Semua Bab 男装令嬢の恋と受胎~国一番の顔面偏差値を持つ隠れ天敵な超絶美形銃騎士に溺愛されて幸せです~: Bab 21 - Bab 30

35 Bab

21 あなたに捧げる 

 気を失うようにしていつの間にか眠っていたフィオナは、ギシッとベッドのきしむ音と誰かの気配で目を覚ました。  そこにいたのはジュリアスだったが、眠る前と同じ下着姿のままのフィオナとは違い、ジュリアスが銃騎士隊の隊服を着込んでいるのを見て、少し違和感を覚えた。 「……帰るの?」 「帰らないよ」  帰還のためにジュリアスが自分を起こしたのかと思ったが、否定で返ってきた。  それどころかジュリアスが先ほどの魔力補充の時の甘やかな表情とは違う、笑みを全く浮かべない強張った顔をしていたので、何かよくないことが起こったと悟ったフィオナは、寝ぼけた状態から頭を覚醒させ、銃騎士としての緊張感をもってジュリアスを見つめた。 「フィー、戦況がとても悪いんだ」  先ほどの濃いめの魔力補充でフィオナが寝た後、おそらくジュリアスは戦いの場に戻り戦闘に加わっていたのだろう。敵は獣人王シドが率いる獣人の集団で、これまでとは戦闘の苛烈さが異次元だ。シド一人の手により何人もの銃騎士が死の淵にいるという。  ジュリアスは暗い顔で状況を説明しながら、上体を起こしたフィオナの下着に手をかけた。  許可を問われはしなかった。これから行われるのは強制的な行為だ。  仲間の命が懸かっているのだから、元よりフィオナに否やはない。ジュリアスには、瀕死の仲間を回復させてシドたちを退けるだけの強力な魔力補充が必要だ。  下着のホックを外されて、ジュリアスにはずっと隠していた胸部が空気にさらされる。  フィオナは魔力補充が始まってから、ジュリアスに求められれば全裸になっても構わないと腹をくくっていた。  フィオナの小ぶりな両胸に、ジュリアスの手が触れる。乱暴なことはしないジュリアスの手が胸を揉む動きは優しくて、それでいていやらしい。 「あっ…… ん……」  ジュリアスの指がフィオナの乳首を刺激すると、下腹部にまで走るような甘い疼きが生まれて、フィオナの口から女の声が漏れた。 「ごめんね」  初めての胸へのマッサージが気持ちよすぎて、反射的な涙を流しながら喘いでいると、情欲をにじませつつも申し訳なさそうな表情をしたジュリアスに謝られた。  何だろうと思えば、快感に呑まれて気づかなかったが、彼の手が片方、ショーツに触れていて、脱がせる意図をもって下の方に軽く引っ張っている。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-26
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22 俺以外を好きにならないで

「責任を取りたい」  シド率いる獣人たちとの戦闘――死者は出なかった――を終えて戻ってきたジュリアスは、過激な魔力補充の後にホテルのベッドで休んでいたフィオナの元へ戻るなり、毛布にくるまっていた彼女を大事そうに腕の中に抱えながらそう言った。 「フィーも何となく感じていると思うけど、俺たちのやっていることは、仕事上における『魔力補充』の範囲を大きく逸脱している」  フィオナも本当は、キスをした時点で仕事ではなくなっていたような気もしていたので、うなずいた。 「女の子の体にあんなことをしてしまったんだから、俺はそれに見合う償いをしないといけない。貴族である君の将来にも影響があることだ」  貴族にとって結婚とは義務のようなところもある。ただこの国では、「獣人の番にされないために初体験は早い方が良い」という風潮があり、性に奔放な傾向もあって、結婚の際に処女じゃなくてもそれほど非常識とは思われない。状況にもよるだろうが、それは貴族でも同じだ。  それに、そもそも厳密には自分たちはまだヤってない。キスやお触りその他はされたが、未だにフィオナの処女膜は温存されているのだから、ジュリアスがそこまで責任を感じる必要もない気がする。しかしそのことについて話をしてくれるジュリアスは、フィオナを大切にしようという姿勢が見えて、とても誠実だと思った。 「俺ができることなら、なんでもしたいけど――」 「けど?」  有言実行男が「責任を取る」と言うのだから、『婚約が本物になるのかも!』という期待が頭に浮かびつつも、「けど」という逆接の表現が引っかかったフィオナは、神妙な面持ちで沈黙しているジュリアスの、言葉の続きを促した。 「フィーのことは好ましく思っているよ。君は本当に素敵で勇敢で魅力的で、閉じ込めておきたいくらいに可愛くて素晴らしい女性だ。でも…… 結婚はできない」  賛辞の言葉――途中の「閉じ込めたい」には少し「?」となったが――を受けて気分が盛り上がった直後の、ジュリアスの「結婚できない」発言である。フィオナの胸中も表情も、ズゥゥンと地の底にいるかのように沈み込んだ。 「フィーが悪いんじゃない! 俺には結婚願望がないだけで、すべての原因は俺の方にある!」  隠していたつもりだったが、フィオナがジュリアスを好きなことは既に見抜かれていた様子で、それを踏まえての発言
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-26
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23 誕生日プレゼント 

「あっ…… はぁっ…… ああっ……」 全裸になったフィオナは横たわるジュリアスの上にまたがり、美陰茎の裏筋に自らの秘裂を当てて、恥丘の谷間で愛しい人の肉棒を包むようにしながら、吹き出す愛液を潤滑油にして前後に腰を動かしていた。 お互いの敏感な場所が擦れ合う度にクチュクチュと淫靡な音が鳴り、ジュリアスの大きなものとフィオナの自重の間で潰れたクリトリスから、ジンジンと波のように強弱のついた快感が押し寄せてくる。 初めてジュリアスの前ですべて脱ぎ、「両片思い」状態を確認した後、フィオナは魔力補充のたびにジュリアスに気持ちよくさせられる生活の虜になっていた。 二番隊のトップと同じ位置にいる彼らは、魔力補充以外の仕事も多く、様々に巻き起こる激務に追われているうちに、二人の両片思いの関係性を進展させる暇もないまま、あっという間に一年ほどが経過していた。 現在は年も明けて二ヶ月ほどが経過し、冬の寒さも和らいで春の気配が感じられるようになっている。 とはいえ裸ではまだ寒い季節だが、ジュリアスが魔法で室温を調整してくれているのと、魔力補充で体も温まるので、不都合はほぼ感じない。「あっ、あぁっ、あんっ…… ああっ……! ああぁっ……!」 自分で動くフィオナは、ジュリアスにしてもらう時よりも時間をかけてゆっくりと上っていく絶頂への感覚を味わっていたが、こちらを愛しそうに見つめてくるジュリアスの視線にも快感を覚えて、喘ぎを強めた。 フィオナは騎乗位が結構好きだった。コンプレックスである小さめなおっぱいでもよく揺れるので、下からこちらを見上げているジュリアスに、おっぱいの存在を強く主張できて、かつ、「もしかしたらちょっと大きく見えているのでは?」という気がするからだ。 前にジュリアスに胸の好みの大きさを聞いた時は、「大きさは関係なくて、フィーの胸だから好きだよ」と優しいことを言ってくれたが、嬉しい反面、本当に彼が満足してるかはわからないなと思った。胸を大きくしたいのはフィオナの一つの課題だった。「はっ! もうっ! イく……! あッ! イっちゃうぅっ!」
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-26
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24 恋人関係へ

 指折り数えてやってきた成人の日、実家キャンベル伯爵家での成人の祝いも延期してほしいと頼み込み、ジュリアスとのめくるめく愛の初体験を期待するフィオナは、二人してもぎ取った休暇で「外国デート」を楽しんでいた。 隣国の公爵である大叔父の支援をぶん投げて、海外生活を棒に振ってしまったフィオナは、これまで一度も国外に出たことがなかった。銃騎士をしている間は無理だろうと思っていたが、通常何日もかかる移動が、転移魔法があればほぼ一瞬ですむこともあり、フィオナは初めて祖母キャスリンや亡き母の故国を訪れた。 フィオナはジュリアスと共に朝から大はしゃぎで隣国の観光名所を巡った。 出会った時は十代後半だったジュリアスも、この数年で完全に大人となり、何もせずともそこにいるだけで垂涎ものすぎる色気をまき散らすようになった。 慣れていない者はジュリアスの笑顔を見ただけで倒れる危険性があるため、彼は色眼鏡をかけて目元を隠していた。 ジュリアスは自国では狂信者と呼べるほどに過激なファンがいるため、婚約者とのラブラブデートなんて目撃されたら暴動が起こりそうなものだが、隣国では彼の存在を知らない者も多いため、せいぜい神懸りイケメンを目撃してその光り輝く存在に涙したり、魂を抜かれて呆然としたり、度肝を抜かれる者がいる程度だった。「獣人、奴隷……」 ファンに襲撃されない楽しい時間を過ごした後、日が落ちかけている橙色の空の下で、綺麗な夜景が見られるという山の中腹を目指して二人で手を繋ぎながら歩いていると、同じ場所を目指しているらしき、貴族を含む集団が道の先を移動している場面に出くわした。 馬に同乗し、恋人の語らいをしながら道を進む貴族カップルの後ろを、数名の従者が徒歩で付き従っているが、そのうちの一人だけが明らかに大きな荷物を背負わされていた。 自国では獣人は見つけ次第殺処理か銃騎士隊に通報――その後は処刑――が基本だが、滞在中の隣国には「獣人奴隷制度」があって、貴族を筆頭に許可が下りれば獣人を奴隷として所持可能だった。フィオナが荷物を持つ男を獣人だと気づけたのは、彼の首や手足に罪人を示すような金属の枷がはめられていたからだ。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-27
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25 今宵私は最強彼氏に抱かれます?

「お腹すいたよね? 夕食を食べに行こう」  薔薇の花束を魔法で一旦収納し、抱きしめられながら濃厚なキスをされていたフィオナは、この後ホテルに行く展開しか頭になかったが、言われてみれば空腹を感じていたのと、エッチの前にはエネルギー補給も必要だろうと思い、「うん」とうなずいた。 「こっちに」  フィオナは手を引かれるまま、絶景が見られる場所を離れて山の中央部へ向かった。  絶景スポットを離れてしまうと夜の山には完全に人気もなく、幽霊でも出そうな雰囲気だが、ジュリアスに告白されて幸福度が爆上がりしているフィオナには、怖いものは何もなかった。  山の中に隠れ家レストランでもあるのかと思っていたら、少し歩いたところでジュリアスが立ち止まり、地面に手をかざした。 「転移用の魔法陣を作ったから、乗って」  暗いのと地面の草でよく見えなかったが、ジュリアスがそこに魔法陣を描いたようだった。  転移魔法は移動先が遠すぎると一度では移動できないが、魔法陣を使えば、転移魔法を何度も発動しなくても長距離移動が可能だ。  隣国に来る時にも使った移動法なので、フィオナに抵抗はなかった。  ジュリアスに手を取られながら彼の隣に立つと、周囲の景色が一変した。 (あれ?)  一気に明るくなった周囲はどこかのお屋敷の廊下のようだが、ものすごく既視感のある風景だと思った。  何かを言う前に、フィオナの背中に手を添えたジュリアスが、目の前の扉を開けた。 「フィオナお嬢様! お誕生日とご成人おめでとうございます!」  部屋の中には祖母キャスリンやギルバートや、庶子認定されたオルフェスに、無事に生まれたフィリップとの子を胸に抱くオルフェスの妻アリアと、キャンベル伯爵家の使用人たちも勢ぞろいしていた。  皆、拍手をしながらフィオナたちを笑顔で迎えてくれる。 「わあっ! みんなありがとう!」  広間はフィオナの誕生日と成人を祝うために飾りつけが施され、テーブルには夕食として伯爵家のシェフが作ってくれた、豪華な料理や、結婚式と勘違いしそうな高さのあるケーキも用意されている。  伯爵家の皆がフィオナのために準備してくれたのだと思うと、胸がジーンと熱くなって、フィオナの目も涙ぐんだ。  フィオナはジュリアスとのデートのために、実家での誕生会を延期していた。少し罪悪感もあ
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-27
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26 ジュリアスの正体

 ジュリアスはフィオナをベッドに寝かせ、モカが退室した後、愛しい恋人の傍らで彼女の寝顔をじいっと見つめていた。 「兄さん」  照明が届かない部屋の隅からの突然の声を聞き、ジュリアスはどこかホッとした表情を浮かべながら振り返った。 「シー、来てくれてありがとう」  愛称で呼ばれて、家具の影になっている部分から一歩踏み出して姿を見せたのは、「海外で療養中」とされているが、本当は獣人王シドの住まう獣人の里に長らく潜入している、ジュリアスのすぐ下の弟シリウスだった。 「いいんだ、俺も兄さんに会いたかったし」  ニコッと笑う、ジュリアスよりも三歳下のシリウスは、ジュリアスと同じ白金色の髪と、灰色の瞳――フィオナと同じ――を持つ、ジュリアスに面差しの似た超絶美少年だ。  シドの居住地とキャンベル伯邸は、シリウスが一度の転移魔法で移動可能な距離であり、彼はジュリアスの頼みで呼び寄せられていた。  フィオナが成人する特別な誕生日なのに、婚約者と一晩過ごすことを避けるのは、キャンベル伯爵家の者たちに不審に思われそうで、ジュリアスはフィオナと朝まで同じ部屋で過ごすつもりだった。  しかし、夜に二人きりで同じ部屋にいたら、ジュリアスは愛するフィオナへの欲望に抗えず、彼女を抱いてしまうような気がした。  そこでシリウスの登場だ。ジュリアスも弟の前では流石に情欲にまみれた獣にはならない。ジュリアスは信頼する弟シリウスに、自分と共にフィオナと一晩一緒にいてほしいと頼んだ。  ジュリアスはフィオナと恋人になったが、フィオナを抱いて「番」にすることや、結婚するまでの覚悟は、まだできていない。  ――ジュリアスは人間と偽っているが、その正体は、人間の敵であるはずの「獣人」だ。  ジュリアスの実父アークは人間だが、母のロゼが獣人であり、獣人の子は相手が人間でも必ず獣人になるため、シリウスを始めとした弟たちの全員も獣人だった。  これまでブラッドレイ家が獣人一家だとバレなかったのは、彼らに奇跡的にも発現した希少な魔法の力を使って、様々なことを工作してきたからだ。魔法がなければ、自分たち一家は捕らえられて、とっくに全員処刑されている。  父のアークや、長男のジュリアスの職業が銃騎士であることも、隠蔽の一助になっている。  まさか獣人が、獣人を狩るはずの銃騎士になるなどとは、
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-27
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27 ズルい男 

 閉じたまぶたの上から陽の光を感じ、ゆるゆると目を開けたフィオナは、ここが首都のタウンハウスではなくて領地のキャンベル伯邸の自室だと気づき、それから昨日自身が成人を迎えたことも思い出して、『初夜はどうなったの⁉』とハッとして、完全覚醒した。  隣に目をやれば、朝から神々しく輝くジュリアスの白金髪が見えて、彼が背を向けた状態で同じベッドに寝ているのがわかったが、「うーん……」という明らかにジュリアスとは違う声が聞こえてきて、フィオナはいぶかしみながら、ジュリアスの体にかけられていた上掛けを取ってみた。 (ジュリアスが! 分裂している⁉)  見れば、上品に眠るジュリアスにぴったりと寄り添う、彼の少年期を模したような美しい容貌を持つ白金髪の少年が、スヤスヤと寝ていた。  寝起きのフィオナは、『寝ている時のジュリアスって魔法の影響で分裂するのかしら⁉』などと見当違いなことを考えていた。 「寒い……」  二人分の美しい寝姿を見つめていると、上掛けを剥いだことで寒さを感じたらしき少年が、腕を伸ばしてジュリアスに抱き着いた。 「むにゃむにゃ…… 兄さん♡」 (ぐうっ!) 『「兄さん」っていうならジュリアスの弟なの?』と思いつつ、美形男子二人が密着して眠る様子に、フィオナの中の何かがたぎりそうになったが、開けてはいけない扉が開かれる前に、寒いと言っていた少年の方がジュリアスよりも先に目覚めた。  目を開けてフィオナを見つめる少年の瞳の色は、ジュリアスと違って灰色だったので、彼の分裂体ではなさそうだと思った。  上体を起こした少年は「んーっ」と言って伸びをした後に、フィオナに向かって輝くような笑顔で「おはよー」と声をかけてきた。 「お、おはようございます」 「敬語とかいらないよ、仲よくしてね。俺ずっとフィーに会いたかったんだ」  フィオナは初対面なのに愛称呼びされたことに面食らった。少年はかなりフレンドリーな性格のようだ。 「あなたは、ジュリアスの弟さん?」  その親しみやすさが、ジュリアスというよりもセシルに似ているように思いながら、フィオナはたずねた。 「そうだよ。俺は兄さんのすぐ下の弟で、ブラッドレイ家次男のシリウス」  シリウスはそう言って、じーっとフィオナを見つめた。  シリウスもまた、ジュリアス似のトンデモ美形であり、しかもジュリアス
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-28
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28 選択

 教会の鐘が鳴る。  美しい花婿が、純白のウエディングドレスを身にまとって幸せそうな笑顔を浮かべる花嫁をエスコートしている。二人は祝福のフラワーシャワーを浴びながら、階段をゆっくりと下りている最中だ。  フィオナ自身は、いつ自分はあのような花嫁姿になれるのだろうと考えつつ、結婚についての一切を保留にしたままの隣の超絶美形ことジュリアスと共に、銃騎士隊副総隊長ロレンツォ・バルト公爵令息の華々しい結婚式に出席していた。  現在のフィオナは「フィリップ」ではなくて、ロレンツォの親友で同僚のジュリアスの、「婚約者フィオナ」の立場で令嬢として着飾り出席している。  しかし、ジュリアスを挟んだフィオナの反対側には、「ジュリアスの副官フィリップ」がちゃんと存在していた。  フィオナが分裂したわけではなく、男装の秘密を知るレインに頼んで、魔法で「フィリップ」に化けてもらっていた。  季節は気候のよい五月の晴れの日で、フィオナとジュリアスが交際を始めた彼女の誕生日から、既に二年と少し経過している。レインも養成学校を卒業して今年から銃騎士になり、フィオナたちと同じ二番隊に配属されていた。  ジュリアスと交際開始してからの約二年の間、様々なことがあったが、その一つが、「ロレンツォと元婚約者シャルロット・アンバー公爵令嬢の婚約解消騒動」だ。  二人は公には「性格の不一致」で解消されたことになっているが、実際はシャルロットが、ユトという名の従者の男と肉体関係を持ったために、浮気を知ったロレンツォが激怒して解消する流れになったらしい。  ただ、ロレンツォも最初はブチ切れて「婚約破棄だ!」と言っていたそうだが、二人はシャルロットが生まれた時からの婚約者同士で、長いつき合いもあり、「愛は消えたが情はある」と言うロレンツォは、シャルロットの経歴に傷がつくのが可哀想だと思うようになって、後から「婚約破棄」よりも穏便な「婚約解消」に変えていた。  フィオナは「副官フィリップ」でいる時に、執務室にいるジュリアスの元へ突然やって来たロレンツォが、さめざめと泣いて事情や心情を吐露する場面に遭遇したため、裏事情を知ってしまった。  ロレンツォは、シャルロットを大切にしてきたつもりだったのに、自分を裏切って、絶倫らしい従者ユトに何度も抱かれまくっていたことに、「あんまりだ!」と嘆いていた。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-28
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29 ずっと一緒にいるから 

 フィオナとジュリアスの二人は、初体験のためにキャンベル伯爵家の海辺にほど近い別荘にやって来ていた。  魔法陣を使った転移魔法で別荘に着くなり、フィオナは彼女の部屋として割り当てられている部屋まで姫抱きで連れて来られた。使用人もいない時期なので掃除の必要があったはずだが、ジュリアスは浄化魔法一発で部屋を綺麗にすると、フィオナをベッドに下ろして覆いかぶさり、すぐにキスを落としてきた。 「んっ……」  キスをされつつ服の上から体をまさぐられ、気持ちよくなって声が漏れる。ジュリアスの手つきは何だか性急で、余裕がなかった。 「あの、お風呂は?」 「魔法で綺麗にする。早く抱きたい」  キスの合間でたずねてみるも却下の答えだった。本当は、フィオナは本番初体験するならゆっくり入浴してからでも、と思ったが、「抱く」と決めたジュリアスの行動が素早すぎて、喘がされつつ、脱がされるままに彼に身を任せるしかなかった。常日頃から可愛い下着を身につけておいてよかったと思った。  なんでいきなりこんな展開になっているのか、フィオナ自身もよくわかっていない。  いつものように男装してキャンベル家の馬車に乗り、銃騎士隊の本部建物内のジュリアスの執務室に入ったところで、いつもよりも色気のダダ漏れ具合がひどくて、「獣人狩りじゃなくて女百人狩りでも行くのか?」みたいな淫靡すぎる雰囲気をまとったジュリアスが、こちらを待ち構えるようにしてたたずんでいる様子が目に入った。  フィオナは彼を見るなり全身にビリビリとした衝撃が走り、同時に下腹部がキュウン♡ と疼いてしまって、愛液がコポコポと勝手にあふれてくるような、今までにない圧倒的な「女殺し」感を覚えてひどく慌てた。  色気に腰が抜けて尻もちをつきそうになったところで、「瞬間移動でもしたのか?」くらいの速さでそばに来たジュリアスに体を支えられ、反転して壁ドンされて、闇の気配がするジュリアスの青い瞳に射抜かれながら、「結婚はできないけど俺に抱かれて一生一緒にいるか、別れて二度と会わないかを選べ」的なことを迫られた。 「結婚しない」ということはもしかしたら他にも同じような女を何人も作るつもりなのかもしれないと、こと女性関係に関しては厳格なジュリアスに似つかわしくないことを一瞬だけ想像して、でも可能性としてなくはないのだろうと理解した上
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30 結婚しようか 

「あっ…… あっ……」 変幻の指輪を抜き取られて女に戻り、裸にされたフィオナの胸にジュリアスが吸いついてくる。もう片方の胸の先端も指先でピン! と弾かれると、これまでの営みでジュリアスに敏感に仕立て上げられていた乳首から、甘い快感が走って全身に広がっていく。 繰り返し指で弾かれ擦られる片側の乳首と、柔らかな熱い舌で転がされるもう片側の快感が共鳴して、やがて触られていない膣内が、まだ知らぬ肉棒をねだって収縮し始める。「きもちいい……っ もう、イく……」 快感に頭を焼かれそうになっていたフィオナは、絶頂が近いことを知らせながら全身を小刻みに震わせ始めた。すると、ジュリアスが胸をいじっていた手をフィオナの秘部に滑らせ、親指で勃起したクリトリスを刺激しながら、蜜壷の中に指を挿入してきた。「あぁっ! ああっ! イっちゃうぅっ! んああぁっ!」 ジュリアスの指で絶頂させられるのはいつものことだ。フィオナを知り尽くした彼の手で内側の良い所をトントンと刺激されながら淫芽を潰されると、フィオナはブシュッと潮を吹き出しながら達した。 絶頂に翻弄されている最中も、快楽の波から下りてきた後も、ずっとジュリアスは膣内を執拗にマッサージしている。フィオナはまたすぐ次の快感に体を押し上げられて、心の中はジュリアスに愛されている喜びでいっぱいになった。「フィー…… ごめんね、フィー……」 フィオナはこれから彼と一つになれるのが嬉しくて、その反動で明日世界が滅ぶのではないかと思ってしまうほどに幸せだったが、一方のジュリアスは、青い瞳に情欲の炎を灯しながらも、どこか罪悪感を抱えているような表情をしていて、おまけに謝ってきたのがとても気になった。「結婚できなくても、いいの。私はジュリアスとずっと一緒にいられるだけで幸せだから」 結婚できないことを後ろめたく思っているのではと思ったフィオナは、ジュリアスの気持ちを軽くしたくてそう伝えたが、彼は「ありがとう」と言って微笑みを返してくれたものの、完全に憂いが晴れたような様子でもない。「ジュリアス、ずっと思っていたの…… あなたは一体何を抱
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