「嘘は困りますよ。それに、私はあなたに雇われはしましたが、公正に見ています。あなたが加害者なら、話は別です」「クソ……! 使えね―な!」「そ、そうだ! 私のは!? 私、沙綾さんにコキ使われたの。魚料理を用意したら、肉が食べたいからそんなの捨てろって言われたんですよ?」 和子はゴミ箱に捨てられた魚料理の写真をテーブルの上に置いた。ちらりと顔を見ると、勝ち誇ったような顔をしていた。「いいえ、私はそんなことしていません。私はお魚でもいいと言ったのに、勝手に作り直したんです」 今度は沙綾がいいと言っているのに、肉料理を作り直した和子の映像を提出する。映像の中の和子は、魚料理を捨てようとする。沙綾はその腕をつかみ、明日食べるとはっきり言葉にしている。「精神科医を騙して診断書を書かせたのなら、詐欺罪ですね」「精神科医もグルの可能性もありますね」 ふたりの弁護士は、まじまじと診断書を見る。「もしかしたら、偽造書かも」「なんにせよ、罪に問われることは確かですね」 ふたりの弁護士と沙綾の会話を聞いて諦めるかと思いきや、ふたりはまだ反撃してきた。沙綾にこれを買わされた、あんなことされたと写真、実物、レシートなどを出すが、沙綾が映像や音声でねじ伏せる。 30分もすると、皆本親子は黙り込んでしまった。「もうなさそうなので、今度はこっちの番ですね」 山田と一緒に、テーブルに証拠をずらりと並べる。スクラップブック、写真、音声、映像、リップに毛根のついた髪の毛。そして探偵の報告書が、テーブルを埋め尽くす。「ラインのやり取りもあります」 とどめに和人と星羅が沙綾をバカにしたり、次の待ち合わせを決めたり、いちゃついたりしているラインのスクショのコピーも出すと。吉沢は軽蔑した目でふたりを見た。「そ、そうだ! ライン! ライン俺も持ってるぞ」 そう言って和人が出したのは、沙綾が男とやりとりしているラインのスクショのコピー。「セックス気持ちよかった」「夫と大違い」「はやく離婚したい」など、沙綾が不倫を楽しんでいるような文面だ。「これも偽物ですね」 そう言ったのは、山田弁護士。「ライン風画像を作れるサイトで作ったやつですよね?」「違う! これはこのアバズレが本当に……!」「そうよ! だって沙綾ちゃん、この前再会した時に、和人さんの悪口言ってたし、いい男見つけた
Last Updated : 2026-04-16 Read more