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22 فصول

第21話

浩の告白に対し、真奈美はもう一度断った。「浩さん、あなたはとても素敵な人。だから、私なんかにこれ以上無駄な時間をかけないでほしいの」浩の顔には、隠しようのない挫折と落胆が浮かんでいた。「木村がいるから?」真奈美は静かに首を振った。諦めきれない浩が続ける。「前に、君のお父さんの心臓が急変した時も、俺は出張中だった。もしあの時、俺が側にいれば……」「あの人とは、何も関係ないから」真奈美は浩の目をまっすぐに見つめ、穏やかに言った。「浩さん、私があなたを断る理由には、誰一人関係ない。ねえ、知ってる?こっちに戻ってきたばかりの頃の私は、まるで心臓の動きが止まってしまったみたいだった。毎日猫と花を世話していても、心の中はぽっかり空いたままだったの。でも、仕事を始めて画筆を握ったとき、世界には愛よりも素晴らしいものがたくさんあるって気づいたんだ」半年ほど前から、真奈美のデザインは世間から高い評価を受けてきた。今では生産ラインを増やしてでも彼女のデザインを製品化したいというアパレル企業が後を絶たないのだ。真奈美は今、ちょっとした有名デザイナーだった。「だから、分かってくれる?」真奈美は、浩を深く傷つけないように慎重に言葉を選んだ。真奈美の瞳に宿る輝きを見て、浩は諦めたように優しく笑った。「じゃあ、ずっと待ってるから。いつか愛が必要だと思ったときには、必ず俺を思い出して。俺は、いつでも君の側にいるからさ」浩は真奈美の手をそっと引き、自分の唇を寄せた。真奈美がよく利用するカフェでは、いつものように直樹が彼女を待っていた。ここしばらくの間、直樹は決して真奈美の前に姿を現さず、遠くから静かに見守り続けていたのだ。慎吾が発作を起こし、予断を許さない状況になって初めて、彼はその姿を見せることにした。直樹は今もはっきりと覚えている。あの時の真奈美の赤い目元と、こぼれ落ちた心細そうな涙を。真奈美が歩み寄り、直樹の目の前の椅子に腰を下ろした。「直樹、父を救ってくれて本当にありがとう!」直樹の胸は高鳴った。直樹が厳しい家法を受けたことを知った真奈美は、明らかに直樹を心配していた、と祖父から聞いていたのだ。「でもね、それはそれだから。父を救ってくれた恩には、とっても感謝してる。でも、私はもうあなたを愛してはいないの。だからも
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第22話

直樹が帰国すると、武智はため息をつき、毒づいた。「本当に情けないな。俺がここまで動いてやったというのに、結局連れ戻せなかったのか?」直樹は辛そうに口元を歪め、苦々しく答える。「連れ戻せませんでした」そう言い残すと、直樹は背を向けた。武智は、直樹のあまりに孤独で力ない背中を眺め、深くため息をついた。それからというもの、直樹は仕事に没頭した。暇な時間を作らないように自分を追い込んだのだ。邸宅の寝室には、真奈美のものがすべてそのまま残されていた。彼女が着ていた服、半分になった口紅、出窓の多肉植物たちに、ベッドサイドテーブルのタッセルのついたナイトランプまで。その部屋は木村家の「聖域」となり、直樹は誰一人ともたち入ることを許さなかった。時は過ぎ、3年が経った。木村グループは国内屈指の巨大企業へと成長していた。直樹はソファに座り、テレビ画面をじっと見つめていた。映っていたのは、真奈美の独占インタビューだった。洗練されたメイクを施した彼女は、キャスターの質問に淡々と、そして自信を持って答えていた。3年で、真奈美は世界的に有名なデザイナーへと成長していた。かつて直樹に寄り添っていた時は控えめだったのに、彼のもとを離れた真奈美は、誰よりも眩しく輝く星になっていた。その時、直樹は誰もが驚くような決断を下した。何の変哲もない日、彼は会見を開き、木村グループの代表を退くと発表したのだ。そのニュースは一瞬にして経済界を駆け巡り、世間を驚かせた。直樹は肩書きをすべて捨て、世界を巡る旅に出た。ある時、オーロラを仰ぎながら、彼は空に向かって静かに呟いた。「真奈美、約束しただろう。だから、オーロラを見せに来たよ!」海の深くへ潜った時も、頭の中は真奈美でいっぱいだった。真奈美とした約束は、どれも果たした。すべて直樹一人だけだったが……その横に彼女がいることは、一度もなかった。真奈美を忘れようとして、ロッククライミング、サーフィン、スカイダイビング……死と隣り合わせのものに身を投げた。しかし、心臓が口から飛び出しそうな激しいスポーツの最中でも、ふと訪れる静寂の中でも、どうしても真奈美の姿を思い出してしまう。これは天が与えた自分への罰に違いないと、直樹は悟った。10年後、想いを抑えきれなくなった直樹は、再
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