All Chapters of 【牌神話】〜麻雀烈士英雄伝〜 賛: Chapter 51 - Chapter 52

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第2部 二章【あなた好みに切ってください】その3 第三話 富士の萬屋

50. 第三話 富士の萬屋  おれはアイデアを得る為に兎にも角にも雀荘へと行った。凄腕の麻雀を見ていれば何かひらめくかもしれない。 というわけで、今日は並木さんが働いているという雀荘『富士』に行ってみることにする。  ──── 「いらっしゃいませ!」  元気よく挨拶をしてきた人物はまだ若く見えるがこの店を仕切っているようだった。並木さんもいた。 「お、いらっしゃい。久しぶりだね、桐谷さん」「並木さん、お久しぶりです。今日は麻雀を打つより後ろ見がしたいんですが……いいですか? もちろん、多少は打っていくつもりですけど、並木さんの麻雀が見たくて」  後ろ見は基本的に禁止している店がほとんどだ。断られても仕方ないが……どうだろう。  すると。 「私と並木さんの間からなら見ても構いませんよ」と店主らしき男が許可をくれた。 「あ、ありがとうございます」  場面はもう南入していた。店主と思われる男は持ち点が少なく、オリてはいられない場面。しかし、北家が役の見えない仕掛けをしていてテンパイ気配。そこに最も危険と思われる生牌の北を引かされてしまった。ドラは①。 店主手牌 南家三三四四伍六④⑤34678 北ツモ (この手、北は押すのかな? かなりの確率で北がもう当たりな感じだけど、でも、オリててもジリ貧なだけ。どうする) 打四 (保留ね。北はさっさと切るもなにも、もうテンパイしてそうだもんね。テンパイしてから腹くくって勝負か)
last updateLast Updated : 2026-04-12
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第2部 二章【あなた好みに切ってください】その3 最終話 好みの切り

51.二章 最終話 好みの切り その後も桐谷は萬屋や並木さん。新田や椎名といった一流や超一流の打ち手の後ろ見をして徐々に作品を作っていった。 彼らの麻雀は本当に面白かった。ある時は3面待ちになれるものをシャンポンに受けて狙い撃ちしたり、ある時はとんでもない遠距離から仕掛けてチンイツに仕上げたりと魔法のような麻雀だった。 彼らの麻雀を見てからというもの自分が麻雀をしてる時もただ漫然と打つのではなく彼らだったらと考えて、どうすれば彼らの麻雀に近いだろう。何を切ったら劇的展開になるだろうという事ばかりが頭に浮かぶようになった。 作品作りを頼まれて以来、家にいても仕事してばかりになった桐谷。「ススムくんまた仕事してるの? ずいぶん勤勉になったわねえ」「元からだよ。凝り性なのは生まれつきさ。ただそれが今まではギャンブルに凝ってただけ」「まあ、真面目に働いてくれて良かったわ」「今までは真面目にギャンブルしてたからなぁー」  そして月日は流れて……「できた! ビデオドラマ完成だ。記念すべき第1作目!」「タイトルは?」「『雀荘流浪物語』だ」「なんか、ちょっとそのタイトル男臭すぎじゃないですか? ラブコメ要素もある内容でしたよね」「じゃあどんなならいいんだよー」「えっ、分かんないけど。もっと平仮名を入れるとか?」「『雀荘るろう物語』とかか?」「あ、少し良くなった気がする!」「雀荘ってのがあまりな~。雀荘抜くか」「『るろう物語』じゃ何の話か分からんな」 あーでもない、こーでもない、あーだこーだ タイトルがイマイチ決まらず話し合いは延々と続いた。そして。「よし、もういい、各自の宿題にしよう。家でゆっくり考えることにして今日は解散!」──────後日「タイトル決めてきたかー?」 タイトルの発表会が始まった。 色々な案が出たがどうにもイマイチ。各々が考えたタイトルはどれも満場一致するような全員がピンと来るセンスのものは出なかった。そして桐谷が発表する番になった。「タイトルは『あなた好みに切ってください』略して『あな切り』です」「ほう、そのこころは?」「はい、この麻雀ドラマは毎回絶妙なバランスの手をクローズアップしてます。正着打の追求ではなくプレイヤーの個性が光る一打を取り上げて作ったそれがこのドラマの見どころなはずです。つまり
last updateLast Updated : 2026-04-13
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