30.第三話 住む世界が違う「桐谷さんは何歳なんですか?」「26」「若いのねえ。羨ましいわ」「ナガネオさんには年齢差を感じないけどね。むしろ歳下に見えますよ」「歳下は言い過ぎよお。本当にお世辞が上手ねえ」そう言いながらナガネオさんは嬉しそうにニコニコしていた。「どんな髪型にしよーかなぁー。私好みにしていいんでしょう? アナタ二枚目だから髪型次第では惚れちゃうかも♡」「そりゃあいいや。ぜひともナガネオさんが惚れるくらいカッコいい髪型にしてよ」「いいの~? イケメンだし彼女いるんじゃないの?」「いるわけないだろ。この髪型だよ?」髪は放置していた期間が長すぎてだいぶみっともなく伸びていた。こんな髪型で彼女がいるわけがない。「そっか」「そっかってのも失礼だな」と言って2人で笑った。かっこよく切ってもらおう。──────「はい! できあがりました!」「おーー、ありがとうございます」「クサ○ギキョウをイメージしたんだけど」「あー、言われてみれば」 するとナガネオさんは「ちょっと待ってて」と言って何かを書いた。メモ書きをしている。なんだろう。 そっと見えないようにおれにそのメモ書きを渡してきた。(これ、私の連絡先……。あなたがその気にさせたんだから責任とってデートしてよね)(えっ、ほんとにいいの?)(だって、私好みの理想の男性が誕生しちゃったんだもん♡) こんなことってあるんだ。すごいな。 おれはその日から長根尾舞と付き合うことになった。◆◇◆◇「……という経緯でおれは彼女ができたので次回のマカオ旅行はパス。代わりに賤機(しずはた)でも誘ってやって」と桐谷ススムは悪友の北山ギンジ(通称ジンギ)に話した。 桐谷と北山は毎年定期的にマカオ旅行をする仲である。なら彼女も連れて行けばいいじゃないかと思う人もいそうだが。(マカオって彼女連れとかそういうノリで行く所じゃないんだよね) 少なくとも桐谷には彼女連れで行く所には思えなかった。それは例えるなら風俗嬢の元に自分の彼女と一緒に行くのと同じで、わけがわからない状況になるのだ。「なんだよそれ、そんなことあるのか。おれも今度から床屋のオッチャンに切ってもらうのやめて美容室行ってみようかな」「ジンギさん、なんか最近コンビニにお気に入りの子いなかったっけ? その子はいいのかよ」「
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