乗り物レース場前の受付テント。 白いテントの奥には競馬場のような円形の建物がある。白いテントの下には長机と椅子があり、係員の制服を着た女性が受け付けをしていた。トウマたちが近づいて行くと、黒馬にまたがるライトブラウンの髪をした男が受け付けの女性と会話をしていた。甘いフェイスに眼鏡の男、夜月だった。:セレクターのマスターがまたいるぞ。:黒馬が格好良い。:ダークホースw キャルル丸に乗っているニキが眉間を歪めた。「あいつがいるさ!」 トウマは左手を上げてみんなに立ち止まるよう指示する。「みんな、止まってくれ」 夜月はこちらに気づいたようで、受け付けを終えると近寄ってきた。黒馬のひづめがパカパカと音を立てる。トウマと距離を置いて黒馬を止めた。夜月が口を開く。「これはこれは、皆さんじゃないですか。皆さんも乗り物レースに出場するのですか?」 その声は馬鹿にしたような響きだった。「お前とは口も聞きたくないさ」 ニキが嫌そうに吐き捨てる。「きゃるるぅ?」 キャルル丸が疑問そうに首をかしげていた。キャルル丸は夜月と初対面である。 夜月の唇が弧を描く。「ニキさん。珍しい乗り物ですね、白竜ですか?」「お前、用事が済んだのならどっか行けさ!」「嫌われてしまいましたねぇ。私はこんなにも、ニキさんが大好きだというのに」「気持ち悪いさ!」「仕方ありませんねぇ。行きますよ、テレサ」「ぶるるっ」 黒馬が鼻を震わせる。名前はテレサというようだ。テレサは真っ直ぐに歩き出し、キャルル丸の隣を通り抜ける。すり抜けざまに夜月がつぶやいた。「勝つのは私ですよ。愛しのニキさん」 テレサの尻尾が勢いよく揺れた。キャルル丸の尻がはたかれる。そしてパカパカと足音を響かせて行ってしまった。 ニキが唇をひきつらせる。「あいつ、ムカつくさ」「きゃるるぅっ」 キ
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