Semua Bab 【牌神話】〜麻雀烈士英雄伝〜 賛: Bab 21 - Bab 30

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第2部 一章【ジンギ!】その3 第四話 おれは勝つまで諦めねえ

20.第四話 おれは勝つまで諦めねえ ――とある夜 ジンギはまた夢を見ていた。…どうですか。私がおすすめした人物は? いや、わかりにくい言い方しすぎなんだよ。なんだよ『神の扉』って。ただの苗字じゃねえかよ!…偶然にしてはカッコイイ苗字してたので、ついね。そんな怒んなくてもいいじゃないですか。 別に、怒ってねえよ。んで、アイツから技術を吸収していけばいいんだな?…そうですね。しばらくはそれでいいです。彼女程あなた向きな麻雀をする上級雀士はなかなか居ませんので。 まあ、そのようだな。まずはアイツにひと泡吹かせるのがいまの目標だ。…また強気なんですから。でも、いいですね。応援しております。ジンギ。 任せておけ! おれは勝つまで諦めねえ!──────ガバッ!(おっと、もういい時間だ。起きておこう) ジンギは今日仕事がない。ただ、午後から蘭と会う約束はしていた。もちろん、雀荘で。強い奴から吸収できることは全部吸収してやるつもりで。◆◇◆◇ 神戸蘭は単純にジンギを面白がって。会える時はいつも会う、そんな日が続いていた。「ローン! マンガン~♡」「ツモッ! 4000オール」 落ち合う場所はいつも雀荘な2人。 蘭は既婚者だったし、ジンギにも付き合っている女性はいたがそんなのは関係無かった。ジンギは麻雀の修行をする。蘭は面白い麻雀をする。そのことを差し置いて優先されるものなど麻雀バカのこの2人には無かったのである。(本物のバカ) 当然、蘭は旦那に離婚届を突きつけられるが。「それはヤダ。私があなたを好きなのは知っているでしょう? 結婚はあなただけよぅ」と言うだけですんなり収まってしまった。だいぶちょろい旦那様だ。 ジンギの彼女は離れて行ったが麻雀に夢中なジンギはそれに気付きもせず普通に(そういえば最近会ってねえな)くらいしか思っていないのだった。
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第2部 一章【ジンギ!】その3 第伍話 ステージクリア

21.第伍話 ステージクリア ある日の対局。 ジンギは最終局面に近い場面で安全牌を選べた。普通に考えて今上家が捨てた中を合わせて。最後の巡目は4枚目の西。それで安全だ。しかし場をよく見渡すとある事に気付く。(ん? いやまてよ。これは……) 場に一萬は1枚切れておりドラ表示牌の二萬が暗刻子のジンギには一一一二二二の一萬も完全安牌だった。ここを落とすのはベタオリの時だけなので見落としていたのだ。 西を切ろうが一萬を切ろうがジンギのノーテンは変わらない。だが!打一「「!?」」(よし、ビビッてやがるな) そう、周囲の反応はまるで違うのだ。ここでのドラ跨ぎ切りはテンパイのサインみたいなものだ。ノーテン中でもやれる事を探したジンギ。それにより、とたんにジンギへの危険牌も切れなくなる蘭。 (なーにあれ。ジンギくん程の打ち手がここでドラ跨ぎの一萬を捨ててノーテンなんてまずない。そうなると彼を無視は危険……くっそーーオリるしかないかぁ……) ――流局 ジンギは手牌を伏せる。「えっ? ノーテン?!」「ふう、やっと一矢報いたな」「一萬切りは危なくないの??」「危なくないんだなこれが。完全安牌なんだ」 そう言うとジンギは手牌の一一二二二を倒して見せてやった。「――騙されたぁ」(やった! やっと蘭を騙してやったぞ! おい天使! やってやった!) たかがテンパイをノーテンにさせただけ。それだけの事だった。しかし、ジンギには記念すべき出来事でありこの日から反撃が始まった。 その後のジンギはレベルアップ音がたびたび鳴り始め、ついに魔術師Level62の(蘭もレベルは少し上がった)蘭とほぼ互角の力で戦うことが出来るようになったのだった。 神の扉、ステージクリア!
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第2部 一章【ジンギ!】その3 第六話 競技者の正しい在り方

22.第六話 競技者の正しい在り方「マネージャー。最近ジンギさんが強くなったと思いませんか?」「そう言えばそうだな。なんだか前みたいに長考もしなくなったし、腕を上げたかもしれないな」 西川晃(にしかわあきら)と萬屋勝(よろずやまさる)はそう言って遠目にジンギの麻雀を観察する。(ん?! ドラ引いて一旦退いた! まだ7巡目で誰もリーチしてないのに?)(見事だな、ドラはダマのチートイに既に当たるぞ) その後もジンギの見事な打ち回しは続く。(繊細かと思えば今度はペンチャン待ちでリーチ)(そしてすんなりツモか……。山が読めてるな)「ジンギさんが強すぎるよー!」「マネージャー! なんか程良く弱い人がいいんだけど!」 常連客たちはジンギが店側の協力者だと言うことに気づいている。もはやジンギも隠そうとはしてなかった。人手不足だから何でも手伝ってやった方が助かるためジンギは頼まれれば近くのコンビニまでの買い物くらいはしてあげていたのでそれを見た客にはバレないわけがない。「残念ながらうちのスタッフたちは私含め全員強くてねえ。弱い人と打ちたいならウチは向いてないかなぁ。『スター選手を揃えています』ってのがウチのウリでしてね」「ちえーー。でも確かに楽しいんだよな。ここのスタッフと打つのは。カネはやたら減るけど」「でしょう? 他の店行ってもこの次元で遊べる店なんてありませんよ。強い相手と戦う楽しさに目覚めちまったら他じゃ満足出来ないだろうし」「まるで麻薬だな」「麻雀の麻は麻薬の麻とはよく言ったもんさ」 そうは言ってもここに来ている人たちは極めて健全に麻雀という競技を楽しんでいた。のめり込んでいたと言う方が正しいか。 上級な戦いを求めるが故にここで打つのがクセになる。それは競技者として正しい在り方であり、皆が現実世界の出来事を全て忘れてここにいる時間はひたすら勝負の世界に没頭した。  まるで竜宮城のように、麻雀という素晴らしい遊戯にただただ夢中になっていたのだ。
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第2部 一章【ジンギ!】その3 第七話 卓の機能をも利用する

23.第七話 卓の機能をも利用する ある日のオーラス。トップ目はアキラ。 アキラは親番でダントツだった。二着目のジンギですら22600点差で倍満ツモか跳満直撃が条件だ。「くうー、離されたなあ。さすが、先生は強いわ」「ふふ、ついてました」 しかし、ジンギには倍満ツモが可能な手が入った!(イメージ通り行けばメンピンツモ一通ドラ赤だ。一発か裏があれば倍満…… ここで大切なのはそんな大物手を作っていると先生に悟らせないことだ。となると……) この卓は点棒のデジタル表示が点箱の上と卓中央にあり点差を知りたい時は点箱上の各方向に位置したボタンを押すと右を押せば下家、上を押せば対面、左を押せば上家との点差が画面中央の表示に現れてくれる。つまり、どことの点差を調べているのかが一目瞭然なのである。 ジンギはここで対面のアキラではなく下家の三着目との点差を卓の機能で調べた。それを見たアキラはこう思う。(あ、そうだよね。さすがにもう転落することだけ気をつけてる状態で、今から逆転しに行こうなんてことはいくらジンギさんでも考えないよね) これならこの局逃げに入る必要はないなとのんびり構えて安心しきったアキラ。 それがジンギの狙いだとも知らないで。「リーチ」(はいはい。二着確保の役無しリャンメンリーチね。まあ、一局無難に過ごして終わろう)と言う顔をしてるアキラ。ポンで一発を消すことも出来るが、まあそこまでやる必要もないだろう。という仏のような余裕の表情を見せる。うんうんうん、好きにやりなさい。と。 その様子を見て圏外のラス目にいるコテツは(あーあ、知らねーぞ。ジンギさんが点差を卓の機能で調べたことに違和感を感じろよな。この人は能力高いんだから暗算出来るだろうに。つまり、そんな必要のない機能を使うこと自体おかしいと思わねーと)と冷静に見つめていた。「ツモっ!」一二三四伍七八九⑤⑤赤567 六ツモ(一発)「一発がついて4000.8000の2枚」「倍……ツモ?!」「ほらー、だから言ったじゃん(言ってない)」「な、だって下との点差しか見てなかったから大丈夫だと思ったんだよ」「分かって無い。その点差チェックの時点からジンギさんの戦略だったんだよ。そうだよね? ジンギさん」「さすがにコテツのことは騙せなかったか…… まあ、これで先生がのんびり構えてくれたら
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第2部 一章【ジンギ!】その3 第八話 大きな視点でのプライド

24.第八話 大きな視点でのプライド 今日も今日とて麻雀暮らしのジンギたち。今日は神戸蘭(かんべらん)が同卓だった。『富士』にも『富士2』にも蘭はたまーに顔を出すようだ、コテツたちは知らなかったがマサルは「いらっしゃいませ! お久しぶりです神戸さん」と言っていた。マサルは久しぶりの人だからこそ名前を呼んで挨拶する。覚えていますよ、と。その接客はさすがだった。「ヨオ、蘭。ここで会うのは初めてだな」「あら、ジンギじゃなぁい。偶然、ていうか麻雀するなら呼んでよね!」「するならも何もオレはほとんど毎日してるんだよ。いくらなんでも主婦を毎日麻雀に誘うわけにはいかねーだろ」「それはそうかぁ……」「何? 2人は知り合いだったの?」「ああ、少し前からな」「運命の出会いってヤツぅ?」「そうか? そんな大層なもんじゃないだろ」「……たくゥ、相変わらずつれないんだから」 コテツとアキラを入れて立卓。東1局「リーチ♡」  親番の蘭から先制リーチだ。妙に色っぽい発声でハートマークが見えるような錯覚すらあったが油断は禁物。彼女のステータスは魔術師Level63だ。ジンギは2副露して短くしていたがここからしっかり守ることにした。ジンギ手牌二三四伍②②②(赤56チー7)(中中中) ⑤ツモ(うぐっ、キツイとこを引かされた…… 仕方ない、伍萬は現物だからここをとりあえず切っておくか……)打伍(実質、白旗みたいなもんだ。もう、あと1種類危険な牌を引いたらスジの二萬を捨てて諦めるしかないな) すると、勇敢なコテツが親リーチに立ち向かう!「リーチ!」打⑤「えっ、ロン」ジンギ手牌二三四②②②⑤ (赤56チー7)(中中中) ⑤ロン「2000」「はい」「勇敢だなー。おれは⑤筒が怖くて切れなかったからこんな苦しい単騎待ちにしてたのに」「まあ、でも勇気ありすぎて放銃してますからダメっすけどね」  「一方は勇者ゆえに敗れて、一方は臆病ゆえにアガるなんて麻雀って面白いわよねェ♪」「うっせ。なんと言われようと加点すればいいんだよ(あとコテツは勇者じゃなくて魔法使いだ)」「うわ~プライド無ー」とリーチを阻止された蘭がつまんなそうに膨れながら言う。すると「おれに小さなプライドはないんだわ。ただ、結果的に勝ち抜く。生き抜く。その大きな視点でのプライドは強く持ち
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第2部 一章【ジンギ!】その3 第九話 ジンギ、蘭を超える

25.第九話 ジンギ、蘭を超える その後も神戸蘭との戦いは熾烈を極めた。コテツは途中でお客さんをご案内して抜けてしまったが、強敵で師でもある蘭はまだ同卓だ。蘭とジンギの間に火花が散る。「ふう、それにしてもジンギちゃんはずいぶん強くなったわねぇ。出会った頃は私の方が一枚も二枚も上手だったのに、今ではもう肩を並べてる……。すごい成長速度だわ」「肩を並べるのじゃ満足できないな。おれはおまえを超えて行く」「わあ、生意気~」 そう言ってジンギはソーズの中ホンイツを赤含みで仕掛けていた。3副露しての手牌四枚。ドラは7索。 そして今なにかを引いて少し間を置いて手出し9索。その時の動作を蘭だけはしっかり見ていた。引いてきた牌の上下を揃える動きをしたのだ。(3副露時点でノーテンってことは無いと思う。テンパイからの打9。待ち替えだから少し間があった。6789からの待ち替え? たしかに狙い目の9はあと1枚しかないし6は表示牌だから最終形としてはイマイチ弱い。でも、それだと枚数の増える待ち替えは5or8になるけどその2枚はデザインに上下の違いがほぼない。だから今引いたのはそれじゃなくて、字牌だ。まだ山にありそうな字牌。薄いノベタンよりはいいという考えで、おそらく西や北、2枚枯れた東や南は無さそうだけど発はありうる。なんにしてもーー)「これはないわね」打白 そう、白は上下がないのでそこまで読めていれば完全に安全牌。上下を揃えた動作により安全性が約束されたのだ。「ロン!」「えっっっっっ!!」678白(3チー4赤5)(111)(中中中)「相変わらずいい読みだな、蘭。おまえのそのめざとさと読みを信じていた」「私だけを狙った、グレーゾーンな手三味線……」「上下を回転させただけだ。マナー違反とかにはならないだろ?」「ならない……。やられたあーーー」 それは見てる人だけしか気付くことのない罠だった。 明らかに読みの上を行かれた蘭。 ジンギは神戸蘭を超えると宣言し、この日ついにそれを有言実行したのであった。
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第2部 一章【ジンギ!】その3 最終話 大切なアイテム

26.一章 最終話 大切なアイテム 激闘の末に蘭を打ち負かしたその日の夜のこと。…ジンギ、ついに神戸蘭を超えましたね。 かもしれないし、今回のは偶然かもしれない。…あら、そんな風に思えるようになったなんて、ずいぶんと成長したんですね。驚きです。 うっせ、でもそうだな。不思議だけど、麻雀を鍛えれば鍛えるほど、勝つってことがどれほど偶然なのかがわかるようになった。こんなもんは絶対に支配できない。その偶然の中で、いかにしてチャンスを掴むか、勝てるルートを見落とさないか、勝利のその可能性を最大限に出来るか。そこまでがプレイヤーにできること。そう思ったんだ。…そうです。その上でプロプレイヤーはどうするべきか。その答えはもう知っていますよね。 マサルが言ってるやつだろ。スター選手になるっていうさ。…そう! そしてあなたにはその素質があり実行出来ています。 そんなんじゃねえよ。ただ、ダセーことが嫌いなだけだ。…いいことです。その調子で鍛錬して下さい。あなたはいずれ麻雀界においてとても大切な人物になるのです。 元詐欺師のおれがか? 信じらんねえな。おれはハッキリ言ってアイツらみたいに一生懸命に生きてない。やりたい放題やってたまに頑張る程度。そんなんで何か成し遂げたりするわけねえ。分かっているけど、これがおれだ。…知っています。 言ってみれば人生のトップを取りに行ってない。あいつら、コテツたちは人生をトップ狙いで駆け抜けてる。本気で生きている人だ。おれは、まあオーラスまで遊べたならそれでいいかなって。そんな感じだよ。でも、なるべく長く楽しみたい。だから、途中で飛んで終了しなきゃそれでいいかなって。…だからあなたにしたんです。あなたのような考えの者が彼らには必要だと思いました。様々な考えがある方が気付きになり、刺激になります。 なのであなたを私が導くことで彼ら、麻雀界を先導する勇者パーティの大切なアイテムとして機能させること。それが目的だったんです。 大切なアイテム? それはつまり炎の剣とか力の盾とか霞の鎧とかそういうアレなのかおれは?…ラク○アの勇者だとそれですね。 分かった……分かったぞテメー。また蘭の時と同じでダジャレなんだろ!…ぎくり! ジンギだもんなオレは!『神器』に丁度いい名前だと思ったんだろ! くだらねーー!…今日はずいぶんと
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第2部 一章【ジンギ!】エピローグ 麻雀烈士英雄伝

27.ジンギ! エピローグ 麻雀烈士英雄伝 ――数年後 西川アキラは南上コテツを主人公にした青春小説を大ヒットさせ麻雀作家として成功する。 それは空前絶後の超大ヒットでアキラはまさに先生になったわけだ。 その成功で得た財産を使用して今度は私設リーグ『プラスアルファリーグ』を設立。 その舞台にジンギも立つ事になるのはこの時点ではまだまだずっと先のお話。「しゃあ! 今日も打つぜえーー! 行くぞ!」「おれだって今日こそは勝つぜ?」「おっ、コミさんか。今日はいい勝負になりそうだ」『コミさん』とは小宮山源(こみやまはじめ)。商人Level35だった彼である。彼も今はグングン力をつけて上級職に変化。大商人Level58までになっていた。常人に比べてかなりLevelUP速度が早い。「ちょっと! 私のことも忘れないでねぇ♡」「おれ達もな」 ジンギの周りにはいつも人がいる。雀士が集まる。そう、いつの間にかジンギの職業はさらに上級な職へ、大賢者よりも上の最上級職へと変化していたのだった。それはまさに、麻雀打ちの最終形……北山銀次 スーパースターLevel3 もちろん、そのことはジンギ自身は相変わらず知らないのだが――◆◇◆◇キャラクター職業一覧南上虎徹 ◎魔法使い→遊び人西川晃  ◎守護騎士萬屋勝  ◎バトルマスター小宮山源 ◎商人→大商人髙橋幸太郎◎闘士神戸蘭  ◎魔術師北山銀次 ◎大賢者→スーパースター そして、この者たちこそが後の麻雀界の英雄となるのである。 ――麻雀烈士英雄伝が始まった。
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第2部 二章【あなた好みに切ってください】その1 第一話 ギャンブラー桐谷

28. ギャンブラー桐谷ススムは真面目で勉強熱心なプロの勝負師だ。 ある日、彼の住む田舎町に新しい美容室がオープンした。そこにはとても可愛い人が働いており、桐谷は一目で惹かれていった。これは、ギャンブラー桐谷の一途な恋の物語――二章 あなた好みに切ってください~桐谷進の生き方~その1第一話 ギャンブラー桐谷 鏡を見てふと思う。(髪、伸びたなあ) おれは桐谷ススム。ギャンブラーだ。いつも乗るかそるかの博打を打ってその日暮らしの生活をしてる。性格は温厚でいたって真面目だと思うが仕事内容はギャンブルである。そんなばかなって? いるんだよ、そういう生き方の人間も。 というより、真面目なやつにしかギャンブルのプロはつとまらないと言ってもいい。 ギャンブルで暮らすには勉強熱心で自己管理能力にも長けている必要がある。そういった気質がない場合はギャンブラーなど破滅するだけだ、やらない方がいいだろう。ギャンブラーぶって大博打を好むような奴は普段は他の仕事してる人なんだよ。博打しかしてない奴はみんな真面目さ。 ちなみに、おれの最も好む勝負は麻雀だ。それ程強いわけじゃないが、だからこそコイツだけはやめられない。 去年はおれが日本で最も強い麻雀の打ち手だと思う賤機(しずはた)って奴と一緒にマカオ旅行に行ってみた。奴はやっぱり他のギャンブルも豪運で勝ってたっけな。それでもアイツは麻雀一筋で旅行から帰ったらもう仕事の麻雀しかしない生活に戻った。 ギャンブルなんて全然やらないで、毎日好きな本を読んで、散歩して、勉強と運動をバランスよくやり、庭には野菜を植えて家庭菜園をしてる。そんな奴だから最強なんだろうな。おれも真面目な方だけど、そこまでは真似できねえよ。 で、最近はどのギャンブルもあまり調子が出ないからギリギリまで節約してたらあまりにも髪が長くなってきてた。さすがにそろそろ切るか? 部屋ではカチューシャしてりゃいいけど外にそのまま出るのは抵抗がある。女顔だから余計にな。「さすがに切り行くかあ……」そうぼそっと独り言を言うと玄関ポストにチラシが入ってるのに気付く。新しくオープンした美容室のチラシだった。(駅の反対口から2分くらいのとこだな。ずっと貸店舗だったけど、あそこ美容室になったのか。1500円? まじかよ安っ!) いつも行く近所の床屋へ行くか、近所付き
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第2部 二章【あなた好みに切ってください】その1 第二話 ナガネオさんとの出会い

29.第二話 ナガネオさんとの出会い 美容室『エクセレントヘアー』は外観からは想像できないくらい店内は広かった。「いらっしゃいませ。お名前を記入して待ち席でお待ち下さい」 3人ほどおれより前に待ってる人がいたが、この店内の広さからしてそんなに待たされる事はなさそうだ。────「お待たせしました、桐谷さま。2番へご案内いたします」 ほんの10分待ったくらいで呼ばれた。「本日はありがとうございます。桐谷さまを担当させていただきます長根尾(ながねお)です。よろしくお願いします」「ナガネオさんね。よろしくお願いします」 変わった苗字だな、と思った。それと同時に、とんでもなく可愛いなとも思った。ナガネオさんは少女マンガから出てきたんですか? というくらい瞳がキラキラしてて、背が小さくて、可愛かった。でも、手を見てみると少しベテラン感が出ていた。もしかして歳上なのか? この顔で?「ナガネオさんはこの仕事は長いんですか?」 おれは探りを入れてみた。すると「そうですねー。13年になりますからそろそろベテランの仲間入りかもしれませんねー」 13年?! 明らかに歳上だ。20代のおれより若く見えるが。しかし、手は正直だった。「13年……えっと、ちなみに何歳から働いてらっしゃる? 7歳くらいから英才教育みたいな感じで練習してたんですか?」「え? ……私が20歳くらいに見えるって言ってくれてるんですか? ふふふ、変なお世辞の言い方をするんですね」とナガネオさんは笑った。笑うと余計に幼く見えた。歳上だなんて信じられない。「33歳ですよ。ハタチから働いてるから」「見えないなあ(本当に)」「ありがとうございます。今日はどのくらい切りますか? これだけ長ければどんな髪型にもなれるけど」「ナガネオさんの好みに切ってください」 ふとそんな事を口走ってた。「へっ」「ですから、ナガネオさんがカッコいいと思える髪型にしてください」 長根尾さんは「ふふ」と笑って。「桐谷さんはずいぶんと変わった人ですね。分かりました、では本当に私好みに切りますからね」と言ってハサミを入れはじめた。どんな髪型になるのか楽しみである。 勘違いしないで欲しいのだが、おれはいつもこんなめんどくさい事を言うような客なわけじゃない。こんな事を言ったのはこれが初めてだ。ただ、このナガネオさ
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