「ぐっ! がはっ!」 俺はデュアルと名乗る男の魔法剣によって、抗う間もなく打ち倒された。 右手の純白の剣が放つ雷撃が全身の神経を麻痺させ、左手の蒼銀の剣が纏う業火が肉を無慈悲に焼き焦がす。 相反する雷と炎の二刀流が、限界を迎えていた俺の身体を内側から容赦なく引き裂いたのだ。「うっ……ぐっ……」 視界が激しく明滅し、口からどす黒い血の塊が吐き出される。「ガ、ガルア……ッ!」 悲鳴のような声が夜の闇に響いた。ラナンだ。 彼女は血と泥に塗れた広場を駆け出し、俺の元へ向かおうとする。 その華奢な体はデュアルが放つ圧倒的な『強者』の威圧感に、見えない壁にぶつかったかのように弾き返されていた。「ラナン、俺に近付くな……」 血反吐を吐きながら、俺はかすれた声で警告した。「お前が勝てる相手じゃない。に、逃げろ……」「バカなこと言わないで! 置いて逃げるわけないでしょ!」 ラナンは必死に身を|捩《よじ》り、見えない重圧に抗おうと爪を立てる。 しかし、辛うじて意識だけは途切れていなかった俺にも分かる。 今のデュアルと俺たちとでは、存在している次元そのものが違うのだ。 全身の神経が焼き切れるような激痛の中、俺は傍らに転がった魔剣アレイクを杖代わりに、何とか体勢を立て直そうともがく。「うぐっ……」 しかし、ダメージが深すぎる。 足に力が入らず、再び血の海――。 俺が自らの手で殺めてしまった故郷の村人たちの血だまりへと無様に膝をついてしまった。「……ほう。これほどの一撃を受けて、まだ生きておるか」 デュアルは冷淡な目で俺を見下ろした。 その瞳には|路傍《ろぼう》の石ころを払いのけるような鋭く、激しい眼差しだった。「デュアル、トドメを刺すのです。
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