40.第三話 変な家 盲牌のシノブとの出会いから数日後―― 桐谷はシノブと出会った雀荘が気に入ってその後も何回か通っていた。 何度も会ううちに分かってきたことだが、シノブはクセの強い男だった。クセが強いとは優しい言い方で、要するに捻くれてるってこと。 そして2人は同い年で、そんな捻くれ者のシノブには優しい桐谷が丁度いい友人だった。 桐谷が麻雀大好きで毎日やる割には下手っぴでセオリーも知らぬということを知ると、シノブはあっという間に上から目線になってきた。シノブだってまだ未熟な半人前だというのに。「たく、なんも知らないんだな桐谷くんは。よし、そんじゃァ俺がレベルの高い雀荘を紹介してやるよ。今夜にも行こう」 連れてかれたのは原木中山駅の近くにある民家だった。「ここだ」「ここだ……って、ただの一戸建てじゃないか」「そう見えるだろ。でもな、これを見ろ」 よく見てみると玄関先の門の所に小さな小さな5センチほどのプラ板がぶら下げてあり【麻雀】と書いてある。(なんだこれ?)「ここは会員制の雀荘なんだ。知り合いがいないといれてもらえない。客のレベルは高いぜ」「なんか、やばい所なんじゃないのか? 大丈夫かよ。おれそんなに大金は使えないぞ」「それは気にすんな」 いざとなれば貸してくれるとか言うのか? 借金なんてごめんだぞ。くれるならいいけど。と思っていたらそうではなかった。シノブは看板となっているプラ板を裏返して見せる。 すると、そこにはこう書いてあった。風速1.1-2 『友』「いつものレートより安いから」「なんだ、意外だな」ピンポン!『はーい。友でーす』「新田です、今日は友人連れてきました」『ありがと~。入って』 桐谷は変な家に入れてもらうことになった。
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