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勘違い体質のカンナさん のすべてのチャプター: チャプター 11 - チャプター 13

13 チャプター

校長先生

しかしカンナは、どうしても確かめたいことがあったため、その背中に向かって声をあげた。「あ、あのっ」「はい、何か?」 ゆっくりと校長は振り向いた。カンナは息を整え、口を開く。「校長先生は、とても良い人なんですね」 一瞬、きょとんとした表情を浮かべた校長だったが、すぐににこやかな笑顔を浮かべて答えた。「ははは、ありがとうございます。それほどでもありませんよ。おや……」 校長はカンナの姿を改めて見ると、何か思い出したかのように続けた。「あなたはもしかして、編入生の方ではありませんか?」「はい。神崎カンナと申します」「そうです、神崎さんでしたね。橙色をした髪の毛の方が我が校にいらっしゃると聞いていたものですから、ふと思い出したのです。まだ始まったばかりですが、学校生活はいかがですか?」 校長はにこやかな笑みを絶やさずに尋ねる。「とても楽しいです」「それは良かった。生徒も先生も皆さん良い人ですから。困ったことがありましたら、なんでも仰ってくださいね。それでは……」 校長は踵を返し、再び去ろうとする。 だがカンナはもう一度、その背中に呼びかけた。「あの、もう一つよろしいですか?」「はい、どうぞ」「先生は、なぜ私のことをご存じなのですか?」「こう見えて、記憶力は良い方でしてね。生徒のことはある程度把握しておきませんと。それが生徒たちを預かる者としての責務だと思っていますよ」 そう言い残し、校長は今度こそカンナの元から去っていった。 校長との会話を終えたカンナは教室へと戻った。隣にはキセキがいたが、彼には目もくれず、カンナは残り少ない時間で昼食を食べ始めた。「神崎、次の教室は移動になったから」 昼休みに通知された情報を共有したキセキ。だが、カンナは返事をしない。「あの、神崎……さん?」 やはり返事をしないカンナ。黙々と昼食を食べている。キセキはわけがわからなかったが、伝えたいことは伝わったと思い、それ以降は口をつぐんでいた。 その後、放課後までカンナはキセキと口をきかなかった。休み時間にも、彼女は窓の方を向いて目を合わせようともしない。 キセキはしびれを切らし、思い切って話しかけた。「あのさ……。俺が何か気に障るようなことしたなら謝る。とりあえず話してくれない?」 続々と生徒がいなくなる教室で、カンナは未だに返事をしない。
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仲直り

「……ぶっ、あははっ! もしかして、校長が本当に生徒を倒してるって、そう思ってたの?」「だって、クラスのお二人がそう言ってましたし、あなたも否定しませんでしたし」「それはものの例えだよ。朝礼では立ちっぱなしで校長の長い話ずっと聞いてるから、倒れる人出てくるってこと。校長が間接的にそうしてるって話だよ」 カンナはただ黙って聞いていた。頭の中で、キセキの説明を反芻しているようだ。「つまりは、校長先生は本当に生徒たちを倒しているわけではないと?」「そういうこと。仮にそうだったとして実際、どういう風に生徒を倒すんだ?」「それは何か、超能力のようなものを使ってかと」 既に二人きりになった教室で、キセキの笑い声が響いた。 カンナはふてくされた表情でキセキを睨んでいた。「そんなに笑わないでください。知らなかったんですから」「悪い悪い。……ああ、久しぶりにすげぇ笑った」 笑いすぎての涙を拭うキセキ。カンナは先刻までの怒りが収まったのか、急に態度を変えて言った。「キセキさん、先ほどはすみません。嘘つきなどと言ってしまい」「いいよ別に。ただの勘違いだったんだろ?」「怒ってませんか?」「ないよ」 それを聞いたカンナは、やっと表情が柔らかくなった。「良かった。やっぱり校長先生の仰ったことは本当だったのですね。皆さん良い人です」「何だよそれ。それを言うなら、神崎もじゃないか?」「どういうことですか?」「人に謝れるのって、当たり前だけど良いやつのできることなんだぞ」 その後は二人揃って学校を出て、帰路についた。 足取り軽いカンナの手には、みかんジュースがしっかりと握られていた。
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コン

 神崎カンナはこの日も朝早く起床し、身支度を整え、家を出る前にPCの前に座るとYに声をかけた。「おはようございます。学校、行ってきますね」 カンナの明るい声に、Yは反応する。「おはようございます。今日も元気ですね。何か、学校で嫌なことはありませんでしたか?」「いえ、何も。楽しくて面白いことばかりで飽きません」 カンナはピュアな返事をする。学校での出来事を知らないはずのYは、彼女の言葉を信じているようだった。「それなら問題ありません。では気を付けて行ってください」「はい、行って参ります」 カンナは鞄を掴み、Yを残して外へと出た。 教室へ到着したカンナは、その日はそこで初めてキセキと遭遇した。前日は登校中に出会い、一緒に校舎に入っていた。「よっ、神崎」「おはようございます、キセキさん。今日は通学路でお見かけしませんでしたね」「ああ、今日は当番の仕事があったからな。お先に行かせてもらった」「そうだったのですか。ご自身のお仕事を全うされて、偉いですね」 カンナは席に着きながら、母親か何かのようにキセキを労った。「そこまで言われることか……? そんなもん、誰だってやってるし……」 と、その時。キセキの背後から棒状の物が振り下ろされた。キセキの脳天に命中し、パコンという乾いた音を響かせたそれは、丸めたノートだった。「あだっ」「え、何ですか?」 困惑する二人をよそに、ノートの持ち主は無邪気な笑い声をあげていた。「なははは、隙ありぃキセキ!」 声の主は明るい茶髪をツインテールにした女子学生だった。丸めたノートはさながら侍のように両手で持って構えている。「しまった、油断してたか」「本当だよ。隙だらけだったもん。まさか、編入生さんに夢中だったとか?」「そんなわけねぇだろ。ただ、ちょっと話してただけで……」「怪しいぞ〜。これはもしかすると、もしかするかも?」「何想像してんだ。俺はな……」 カンナをそっちのけに、会話を続ける二人。彼女だけはますます困惑するのだった。「あの、お二人とも……」 おずおずと声をかけたカンナ。女子学生は思い出したようにカンナの方を向いた。「あ、ゴメンね。置いてけぼりにしちゃって。自己紹介まだだったよね。あたし、小早川コン。同じクラスだよね。よろしくねんっ」 小早川コンは手で狐の顔を作り、自分の顔の横に
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