Semua Bab マノとマヤの恋愛カウンセリングルームー双子のM2ーM2: The Twin Scalpels ―Love’s Fatal: Bab 81

81 Bab

第83話ー後日談ー

新たなる出逢い。 ​女は右手にスマートフォン、左手にワイヤレスイヤホンを取り出し、不満そうに眉を寄せた。 ​「繋がらない。久しぶりに本島に戻ってきたっていうのに」 ​髪の毛は、柔らかな光を放つピンクグレージュ。肩までのミディアムストレートが、上品なセットアップのブラウスに映える。 雨崎琴里(あまさき ことり)。年齢不詳、見た目は29歳前後の美魔女。 彼女は画面に映る、白衣の黒髪ショートの美人と、メイド服を纏った茶髪ボブの双子の写真を見つめた。 ​「取材を依頼したのはいいけれど。この美人双子が指定したカフェなんて、どこにも見当たらないじゃない」 ​目的の場所が見つからない苛立ちに、踵を返そうとしたその時だった。 振り返った先に、小さな黒猫が描かれた看板の、アンティークショップのような佇まいのカフェを見つけた。 ​「あ、あった……? でも、こんな小さな店に……」 ​半信半疑で窓を覗くと、そこには一目で双子とわかる、同じ顔をした二人の女性がいた。 片方は白のセットアップを颯爽と着こなした、黒髪ショートの凛々しい女性。 もう一人は、柔らかな麻のワンピースを纏った、温かみのあるボブヘアの美人。 ​「あ、あのぅ……。取材を申し込みました、雨崎琴里です。……マノ先生と、マヤ先生でしょうか?」 ​声をかけると、二人は同時にこちらを見た。 ​「そうよ。取材だかなんだか知らないけれど、早く終わらせて。島から船をチャーターして出てきたんだから、私は作家でもあるんだし。交通費はキッチリ貰うわよ」 「お姉様、交通費だけじゃ足りません。取材費も上乗せしていただかないと」 ​一筋縄ではいかない双子の洗礼に、琴里は「これはスムーズには終わらないわね」と、苦笑混じりの予感を抱きながら扉を閉めた。 ​「奇遇ですね、私も作家なんですよ、マノ先生。双子の恋愛カウンセリングルーム、という企画なのですが……」 ​カラン、とドアベルが鳴る。 これは、彼女たちが新たな小説の登場人物(ターゲット)になるかもしれない、そんなスタートライン。 物語は終わらない。ただ、形を変えて続いていくーー。
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