ANMELDEN【完結】獣人に殺された家族の敵を討つために、兄のフィリップであると偽り、男装して獣人を狩る銃騎士になる決意した伯爵令嬢フィオナ・キャンベルは、国一番のモテ男である超絶美形銃騎士ジュリアス・ブラッドレイに出会って、一目で恋に落ちた。 フィオナは銃騎士になるための協力を得る代わりに、結婚願望がなく女避けをしたかったジュリアスと、恋心を隠して偽装婚約した。 銃騎士になったフィオナはジュリアスの副官に抜擢されたが、ある時、魔法使いであるジュリアスの魔力補充のために、フィオナは彼に唇を奪われる。 男装銃騎士になった伯爵令嬢が、国一番の顔面偏差値を持つ秘密持ち超絶イケメンに墜ちて地獄まで一緒に行く覚悟を持つ話。
Mehr anzeigenSomething terrible happened when Sunyi tried open the warehouse that Zimat had sealed---Sunyi's father---nineteen years ago. The bow and arrows in Sunyi's hands, were forced back into place without being used. As a result, Sunyi was seriously injured, her chest was torn open, and Sunyi collapsed, covered in blood. Her condition was critical due to heavy blood loss.
Sawedang managed to save Sunyi, but apparently Mistaha was still chasing her to the house of exile. Miftaha really wants Sunyi to be a corpse. Seeing this, Sawedang did not remain silent. For Sunyi's safety, politely asked Hujan to leave his territory. But Hujan's love made him make a fatal mistake. Because of Hujan's mistake, Sunyi was forced to put in Sawedang's coffin. That said, only people who have sincerity are able to get out of there. If you can't reach the point of sincerity, Sunyi will be locked up forever.
Is Miftaha satisfied with this? No! She is still trying to hurt Sunyi by infiltrating her trusted people to kill Sunyi. Hujan and Bima continue to protect Aslan. But in the end, they had to give in to Miftaha's cunning, when Aslan insisted on saving the lives of those who were affected by Miftaha's poison. Bima is forced to agree to Aslan's departure to the black forest to retrieve the orchid, Miftaha's only antidote.
Hujan getting fed up of Miftaha's actions and worried about Aslan's life, finally made a pact with Miftaha. In order to protect Sunyi and Aslan, he promised to stay away. Sunyi who had just returned from the dead, did not know about the agreement between Hujan and Miftaha. She can't stand being ignored by Hujan, Sunyi chooses her own way to live. Back to being a Death Hunter. There is a dark side of Sunyi that Hujan doesn't know, Sunyi is the Death Hunter. She returned to the black world to forget her love for Hujan. Until she finally got a tough task, the warrant she received this time contained an order to kill Hujan.
*******
フィオナはまた寝ていた。 数日間別荘で寝ていたために筋力が落ちていて、騒動後――シド死亡後にその場にいた獣人姫ヴィクトリアが魔力暴走をしかけたがそれも解決した後――は、どっと疲れを感じて、ジュリアスと共に銃騎士隊本部の執務室に戻ると、令嬢姿のままで部屋のソファに横になって眠ってしまった。 アークに起こされた直後に動けたのは、「ジュリアスが死んじゃう!」と必死だったので動けただけだった。 すうすうと寝ていたところに、ギュッと誰かに抱きしめられる感触がしたので、フィオナはより安心し、睡眠をむさぼった。 フィオナがパチッと目を覚ました時は周囲は闇で、『あれ、もう夜?』と思ったが、全く一切何も見えないのもおかしいなと思っていると、隣のぬくもりが動いた。 「フィー……」 「ジュリアス、真っ暗よ。何も見えない」 「そうだろうね。今、俺が作った暗黒空間にフィーを閉じ込めているから」 「え? それはどう―― んっ……」 疑問を口にする前に、ジュリアスに唇を塞がれ舌で口内を気持ちよくマッサージされて、フィオナは思考がちょっとトロンとしてきた。 「私はあなたの正体を誰にも言わないし、絶対に別れないし、ずっと一緒にいるよ?」 フィオナは、ジュリアスが自身の正体が獣人であることの口止めのために、「閉じ込め」をしているのかと思ってそう言ってみた。 「それは、うん…… わかってる。フィーが『俺の正体が獣人でも愛してる』って父さんに言っている場面を、セシが戦闘中に見せてくれたから。 フィーの愛がなかったら、俺はシドには勝てなかったと思う」 言いながら、ジュリアスがグリグリと自身の雄をフィオナの体に押しつけて来た。 ジュリアスは魔力切れを起こすほどのシドとの戦闘の後、本部に戻って来てからテキパキテキパキ仕事をしていて、多分疲労が溜まっている様子だった。疲れていると男はヤりたくなるようだと知っているフィオナは、自分からジュリアスの首に腕を回して抱きつき、「抱いて」と言ってキスをした。 「でも、真っ暗なのはちょっとね。あなたが見えない」 そう言うと、ジュリアスが真っ暗な空間に魔法で、ポールに提げられたランタンを何個か設置してくれた。 明かりがついてわかったが、ここはやはり執務室ではなくて、自分たちが乗っているベッドとランタン以外には何も
「俺の妻のロゼは獣人なんだ。ジュリアスも含めて、俺の息子たち全員が獣人だ」 アークからそれを聞いた瞬間、すべての点と点が繋がった。 知り合った直後、「誰とも結婚はしない」と言っていたジュリアス。 交際後は結婚について保留にされ、結婚願望が本当にないのだろうと思っていたら、初めて体を繋げた直後にプロポーズされた。 当時はただ「嬉しい」という思いしかなかったが、その急な方向転換は、体を繋げたことで獣人の番――ジュリアスにとって唯一無二の存在――になった影響なのだろう。 初エッチしてから、ジュリアスの「フィオナ好き好き度」はかなり上がった。エッチは頻回だし、ジュリアスはフィオナに他の男が近づくことをよしとしなかった。 普段は男装しているので「フィオナ」として男性とお近づきになる機会もあまりないが、仕事上でやり取りの多い二番隊副隊長マーカス・エニスが両刀使いらしく、絶対に二人きりになるなと散々注意はされていた。 それから、養成学校の視察の際にフィオナが仲よくなった、当時訓練生のゼウス・エヴァンズ美少年に対して、ジュリアスは訓練中の模擬戦にて一撃で叩き潰した際に、「フィーと馴れ馴れしくするな」と脅していたらしいのである。 品行方正で聖人君主然としていたジュリアスが、当時少年だった年下の訓練生に脅しをかけるとは信じられなかったが、意気投合した直後にゼウスが急によそよそしくなり、おまけにジュリアスに対して畏怖の表情――フィオナがアークに向けるような――をするようになったのは事実だった。 フィオナはゼウスの態度がおかしいなと思っていたところに、ひょっこりやってきたセシルに真相を教えられた。 フィオナはゼウスには得意の射撃の術などを教えたりして、今でもフィリップとして仲よくしているつもりだが、ゼウスと会う時は、短時間であっても絶対にジュリアスがどこからか湧いてきて、必ず一緒にいる。どんな時でも。 万が一にでも番であるフィオナをゼウスに取られることを恐れていたのかもしれない。 ジュリアスは酒や紅茶などよりも牛乳が大好きで、それはブラッドレイ兄弟たちも同じだった。 ジュリアスは、獣人が苦手にするはずの野菜も普通に食べていたが、魔法で成分はいくらでも変えられるし、健康診断で抜かれた血も、やはり魔法で成分を変えれば、検査結果て獣人だとバレる
――フィー、何があっても、永遠に愛してるよ 耳に残るのは愛しい人の言葉だ。 寮の自室でジュリアスに夜這いを仕掛けられ、それを受け入れて愛し合い、幸せに包まれながら直後に意識を落としたフィオナは、ジュリアスと、それからたぶん自分が生んだ一歳くらいのジュリアスに激似の赤子と一緒に、優雅なティータイムをしているという、夢の中でも幸せすぎる時を過ごしていた。 ――……ベル、キャンベル、起きろ。起きろ、フィオナ! しかし不意に夢の登場人物以外の誰かに名前を呼ばれて、幸せな夢から浮上した。 自分を呼ぶのは、ジュリアスに似ているが、彼とは違う、低くて渋さのある美声だった。 名前を呼ばれたフィオナの目がゆっくりと開かれて、彼女の灰色の瞳があらわになる。フィオナはこちらを見下ろす、自身と同じ灰色の瞳を見た。「隊、長……?」 ベッドに横になっているフィオナの枕元にたたずんでいたのは、銃騎士隊の隊服を着た、ジュリアスの養父――とフィオナは思っている――アーク・ブラッドレイ二番隊長だ。 アークを見上げながら、寝起きのフィオナは半覚醒のはっきりしない頭で違和感を感じていた。その一つが、ジュリアスとアークの声が似ていることだった。本当の親子なんじゃないかというくらいに。(どうして、気づかなかったんだろう……) フィオナはこの時に、霞がかかった思考の影響で先入観を取っ払った状態になっていたために、「ジュリアスとアークに血の繋がりがない」というのが、『彼の嘘ではないか?』という疑いを、初めて持った。 ただ、フィオナがこれまでその可能性に思い至らなかったのは、アークにガン無視されまくっていたので、あまりアークの声を聞いたことがなかった、という事情もある。 元々アークは好き勝手に各地の隊に滞在して回る人で、本部にいることの方が少ない。訓練生の頃にジュリアスの実家に遊びに行っても、家にいたためしがないし、流石に入隊してからは所属隊の長なので、顔を合わせたことはあるが、仕事上の事務報告をした後の「ああ」という返事の声しか聞いたことがなかった。
愛しい婚約者に「眠りの魔法」をかけたジュリアスは、本来の姿に戻っているフィオナを抱きかかえ、とある場所に来ていた。 ここはフィオナと初めて結ばれた、海辺に近いキャンベル伯爵家の別荘だ。キャンベル伯領からは遠い地にあり、万一のことがあっても獣人王シドのいた里からは遠いため、彼女に危険が迫る可能性も低い。 現在は時期ではないために使用人も含め別荘に滞在する者はいない。無人の場所に一人無防備なままで残すことになる大切な恋人に、一切の危険がないようにと、ジュリアスはベッドに横たわらせた状態のフィオナの体の周囲に「盾の魔法」をかけた。 こうしておけば、大地震が来て家具が倒れたり強盗が入ってきて寝込みを襲われそうになっても、彼女は守られる。ジュリアス以外の人や者はフィオナには触れられない。 (フィーは俺だけのものだから) もしも自分に何かあり迎えに来られず、札からの魔力が切れてフィオナが一人きりで目覚めたとしても、勝手知ったる実家の別荘ならば、フィオナ一人だけでもどうにかできるだろう。 続けてジュリアスはこの屋敷全体に「迷宮の魔法」をかけた。誰かが屋敷の中に侵入してきてもフィオナがいるこの部屋にはたどり着けない。 ジュリアスの魔法を破れるとしたら同じ魔法使いだけだろう。ジュリアスの知る魔法使いは、家族以外では『真眼』の魔法使いだけだ。今や敵同士となってしまったが、マグノリアの性格から考えると、よほどの事態にでもならない限りフィオナに危害を加えるようなことはしないだろう。 ましてマグノリアは今回の作戦の目的には反対しないはずだ。彼女は自分たちと同様に、シドは死ぬべきだと考えている。 ジュリアスは眠るフィオナの頬を愛しそうに撫でた。 ジュリアスがフィオナを強制的に眠らせてこんなことをしているのには理由がある。 獣人の里に潜んでいた弟シリウスから、獣人姫ヴィクトリアが里から逃げ出したという緊急の連絡が入った。シドは現在、我を忘れたかのようにヴィクトリアの匂いを追いかけているという。 事態が動いた。上手くいけばシドを捕まえることができるかもしれない。銃騎士隊全体で事に当たらなければならない大事な局面だ。 シドを相手にするならば、不測の事態が起こる可能性が高いし命の保証もないが、全ては覚悟の上だ。しかしフィオナ
パタリとドアが閉まる。ジュリアスと案内役のギルバートの足音が遠ざかっていく中、話し合いの終わった室内にて、祖母キャスリンと二人きりになったフィオナは――「フィー! あの魚絶対に逃がすんじゃないわよ!」 先ほどまでの淑女然とした雰囲気から一転、フィオナの両肩を掴んだキャスリンは、クワッと目を見開き、勢い込んで話すが、あまりの勢いにフィオナはのけ反った。「さ、魚……」「とんだ大物よ! 彼はきっと大出世するわ! デキる男感がビシバシと伝わってきて、全身がシビレたもの! 彼だったらもしかしたら本当にシドを倒せるかも
「おばあ様は、フィル兄様が銃騎士になりたいと言い出した時に、許可を出されたじゃないですか! 『銃騎士隊との繋がりが増えるのは良い事だ』とも仰っていたじゃないですか! フィル兄様は大丈夫で、どうして私は駄目なのですか⁈ フィル兄様は家を継ぐ必要がありましたが、私にはない…… 家を継ぐのはオル兄様。ならば、私は別の形で、この家を、この伯爵領を守りたいんです!」 フィオナが銃騎士になることを許可しない発言をしたキャスリンに、フィオナが食ってかかる。 「お前は伯爵令嬢、フィオナ・キャンベルなのですよ。お前の人生を犠牲にする選択を、私は肯定できない」 フィオナの情熱を、冷静さで受け止め
銃騎士養成学校入校試験の合格がわかってから数日後、フィオナは実家の伯爵家に戻っていた。 フィオナは入校試験の合格をジュリアス経由で聞いていたが、その結果自体はキャンベル伯爵家に送付されるそうで、その前に自分たちの口で伝えた方が心象が良いだろうとジュリアスに促されて、フィオナは合格祝いとして彼からプレゼントされたセンスの良すぎる婦人服を身にまとい、髪は短いが令嬢の姿で、実家に戻った。 フィオナはジュリアスと共に馬車で領地の伯爵邸に向かっていたが、もうすぐ着くというところで、伯爵家の美貌の使用人ギルバートに馬車を止められ、「フィー様ッ! よくぞご無事でぇぇぇー! ああああ私のフ
「どうかこのことは内密にしてください! 私は銃騎士になって家族の仇であるあのおぞましき赤髪の獣人王をこの手で討ちたいのです! あなたが黙っていてくれるなら何でもしますし、あなたの下僕でも舎弟でも何にでもなりますから!!」 根が真っ直ぐなフィオナは、女バレを咄嗟に誤魔化すのではなくて、認めた上で自分の情熱を伝えた後に、口止めを願い出た。「黙っているのは君次第だけど、どうするつもりだったのかな?」 彼は自らを、ジュリアス・ブラッドレイと名乗った後に、そう尋ねてきた。 口調は年長者が年下に「悪さをしたのか?」と優しく問いかけるようなそれであるが、君次第だけどというところに、フィオナ





