと傷跡が目立つ人も多く見受けられた。 大きな声で音羽と伏見を出迎え、腰を落としてずらりと並ぶ光景は圧巻としか言いようがない。 だが、そんな出迎えなど受けた事のない音羽は、呆気に取られ、あまりの勢いに気圧され気味だった。 そんな音羽を庇うように伏見が音羽の前に進み出て、目の前で並んでいる男たちに向かって口を開く。 「おいやめろ。音羽が怖がってるだろうが。顔がやばいやつらは中に入ってろ」 伏見の声音は、普段よりも低く重低音。 ドスの効いた声、と表現するのが相応しいくらいに威圧感のある聞いた事のない声だった。 伏見の言葉に、男たちは「かしこまりやした!」と大声で返事をすると大慌てで家の中へと戻って行く。 その場に残ったのは、強面の男たちではなく伏見のように若く、容姿の整った者や音羽に恐怖を与えない容姿の男たちだけが残っている。 伏見は音羽の腰を抱き寄せると、1番前にいる男を示し、音羽に説明をした。 「音羽。こいつは陸野だ。俺の補佐をしてくれている。俺がいない時は陸野を頼ってくれ」 伏見の言葉に、陸野と呼ばれた男はぴしっとしたスーツ姿に違わず綺麗に音羽にお辞儀をした。 「初めまして、音羽様。若の補佐役の陸野 翔と申します」 「あ、ご、ご丁寧にどうも……」 音羽は呆気に取られたまま、陸野から差し出された名刺を受け取る。 その様子を見つめていた伏見は、音羽の手から陸野の名刺をさり気なく取り上げると「後で陸野の連
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