モグラ食堂。 直方体の小綺麗な店内だった。天井からつるされているランプのオレンジ色の灯りだけが照らしている。木製の薄黄色いテーブルの上にはビールジョッキとつまみの肉料理が並べられていた。男性プレイヤーの五人が椅子に座っており、男たちの隣にはお酌をしている女性がこれも五人いて椅子に腰掛けている。女性たちはNPCのダークエルフだ。裸エプロンを着ており、男たちの会話に笑顔を浮かべていた。だけどそれらの笑顔は愛想笑いである。少なくともトウマにはそのように映った。 トウマは玄関から入る。カウンターにいる女性店員が困ったような会釈をくれた。 男たちが談笑しているテーブルへと近づいて行く。低い声で言葉を投げかけた。 「おい、あんたたち」 「誰だぁ?」 赤髪をした気の強そうな男が視線を向けた。他の男たちも会話を止めてこちらを見る。ダークエルフの女性たちが唇を引き結んだ。 トウマは緊張に身を固くする。 「あんたたちがダークネスダガーか?」 「そうだけどぉ? お前は誰よぉ?」 赤髪の男が尖った声を響かせた。 トウマは胸を張る。 「俺はギルド、グラスオースの団長、トウマだ」 「グラスオースゥ? おいお前ら、そんなギルド知ってるか?」 「知らねー!」 「弱小ギルドで有名じゃん?」 「お前知らないくせに弱小とかひでえな」 「カラスのオスの事じゃねーの?」 男たちが下卑た笑い声を上げる。 :こいつら最悪。 :トウマさん、負けないで! :悪質ギルドに鉄槌を! トウマは震えそうになる表情を何とかこらえた。赤髪の男のHPMPバーを見る。シモベという名前のようだ。 「シモベさん、あんたが団長か?」 「そうそう。カラスオースのトウマ団長、何の用事だ?」 「ダーメダヨダダーのシモベさん。バルドロッグ村のダークエルフの女性たちが困っているみたいだからな。悪いが、立ち退いてくれるか?」 シモベが怒りの混じった笑いに頬をひきつらせる。 「お前、いま何つった?」 「ダーメダヨダダーつったぞこいつ」 「一本取られたなこりゃあ!」 「「だっはっはっは!」」 男たちは手を叩いて笑う。トウマは震える唇を内側で噛んだ。 シモベが椅子から立ち上がる。こちらへと歩いてきて胸をぶつけた。酒臭い息を吐く。 「てめえ、正義の味方のつもりか? あ
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