Semua Bab 【牌神話】〜麻雀烈士英雄伝〜 賛: Bab 41 - Bab 50

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第2部 二章【あなた好みに切ってください】その2 第三話 変な家

40.第三話 変な家 盲牌のシノブとの出会いから数日後―― 桐谷はシノブと出会った雀荘が気に入ってその後も何回か通っていた。 何度も会ううちに分かってきたことだが、シノブはクセの強い男だった。クセが強いとは優しい言い方で、要するに捻くれてるってこと。 そして2人は同い年で、そんな捻くれ者のシノブには優しい桐谷が丁度いい友人だった。 桐谷が麻雀大好きで毎日やる割には下手っぴでセオリーも知らぬということを知ると、シノブはあっという間に上から目線になってきた。シノブだってまだ未熟な半人前だというのに。「たく、なんも知らないんだな桐谷くんは。よし、そんじゃァ俺がレベルの高い雀荘を紹介してやるよ。今夜にも行こう」 連れてかれたのは原木中山駅の近くにある民家だった。「ここだ」「ここだ……って、ただの一戸建てじゃないか」「そう見えるだろ。でもな、これを見ろ」 よく見てみると玄関先の門の所に小さな小さな5センチほどのプラ板がぶら下げてあり【麻雀】と書いてある。(なんだこれ?)「ここは会員制の雀荘なんだ。知り合いがいないといれてもらえない。客のレベルは高いぜ」「なんか、やばい所なんじゃないのか? 大丈夫かよ。おれそんなに大金は使えないぞ」「それは気にすんな」 いざとなれば貸してくれるとか言うのか? 借金なんてごめんだぞ。くれるならいいけど。と思っていたらそうではなかった。シノブは看板となっているプラ板を裏返して見せる。 すると、そこにはこう書いてあった。風速1.1-2 『友』「いつものレートより安いから」「なんだ、意外だな」ピンポン!『はーい。友でーす』「新田です、今日は友人連れてきました」『ありがと~。入って』 桐谷は変な家に入れてもらうことになった。
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第2部 二章【あなた好みに切ってください】その2 第四話 原木中山での戦い

41.第四話 原木中山での戦い 店内(なのか?)は普通の家で6畳の和室と洋室が廊下を挟んで入り口が向かいあわせになっており、そのどちらの部屋にも麻雀卓が1卓置いてある計2卓の作りだった。 お客さんは和室の方にばかりいて洋室は待っている人が1人いるだけだ。 その待っている人の座ってる奥にショーケースのような冷蔵庫が1台置いてあり飲み物がたくさん入れてあった。多分これはサービスドリンクなのだろう、よく見ると『ご自由にどうぞ』と書かれた紙が貼ってあった。コーラとオレンジの200ml缶とアイスコーヒーの微糖/無糖。 その上の段には栄養ドリンクがいくつかあった。『リポC/オロD各200円 栄養ドリンク各種500円』と書いてある。 ショーケースの横にはテーブルがありそこにコーヒーメーカーとポットと急須が置いてあった。どうやらホットコーヒーと熱いお茶も飲めるようだ。「いらっしゃい新田くん。こちらの方は?」そう言って出てきたのは60代前半くらいの女性だった。彼女がこの店の店主のようだ。「明子(あきこ)さんこんにちは。こいつは最近知り合った友達。麻雀やりたいって言うから連れてきた。粗相するようなレベルの奴ではないから安心していい」 いつの間に友達になったんだ。と思って聞いていたが、まあいい。「はじめまして、桐谷です。よろしくお願いします」「キリタニさんね。はじめまして。うちのルールは割と普通なんだけど、ただアガリ連荘だからそこだけ気を付けて下さい。一本場は1500点の鳴き祝儀です。他には特殊なルールはありませんね。ちょうどゼロは飛びですのでお気を付け下さい。うちはツーレートの店なんですが、半荘戦と東風戦のどちらになさいますか」 半荘戦というのは一般的な麻雀であり前半戦4局後半戦4局を戦うこと。これを半荘といい、1ゲームあたり45分ほどかかる。それを半分にして前半戦だけで終わりにしたのが東風戦と言う。「じゃあ僕は半荘戦にします。シノブは?」「俺は東風戦をやる」「わかりました、少々お待ちください」 そう言うと『友』の店主は和室の方で打ってる人に話しに行った。「ジローさん! お客さん来たから東風戦できるわよ。東風やるわよね」「おう、そしたらコレで抜けるよ。いま丁度オーラスだから」 こうして僕は半荘戦。シノブは東風戦を打つことになった。「こちらは当店
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第2部 二章【あなた好みに切ってください】その2 第伍話 歴戦の雀士

42.第伍話 歴戦の雀士カラカラカラカラ…… 前回トップを取ったと思われる若い子がサイコロボタンを押す。トップがゲーム終了後にサイコロをふって出た目が次回の起家になるシステムを採用しているようだ。6と3の9「おれが起家ですね」 そう言うと若い子は一言「お願いします」と言い一礼してからまたサイコロを振った。礼儀がいい。こちらも一言「お願いします」と言い一礼。他の2人も「お願いします」と一礼していた。これは先程のはじめましての挨拶で行った「よろしくお願いします」とは違い、同じ卓で試合を行うことへの一礼。ずっと同じ面子だといちいちやらないが新しい面子が加わる時はその都度その4人で一礼するのが一般的な雀荘の慣わしだ。 我々雀士は他人同士でコミュニケーションを取るのだから礼儀は知らなければならない。雀荘で遊ぶには最低限のマナーが備わった紳士淑女である必要があるのだ。「リーチ」ストッカチャリ 若い子からのリーチ。この所作だけでわかる。只者ではないと。 無駄のない最低限の素早い発声。小さ過ぎず大き過ぎない声量。さらに、静かに『置く』宣言牌。発声→打牌→千点供託という間違いない手順。 そしてこの落ち着いた佇まい。歴戦の雀士であることは容易に想像ができる。きっと職業で麻雀を打ってきた男なのだろう。このリーチの中身が見てみたいが、一撃で致命傷になる破壊力を持っているかもしれない、そんな雰囲気もあったのでオリを選択。(情けねー。ドラ対子のイーシャンテンなのに押せないとは…… しかし、彼はきっと強いからな……)「ツモ」 数巡後涼しい顔で若い子がツモアガった。一一一二二二44455白白 赤5ツモ「16000オールの5枚です」(なっ、なにィ!?) 1000オールでもツモったかのような顔で彼はなんと役満をアガったのだった。
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第2部 二章【あなた好みに切ってください】その2 第六話 戦闘意思

43.第六話 戦闘意思 東1局から親の役満ツモがあったから持ち点は9000点。トップとの点差が64000点差の二着目? なんだそりゃ。しかし、まだゲームは始まったばかり。この勝ち目のほぼない旅をそれでも気力を切らすことなく突き進まないといけない。それが麻雀なんだ。※今でこそコールド(天井点数)という制度がフリー雀荘には必ずあるが当時はそんなものは無い店の方が多かった。 そこで問われるこの形。桐谷手牌六七赤⑤⑥11234678中 中ツモ ドラは中の5巡目南家だ。今ちょうど西家が中(ドラ)を切った瞬間に重ねた中だった。同巡に合わせて捨てちまおうと思った時に重なったわけだが。これをどうするか。 アタマを取り替えて進めば満貫リーチが打てるのはわかってる。だが、現状3名同得点の二着目。この状況でリーチを打つリスクを方針に入れていいものか? 確かに天井点数制は無いから不安要素は少ないが、しかし親満のロンがかかれば飛びでゲーム終了になるのだ。そうなると自分が打ったらもちろんラスだし西家や北家が親満放銃だとしても三着終了にされてしまう。 役満ご祝儀だけでも大きなマイナスを既にしているのに更なる支払いをたかだか10分程度でする訳には行かない。なんせまだ夜は長いからな。 だが……。打1 それでもおれは1索を捨てた。決意の選択! 弱気にドラ対子落としなんてやってたら相手のペースだ。おれは断固戦う! その意思をこの局に込める……! すると親が打5(良い子だ。それを待ってたぜ!)「チー」打六次巡 ツモ⑦打七 そしてさらに次巡……「ツモ」赤⑤⑥⑦12378中中(45チー6) 9ツモ「2000.4000は2500.4500の1枚」 四暗刻をツモった若い子は(うっ! やられた)という顔をしていた。(ふふっ。察するにこの9索は578から5を捨てたことによるダマのテンパイかイーシャンテンってとこか。喰い取られるわ満貫ツモられるわでさすがにダメージがあったようだな……よーし! まだまだこっからだ!)──── ただの満貫の1枚をツモっただけ。しかし、桐谷の気力を充実させ、トップ目を多少なれども不安にさせるという大きな意味のあるアガリが炸裂したのであった。
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第2部 二章【あなた好みに切ってください】その2 第七話 営業係

44.第七話 営業係「ツモ」 次局は桐谷がリーチツモの1000オールをツモアガリする。と、そこで卓が点滅している。「あれ?」「すいませーん! トラブルでーす」 すると明子さんが直しにきてくれた。「はいはい、ちょっと待ってね」『友』で使用している麻雀卓は非常に古い型で店主にしか直し方が分からなかった。 卓を直している間に若者はトイレに立ち、桐谷は待っている間にこの店について質問してみた。「ここはなんで民家をそのままみたいな作りをしてるんですか?」「元々は雀荘をやりたいっていう友幸(ともゆき)の夢から始まったんだよな」とお客さんのひとりが会話に入ってきた。「友幸さん?」「私の旦那よ、もう天国に行ってしまったけどね」と明子さんが言う。「友幸はサラリーマンをやってる普通の会社員だったんだ。でも、ある時このままの人生で終わりたくないと思ったんだとさ。意を決して残りの人生好きな仕事をしようと決めたんだ。子供も居なかったからな、それなりに蓄えはあった」「おじさんは友幸さんの友達だったんですか?」「ああ、おれも友幸も麻雀が好きだったからな。麻雀は酒もタバコも競馬もパチスロもしない友幸の唯一の趣味だったかもしれない」ガラガラガラガラ……ガッシャ! ウイーン「はいこれで直ったわよ。お待たせしました」 若者もトイレから戻ってきたのでゲームを再開する。「友幸はフリー雀荘よりも競技麻雀に興味があった。ハイレベルな打ち手はハイレベルな相手と打てるようにリーグ分けされていることを好んだんだ。だから、ここはフリー雀荘というより、強者しか呼ばれない空間として存在してるんだ。そういうつもりで作ったからひっそりとしてるんだよ」「まあ、あの人はここを完成させるなり交通事故で逝ってしまったわけだけど、2人で夢見て一生懸命作った場所だから私が営業することにしたのよ」「そんな店に僕程度の打ち手が来て良かったのかな……」 桐谷は麻雀が好きな気持ちは自信があるが腕にはまだまだ自信は持てないでいた。「大丈夫よ、新田くんが呼んだなら。彼はここの営業係をしてもらってるの。彼が認めたなら問題ないわ」  なんと、新田忍がまさかそんな係をしていたとは。 自信が持てないでいた自分の麻雀がプロに認められたような気持ちになり桐谷はとても気分が良くなった。
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第2部 二章【あなた好みに切ってください】その2 第八話 麻雀の職人

45.第八話 麻雀の職人 勝負事というものは『気』が充実しているかどうかも大事で、何が言いたいかと言うと今、おれは気分を良くしたので気力が100%充たされてるってこと。なんというか、急に強くなったような気がする。「ロン」桐谷手牌4赤566678(123)(中中中) 9ロン「12000は13500の1枚」「なっ?!」 若い子は狼狽していた。この「なっ!?」はつまり(9索は前巡に対面も捨てたじゃないか! この点差で※アガ2してくれないのかよ……!)という意味だろう。うん、普段ならロンかけてたんだけど、ちょっとさっき気分良くしたからさ、ギリギリまでトップ狙いたくなってたんだよね。素人の気まぐれにやられたな。ついてなかったね、オニーサン♪「あれ? もうこれ親満ツモで捲れるんじゃないか? 場千五(一本場1500点)の恐ろしい所だなぁ」と下家が言った。あら本当だ。おれは気付いてなかった。(19000点差まできたかー)くらいしか思ってなかった。それは4000は5000オールで1000捲るということだ。まあ、誰も飛ばないから一時的に、ではあるが。 しかし……「リーチ!」 その下家からリーチが入った! これなら捲ってこの局で逆転勝ちのパターンがある。そしておれは満貫のイーシャンテンになっていた。 若者の顔が(やばいやばいやばい。そこからのリーチはやばい)と言っているようだった。「リョースケくん。顔に出てるぜ。やばいやばいって」と下家さんが笑う。この若者はリョースケと言うらしい。うん、リョースケくん、顔に出てるよ。 「いやあ、多分凌げない気がして…… たはは、親役満から始まったのに追い詰められてて、恥ずかしいな」「それでも職人かい、頑張れよ」 リョースケは麻雀の職人だったようだ。なんだろうそれ? プロってこと?「そう言われてもぉ」 そこにおれもテンパイを入れる。ドラ1イーペーの高めツモれば満貫だ。「リーチ!」「やばあ!」 慌てるリョースケ。腹を括っている三着目やラス目よりトップ目の方がつらい場面っていうのがある。もはやリョースケは祈っているようだった。南家の方が勝ちますように! と。 すると、その祈りは…… 届くもんなんだなー。「ツモ!」下家手牌二三四567白白白発発発中 中ツモ「リーヅモ小三。3000.6000は4000.70
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第2部 二章【あなた好みに切ってください】その2 第九話 ギャンブラーという人種

46.第九話 ギャンブラーという人種 東場が終わり南入したそのタイミングで勢いよく大地が『ドン!』と縦に揺れた。「わわっ! 地震だ! デカいぞ!」 直下型地震だった。震度5くらいだろうか。大きな縦揺れでサイドテーブルの飲み物が倒れた。しかし麻雀牌はと言うと……ガッシリ だれか指示したわけでもないのにおれ含め全員が自分の手牌を伏せて自分の前の牌山を倒れないように押さえていた。誰一人避難しようとかはしていない。バカである。 それどころか東風戦の卓の方などは揺れが弱まるやいなや片手を離して手牌を全員伏せたまま盲牌でゲームを続行したのである。(スッゲ…… 誰も手牌開いてないよ。ていうか少しは確認しないのかな)「リーチ」(げえっ! 新田のやつ。伏せたままリーチまでしたぞ!) こちらの卓は揺れが収まってきたので溢れた飲み物を拭いたり、ハンガーごと吹っ飛んだ上着を拾い上げて綺麗にはたいたりと、ゲーム再開はまだせずに小休止にしているのに。 東風戦をやる奴らはせっかちだと聞いてはいたけど、それにしてもなんて連中なんだ。サイドテーブルにぶちまけたコーヒーが気にならないのだろうか。「一発、ツモッ」新田手牌二三四①②②③③④4588 3 ドラ⑤ 裏ドラをめくる。②筒だ。「裏裏でハネセンゴ」「ハネセンゴだあ? 新田おま、ふざけんなよ。その3-6索待ち、場に5枚切れてんだろが! 普段それリーチしねえやつじゃねえか」「伏せたままテンパイしてリーチっていうのがカッコいい気がしてやったんだろ。それ以外理由ねーもんな。マジで迷惑なタイミングで揺れやがって。地震ぶっころす」「おいおい、そんなくだらない理由でおれは6000失点するのかよ。揺れてなきゃピンヅモの700失点で良かったものを」「ふふふ。天はおれに味方した!」「どっちかってーと天じゃなくて地だけどな。味方したの」(たしかに)「とにかく、3000.6000の3枚っす」「ついてんなぁ新田くん」 東風卓で新田がラッキーハネマンをツモったのを見届けると東南卓もゲームを再開した。 余震はあったが始まってしまった戦いを最後までやり切らないという選択肢はここにいる誰にも無い、というより思い付きもしない。それがギャンブラーという人種なのだった。
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第2部 二章【あなた好みに切ってください】その2 第十話 あえてのハイテイ回し

47.第十話 あえてのハイテイ回し 地震による小休止があったがリョースケの南場の親番からまたゲームは再開された。しかし、どこか緊張は緩みリョースケはふと無造作にドラの⑧筒を捨ててしまう。すると「ポン」(あっ、しまったーーって言ってもこんなん持ってらんねえのも事実。結局いつか切るしかないんだし、まあいいか)という顔をしている。瞬間の表情変化だが、おれにはそう見えた。 その数巡後――「リーチ」 リョースケの攻撃だ、そりゃそうだろう。ぐちゃぐちゃからドラを切ってきたわけはないのだから。しかし!「ポン!」 西家も負けじとポンで参戦! ドラポン者もいてリーチ者は親だと言うのにだ。さすがはこの店で打つことが許されているメンツだ。そう簡単に降りてくれない。 だが3人が前に出てきたにも関わらず当たり牌は北家に吸収されていき、決着がつかないまま終盤になっていった。 親のリョースケの最後のツモ番――ツモ5 5索はリョースケもおれも捨てている牌である。打5 この時どこかホッとした表情をしたのをおれは見逃さなかった。「チー」打8「えっ!」 一度は捨てた牌をチー。しかもそれによりリーチしてる親にハイテイが回る。こんな鳴きってアリ? みんなそう思ったと思う。しかし、おれには自信があった。(これは鳴いた方がいい)と。「変な牌持ってくるなよ~」とリョースケは言いながらハイテイ牌を引く。 最後のツモは大きなピンズの感触。これはわかりやすい。盲牌でもすぐわかる①筒だ。おれの仕掛けはタンヤオ本線なので(これは大丈夫だな)とリョースケは安心して切る。が。打①「ロン!」「まじすか!?」桐谷手牌六六②③567(45チー6)(⑧⑧⑧)    ①ロン「8000」「そっ、それ。前巡の5索チーってしなくてもテンパイしてたやつじゃないですか??」 そうなのである。5索は鳴く前も456678でテンパイしていた。それをわざわざ鳴いてさらに親にハイテイを回したのだ。「①はまだ山にあると思った。でもハイテイならアガれるけど北家さんは降りてるから期待できませんよね。なら自信なさげなリーチ者にハイテイ引かせちゃえばチャンス広がるかなって」「やられたー」39000点対30000点 ついに9000点差まで追い詰めて受け取った配牌は――「リーチ」 ダブリーだった。
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第2部 二章【あなた好みに切ってください】その3 第一話 見る楽しみ

48.ここまでのあらすじ ギャンブラー桐谷進は新田忍という若者に誘われて原木中山(ばらきなかやま)駅へと行った。そこには民家を改造した雀荘があり、腕を認められた打ち手しかここには誘われないという。気を良くした桐谷は調子良く打っていたが、そこに大地震が発生した。【登場人物紹介】桐谷進きりたにすすむ主人公。プロのギャンブラーではあるが麻雀だけはまだ未熟。最近はちょっと上手くなってきたかも?長根尾舞ながねおまい桐谷の彼女。美容室『エクセレントヘアー』のスタッフ。背が低く、顔立ちも幼いので若く見られがちだが実はエクセレントヘアーいちのベテランである。新田忍にったしのぶ紹介制雀荘である麻雀『友』の営業係。いい腕してるなと思った人を誘ってくる役。盲牌が得意で手先の感覚が常人離れしている。その3第一話 見る楽しみ 気がついたら長根尾舞からの着信が何回もあった。それはそうだ、大地震だったのだから。「ちょっと、電話してきていいですか」「あ、じゃあおれも」「おれは帰ってこいってさ。今日はもうだめだ」「ま、この大地震じゃね。お開きにしますか」「まだ余震もあるしね」 そんな流れで桐谷の方の卓は潰れてしまった。一方、新田の打っている東風卓は麻雀狂いの集まりなのか地面が揺れたところで解散するような連中ではなかった。 桐谷はマイに連絡を入れようとしたが電話が繋がらない。回線が混み合っているのだろうか。よく見たらマイからメッセージが届いていた。“無事なの? 私は大丈夫。心配してます” 通話がいつまで経っても繋がらないのでメッセージだけ残すことにした。“おれは大丈夫、全く問題ない。マイが無事なら安心した”  しかし、どうしたものか。桐谷の家まで帰れる終電はもうない。(ま、いいか。とりあえずここで待つことにしよう)「すいません、後ろ見ってしてていいですか?」「椅子に座って少し離れた位置から見る分にはいいですよ」 そう言うと明子さんは丸椅子を持ってきてくれた。桐谷は新田の手を見て勉強することにしてみた。東3局親 新田16800点持ちラス目の配牌新田手牌 切り番二三四②③③④④⑥⑥3446 ドラ②打6 とんでもない配牌が来てる! しかし…… 下家の配牌が酷すぎて、それゆえに下家は逆についていた。下家 43000点持ちトップ目配
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第2部 二章【あなた好みに切ってください】その3 第二話 脚本家

49. 第二話 脚本家 「――というわけで昨日は朝まで麻雀観戦してたんだ」「朝までずっと? 見てるだけでそんなに楽しいの?」「見てるだけって言うけど、麻雀はむしろ見てる側の方が楽しいこともあるんだよ」  それは本当にそうで、今回のトップ目が配牌10種を流さなかった局も、後ろ見していたから(あ、流局だ)と絶望してからの11種目を第一ツモで引いたことによる流局回避だったと知ることができるわけである。手が進んだことによって無いはずの局が生まれたなんて面白いじゃないか。 「まあ、とにかく何だっけ? ニッタさんって言ったかしら。仲のいいお友達ができて良かったわね。でも、私のことも忘れないでよ。同棲するって話も忘れてないよね?」 「もっちろんだよ。物件探しはマイの次の連休に合わせるつもり」「やった! 約束だよ?」「うん、約束だ」 ────── ピロン  新田からメッセージが届いた。 “よう、おれの麻雀は面白かったかい? ところで、桐谷君が麻雀を見るのが大好きってことは今回で理解した。そこでだ、そんな桐谷君にピッタリの仕事があるんだが、興味あるかい?”  仕事の話か。でも、麻雀観戦が好きだとピッタリな仕事ってなんだ。わからないが、新田は悪い奴じゃない、きっとまともな仕事な気がする。  “その仕事。ちょっと興味がある。詳しく”と桐谷は返信した。すると――  ピロン “麻雀のビデオドラマ作成スタッフが足りてないんだ。見てる側が興奮するよう
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