Todos os capítulos de 俺様吸血鬼【ヴァンパイア】と私の甘くて苦い恋愛事情。: Capítulo 31 - Capítulo 40

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●31

「えっ、本当に友達?」「本当だよ。……ただの、友達」萌恵にそう言ってはみたけど、萌恵は「でも私が思うに、真琴と桜木くんは友達以上恋人未満、って感じがする」と私に言ったのだった。   私と桜木が、友達以上恋人未満……?「……そう?」「そうだよ! え、だっておかしくない?桜木くんとキスしたんだよね? なのに付き合ってないなんて、絶対におかしいよ」「おかしいの……かな」確かに、キスは何度かしちゃったけど……。告白されたってことでもないし。 桜木からも、別に好きだと言われてもない。「もう付き合えばいいのに、アンタたち」「でも私は、別に桜木のことを好きって訳じゃ……」「ええっ、なんで?」萌恵は私の発言にビックリしている。「なんで……ってなに?」「私はてっきり、桜木くんのこと好きなのかと思った。いつも一緒だし」「いや、だから私は別に……」桜木のことを好きとか……わからない。  でも一緒にいて、胸がときめいたり、ドキッとする時がある。「本当はもう、自分の気持ちに気づいてたりしてね」「えっ……?」萌恵は「なーんてね」と微笑み、再びお弁当を口にした。「まあ私は、真琴が元気でいてくれないと、悲しくなるからね?」「え?」「真琴には笑っててほしいの」萌恵にそう言われて、私は「ありがとう」と答えた。  「……自分の、気持ち」私は桜木のこと、どう思ってるんだろう……。そんなこと、深く考えたことなかった。 ただ一緒に生活して、何かに苦しんで……。お互い助け合って、支えあっていた。だからそれだけしかなかったし、それ以上でもなかった。……だって私たちは、友達だし。 でも友達以上なのかどうかを聞かれても……正直わからない。私が桜木のことどう思ってるのかって聞かれても、わからない。 私にとって桜木は……そんなに大事な存在、なのかな。「……ねえ、萌恵」「ん?」私は萌恵に「胸がときめいたり、ドキドキするのって……男友達でもあることなの?」と聞いてみる。 萌恵は少し考え「んー、友達だったらなおさらないね」と答えた。「ないんだ……」「ないよ。 友達だと思ってたのにドキドキしたりとか、ときめいたりする時は……それはもう恋に変わってる時だよ」萌恵の言葉に私は、なんだか妙に引っかかることに気付いてしまった。✱ ✱ ✱「……おい、真琴」私
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○32〜吸血鬼【ヴァンパイア】の告白〜

その日私は家に帰ってから、ずっと萌恵の言葉が頭に残っていた。  【んー、友達だったらなおさらないね】最近桜木と一緒にいすぎて、よくわからなくなってる。私は桜木と一緒にいるのが当たり前になってるんだな、きっと。でも桜木が私を助けてくれたあの日、泣いている私をギュッと抱きしめてくれたあの温もりに、私は心地良さと温かさを感じていた。「……そっか」あの心地良さと温かさは、桜木だから感じるものなのかもしれないんだ。だって他の男子には感じたことはない。 頭をポンポンと撫でられた時も、私はそんなこと感じたことなかった。「でも……好きだって言われてないし」桜木と一緒にいる時間が多すぎて、単純に麻痺してるだけのような気がする。  ✱ ✱ ✱「おはよう、萌恵」「真琴、おはよう」次の日からの私は、変に桜木を意識するようになってしまい、桜木と目を合わせることがなぜか出来なくなった。「あ、おはよう桜木くん」「お、おはよう」「……おっ、おは、よう」 「おはよう、真琴」桜木と目が合いビックリした私は、逃げるように自分の席に着いた。「……はあ」桜木と目を合うだけで、驚くなんて……。こんなんじゃ情けない。でもどうしたらいいのか、わからない。「真琴、大丈夫?」萌恵にそう聞かれるけど「大丈夫」と唱えるように呟いた。「そうそう。今日の体育、バドミントンだって」「え、バドミントン? いいじゃん」そんな会話をしていると、「おい、真琴」と桜木が近寄ってくる。なんでこっちに来るのよ……!「えっと……なに?」また桜木と目が合ってしまい、思わず桜木から目を反らしてしまう。「お前、なんか変じゃねぇか?」「えっ……そ、そんなことないよ。 き、気のせいだから!」うわぁ……あからさまにわかりやすい態度だ。 こんなんじゃすぐバレる……。「……なんで目、逸らすんだよ」「えっ。……あ、いや、そんなことないけど……」図星を言い当てられてしまい、モゴモゴしてしまう。「お前、俺と目が合うと逸らしてるだろ」「……だ、だからなに?」ああもう、話しかけないでよ……。どっか行ってって……。「もしかして、俺のこと避けてる?」「えっ!?」桜木ってば、感が鋭い……。「……別に避けてなんてないけど」桜木は私の顔を覗き込み「本当か?」と問いかけてくる。「ほ、本当だ
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●33

「萌恵、一緒にご飯食べよう」お昼ご飯の時間になり萌恵をご飯に誘うと「あ、ごめん! 今日彼氏とお弁当食べる約束してるんだ」と断られてしまった。「そうなんだね」「本当ごめん! じゃっ!」萌恵はカバンを持ち、そのまま足早に教室を出て行った。 私も教室で食べる気にはなれず、カバンを持ち屋上へと上がった。 幸い屋上には誰もいなくて一人だから、考えごとするにはもってこいの場所だった。   「いただきます」お弁当を広げていると、屋上の扉が空いた。誰か来たのかと思い振り返ると、そこにはーーー。「こんなところで何してんだよ」「……え? さ、桜木っ!」桜木が私の元へ歩み寄っていた。な、なんで桜木がここにいるのよ……!「俺も一緒に食べていいか?」「えっ」隣に座った桜木が私を見る。「……っ!」やばっ! また目が合った……!「なんだよ」「べ、別に……」私はお弁当箱からサンドイッチを取り出し、かぶりつく。「それ、美味い?」「……え?」桜木が私の食べているサンドイッチに、視線を向ける。「美味しい……よ」「俺にも一口ちょうだい」「はっ? っ……!?」桜木は私の食べかけのサンドイッチに、横からかぶりついたのだった。「……うん、美味いな」「ちょっ……ちょっとっ!」え、何今の……? 今のはなにっ?!「か、勝手に食べないでよっ……!」「いいだろ、一口くらい」と言われたけど「よ、よくない! 私のだから」と食べかけのサンドイッチを口に詰め込む。「もう……」なんかわからないけど、胸がザワザワする。「じゃあ代わりに、俺のおにぎりも一口やるよ」と言われたけど「い、いらないっ」とそっぽを向いてみる。「さっきの、間接キスじゃん……」思わずふと呟くと、桜木は「え?」と私を見る。「あ、いや……何でもない」しまった……心の声が漏れてしまった。「……真琴、お前今日どうした?」桜木は私にそう聞いてくるから、私は「別に、何でもないから」と答えた。「なあ、お前今日変だぞ?」桜木から顔を覗き込まれてた私は、思わず立ち上がってしまった。「なんだよ、そんなに驚くことないだろ」「だって……急に覗き込んで、くるから……」私は桜木のことを変に意識しすぎて、やっぱりおかしくなってる……。 顔を覗き込まれた時、桜木の顔が目の前にあってドキッとした。
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○34

「離さないって言ったら?」「……じょ、冗談はやめてよ」そんなに真剣な目で見つめられ、私の胸の鼓動が最高潮に達していく。 もうその目から、離れられない……。「真琴……」「さく、らぎ……? っ……!?」その瞬間、桜木は私の身体を引き寄せてフェンスに追いやられる。 「ちょ、ちょっと……離してっ」「離さないって言ったろ」「ん……んっ」気づいたら私は、桜木にキスされていた。 桜木に握られたその手が熱くて、ヤケドしそうになるのを感じた。「……っ、な、なにするのよっ」なんでまた、キスなんて……。そう思うのに、私は桜木とのキスを拒むことも出来なかった。「真琴、俺は……お前が好きだ」「え……?」桜木から告白されたとすぐにわかった。「……それは、冗談?」私がそう聞き返すと、桜木は「冗談なんかじゃない。 俺は、お前のことが好きだ」と言ってくれた。 桜木のその目が本気だと物語っていた。 私を見つめるその目が、本気だって訴えていた。「……俺は真琴に、ずっと友達以上の気持ちでいたよ」「え……?」「俺がずっと真琴に恋してるってこと、いい加減気付けよ……バカ」恋してる……。私に、桜木が……? まだ信じられない。 本当に……?「そんなこと、急に言われても……」吸血鬼(ヴァンパイア)が……人間の私に、恋をした。「例え真琴がヴァンパイアになったとしても、俺にはそんなこと関係ない。……一人の"男"として、真琴が好きなんだ」「っ……」「だから俺に、そんな態度とるな」私は桜木に抱き締められた。 でもそれを拒むことなんて、私には出来なかった。「……ごめん」「俺の方こそ、ごめん。好きだと言ったら、真琴のことを困らせることは俺もわかってた。……だけど、この気持ちにウソを付きたくなかった」桜木の腕の中で聞こえるのは、桜木の心臓の音だった。 心なしか、桜木の鼓動が早くなったように感じる。「いきなりこんなこと言われても……困るよな」「……うん、ごめん」違う、そうじゃないんだ……。困るとか、じゃないんだ。「謝ることない。 驚かせてごめん」私は桜木から離れると「ご、ご飯……食べよう」と座った。「ああ。……そうだな」結局私は、驚きとドキドキで告白の返事をすることが出来なかった。その時、"バンッ"と屋上の扉が開いた。「っ……!?」「あれっ、桜
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●35〜吸血鬼【ヴァンパイア】のウワサ〜

「え? うん、あれは絶対に吸血鬼だったって、言ってたけど……」桜木は萌恵に「なあ、その吸血鬼についてもし聞いていたら、俺に教えてくれないか?」と話した。「それはいいけど……どうして?」「……いや、俺も吸血鬼について調べてるんだ。ちょっと興味があってさ」「ふーん。 桜木くんって、変わってるんだね」萌恵にそう言われた桜木は「まあな。 とりあえず何か知っていたら教えてくれ」と萌恵をその場に座らせる。「ああ、うん。……確か、その吸血鬼の目が赤かったって言ってたよ。暗闇の中を、ひっそりと歩いてたらしいの」「……そうか、ひっそりと」桜木の目つきが急に怖くなったように感じる。「あと、小声で何か言ってるように聞こえたって言ってたけど……」「何かって?」「いや、距離が離れてたから、なにを言ってたかはわからなかったみたい」「……そうか」桜木の表情が段々と険しくなっていく。「私が知ってるのはこのくらいかな。 知りたいなら、後は直接彼氏に聞いて。私はそんなに知らないから」「ああ、サンキュー。悪いな」「ううん。でもなんで、桜木くんは吸血鬼なんかに興味があるの?」私はどう答えるべきか悩み、桜木と視線を合わせ、見つめ合う。いくら萌恵でも、自分がその"吸血鬼"だなんて言えないしね……。なんとか上手くごまかしてね、桜木。「あ、ああ……俺の友達も吸血鬼見たって、昔言ってたことがあってさ。 それで気になって、個人的に調べてるんだ」「ええっ、そうなの? やっぱり、吸血鬼って本当にいるのかな……?」「……どう、だろうな」桜木自身も吸血鬼(ヴァンパイア)だ。 だから、人間が吸血鬼を怖がるのは、普通のことだとわかっているのだろう。「でもさ。……吸血鬼って人間にとっては、怖い生き物なんだよね」「……え?」「だって吸血鬼は、人間を殺すんでしょ?……私はそんなの、耐えられないな」 その時私はすぐに気づいた。 桜木が複雑な表情をしていることに……。確かに私たち人間からしたら、桜木は吸血鬼(ヴァンパイア)だから、怖いと思う。 でも桜木はそんな人間じゃない。桜木は、そんなにヒドイ人間じゃない。 ちゃんと人間の心がわかる、れっきとした人間だ。「吸血鬼なんて、ただのウワサだといいんだけど」「……そうだね」  でもこの街には……確実に吸血鬼がいる。 桜木の命を狙っ
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○36

あんな顔した桜木は、初めて見たかも。 今まであんなに感情的になったことなんてなかった。それほど焦ってるんだろうな、きっと……。だって吸血鬼が、私たちの周りに現れはじめたんだから。落ち着いてられる訳もないし、焦る気持ちもわかる。……私たちにまで被害が及んだら、私たちはどうしたらいいんだろう。どうすれば桜木のためになるのかな。 どうすれば桜木の役に立てるの?桜木……死んだりしないよね? そんな不安が襲ってくる。 ✱ ✱ ✱その後桜木も授業には出ていたけど、ずっと上の空だった。「桜木?」「………」ホームルームが終わり桜木に声をかけるけど、反応はない。「おーい。桜木っ!」「……え? あ、ごめん。呼んだか?」「ホームルーム終わったよ」私がそう言うと、桜木は「……ああ、そうか。 一緒に、帰るか?」と聞いてくれるから、私は「うん、帰りたい」と伝えた。でも桜木の表情が険しくて、なにか思い詰めてるような顔をしていた。「……ねぇ、桜木」「ん?」私は校門でスニーカーに履き替える。「私たち、これからどうなるの……?」「……どうって?」歩きながら桜木にそう問いかける。「私たち、死ぬの?……吸血鬼に、殺されるの?」桜木は私の手をギュッと握り締めると「バカやろう。……絶対に死なせないって、言っただろ」とその手を強く握る。「……本当に、信じていいんだよね?」「ああ、信じろ」「……桜木も、死なない?」「ああ、死んだりなんかしねぇよ」桜木を信じなきゃいけないのに……桜木を信じるって誓ったのに、本当はすごく怖い。 桜木がいなくなることも、信じることも、自分を見失いそうで怖いんだ。……もし桜木がいなくなったら、私はきっと泣き叫ぶだろうな。それから一週間が経ったある日のことだった。「ねえ、聞いた? 吸血鬼がいるって!」「えっ!怖くない!?」「大丈夫かな……。何人か襲われたんだよね?」「ね、怖いよね……」学校では、"吸血鬼が出た"というウワサが出回っていた。ウワサによれば、学校の生徒の何人かが"吸血鬼を見た"と証言しているらしい。しかもその中には吸血鬼に襲われた人もいるらしく、その子は今近くの病院に入院してるらしい。「吸血鬼が、本当に……」そのウワサを一番疑っているのは、やっぱり桜木自身だ。 その日から桜木は、ウワサのことについて
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●37〜吸血鬼【ヴァンパイアの世界】〜

「……ねえ、真琴」「ん?」「私たち、大丈夫かな」「え……?」萌恵は不安そうな顔をしている。「だってこの学校の近くに、吸血鬼がいるんでしょ?……襲われた子だっているみたいだし、私たちこれから、どうしたらいいのかな」「……わからない。 でも単なるウワサでしょ。あまり気にしないほうがいいと思うけどね」いや、でもここには吸血鬼が確かにいる。 桜木だけじゃない、吸血鬼が何人もいる。「でも……もう単なるウワサじゃなくなってるじゃん。現に吸血鬼は、人間を襲ってるんだよ?」「……大丈夫。桜木が、きっとなんとかしてくれるよ」桜木は最強のヴァンパイアだもん。 きっと私たちを守ってくれる。だって私たちを守るって約束したんだから。……桜木はきっと、私たちを見捨てたりはしない。「桜木くん、大丈夫かな……」「アイツなら……絶対に大丈夫」私は……桜木を信じてる。私だって、桜木のことが……。✱ ✱ ✱その後一週間経ったけど、桜木からはまだなんの連絡もなかった。その後の話によると、襲われた人の中にはヴァンパイアなり、人間を襲った人もいるというウワサが流れはじめていた。正直、そんなこと信じたくはないけど……。見た人がいるっていう目撃情報もある訳だし、信じるしかないのかもしれない。 桜木……なにしてんのよ、早く連絡してよ。 みんな心配してるんだから……。桜木、アンタ何してるの?バカ……。私を守ってくれるんでしょ?  好きな女、守るって言ったのアンタでしょ?そしてついに恐れていた事態が起こってしまうことになるなんてこの時の私は、思ってもいなかった……。「桜木……まだ既読付かないな」それから何日か経ったある日のことだった。 それは、いつものように学校が終わり、帰り道を歩いていた時のことだった。「きゃああああああー!!!」「えっ!? なにっ……?!」近くで女性の大きな叫び声が響き渡っていた。 私は叫び声のする方へと急いで走った。するとそこにはーーー。「……え? なに、これっ……」恐るべき光景が広がっていたーーー。「どうしました!? 大丈夫、ですか!?」えっ……なに、これ……!? これは一体、どういうこと……?「ひぃっ……きゅ、吸血鬼っ!!!」私たちの目の前には、吸血鬼が立っていたーーー。「吸血、鬼っ……」私はその光景を見て言葉を失った。 
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○38

私は怖さと恐怖とで足がガクガク震えてしまい、動けなくなっていた。状況を理解するのにも、時間がかかった。 なんで……なんで? 頭の中にははてながたくさんあって、言葉すら出せなくなった。「あ、萌恵……」萌恵は、このことを知っているのだろうか……。いや、これは絶対に知られてはいけない。 萌恵にだけは……知られてはいけないことだ。 萌恵がこのことを知ったら、きっと混乱してしまう。「桜木、何してるの……早く来てよ」桜木、アンタどこで何してるの? 今何やってるの? 早く助けに来てよ……。桜木……!!    「さく……らぎ。 桜木ーーーーっ!!!」私は精一杯の大声を振り絞って、桜木を呼んだ。 何度もその名前を呼び続けた。「お願い、桜木。 早く来てっ……」私を助けてよ、桜木。 守るって言ったでしょ!? 私を助けるって言ったでしょ……!!肝心な時に来ないなんて……。私は目の前の恐怖で震えが止まらなかった。するとその時ーーー。「真琴っ……!!」聞き覚えのある、声が聞こえた。 そしてその声は、私の大好きで愛おしい桜木の声だったーーー。「桜木……遅いよ……」私、待ちくたびれたよ……。ずっと待ってたんだからね……。「真琴!大丈夫かっ!? ケガしてないか!?」桜木は私の元へと駆け寄ってくる。「さ、桜木……。遅いよ……バカッ!!」「済まなかった、来るのが遅くなって。 待たせたな」「本当だよ、バカ……」私は桜木に抱き着いた。 久しぶりの桜木の温もりを感じて、恐怖が少しだけ和らいだ気がした。「……アイツか、もう一人の吸血鬼の正体は」「桜木……。あの吸血鬼、は……」私がそう口にすると、桜木は私の手を握り「大丈夫だ、心配するな。 俺がなんとかする」と言ってくれた。「ちがっ……。そうじゃ、ないの……そうじゃなくてっ」震える私の身体を抑え、桜木は「そうじゃない?……真琴、それはどういう意味だ?」と聞いてくる。「じ、仁君は……も、萌恵の……」「萌恵? 真琴の友達か?」 「あのヴァンパイア……萌恵の、彼氏……なんだ」   私がそう話すと、桜木は「……なんだって? それは本当か?」か私を見る。「う、うん」それを聞いた桜木は「クッソ……。何がどうなってんだよ!」と焦っていた。「桜木、どうしよう……」萌恵にこのこと、なんて伝えばいいの?
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●39

✱ ✱ ✱「っ……」あれから、どのくらい経ったのだろうか……? ダンボールの間は暗くて静かで、その静かさが怖くなる。あれからどのくらい経ったのかもわからない。 ただただ時間だけが過ぎていって、今何時なのかもわからない。ひたすら待つことがこんなに長いなんて、思わなかった。 お願い、早く来て……。何もできず、そう祈ることしか出来ない。 来てくれると信じて、ひたすらに待ち続けることしか、今は出来ない。「桜木……早く来て……」恐怖から身体がガクガクと震えてしまう。ーーーでもその時だった。ガタンッ!「……っ!!」なにか近くで大きな音が聞こえた。「え?……なに?」なんなの?……誰かいるの? そう思うと、余計に足がガクガク震えてしまう。 恐怖と不安にかられて、ただただ身を潜めて、声を出さないように口を抑えて、息を殺すことしか出来なかった。「っ……」ただただ声を押し殺して、唇をグッとを噛みしめるしかなかった。お願い桜木、早く来て……。そう祈ることしか出来ない。そして足音がどんどんと、こっちに近づいてくるのがわかった。「……っ!」ヤバイ……! 見つかった……!?そう思った時だったーーー。「真琴、無事かっ……!?」スマホの光が私を照らした。「……桜木? 桜木、なの?」そこにいたのは、ずっと待っていた私が来てほしい人だった。 守り抜いてみせると、そう言ってくれた人だった。「真琴、大丈夫か!? ケガは……?」桜木が私の身体にそっと触れる。「ううん……大丈夫」「そっか、よかった……。遅くなって、ごめん」桜木は優しく私を抱きしめてくれた。 その温もりは温かくて、とても優しくて心地よかった。「……遅いよ、バカ。 ずっと待ってたんだから……私」「悪かった。ずっと連絡しないでごめん」「……心配、したんだからね」私が桜木に抱き着くと、私は「心配かけて、悪かった」と抱き締め返してくれた。「でも……ちゃんと、助けに来てくれた」「当たり前だろ。守るって約束したんだから」「……うん」私はこの桜木の温もりが好きなんだ。 桜木のことを思っていたんだ、私は。「お前……ひざ、擦りむいてる」桜木が私の傷口を心配そうに見ている。「こんなの、大したことないよ。 かすり傷だから、平気」「……そっか」「うん。心配しないで」だけど一瞬、桜木
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○40

「……そんな」桜木は私の隣に座ると「これは俺の推測だが……恐らくアイツが言っだあの方゙っていうのが裏で糸を引いてるってことだろう」と話してくれた。「あの方……?」「……つまり、本当の黒幕だ」 「黒幕……?」じゃあ……吸血鬼が現れて人間を襲うように指示してるもの、その黒幕ってこと……?「じゃあ……仁君は、利用されたってこと……?」「……そういうことだろうな。 萌恵の彼氏だけじゃない。他の人間も何人か吸血鬼にされてるし、吸血鬼に魂を吸われたから吸血鬼になったと考えるのが、自然だ」「そんな……」 まさに 信じられない現実だ。 なんでよりにもよって、仁君なんだろうか。  一体なぜ……?「……多分、萌恵が言ってたあれが原因だと思う」察したかのように桜木が、言う。「あれ……?」「萌恵が言ってたろ。アイツが吸血鬼を見たって言ってたって」「……っ!!」まさか……。まさかそれで、仁君は吸血鬼にされたってこと……?信じられない。 そんなのが現実だとは思えない。「多分その時、ヤツは黒幕の顔を見たんだろ。だからアイツを消すために、わざわざ吸血鬼にしたんだろう。……俺はそう思ってる」「そんな……。そんなの、残酷すぎる。 ひどいよ……」「……真琴、泣くな」「どうなってんの……。この世界は、どうなってるのよ……!」私は涙が止まらなかった。 萌恵になんて言えばいいのかわからない。悔しくて腹が立って、思わず自分の拳を握りしめた。「吸血鬼なんてみんな、そういうもんだ。……所詮、自分が生き抜くためには手段なんて選ばない。結局は、自分が一度大事だってことだよ」「でもだからって……。こんなのあまりにも、ひどすぎるよ……!」私たち人間が吸血鬼に何かした? 何か悪いことした?人間はみんな正しく生きている。 吸血鬼なんかにされるようなこと、何もしていないのに……。なんでこんなことになるのだろうか。 おかしいよ、こんな世界。「………」桜木は複雑な表情をしていた。 言葉をその後、何も語ろうとはしなかった。「帰ろう、真琴。 傷の手当をしないと」「……うん」「歩けるか?」「大丈夫」私たちは、倉庫を出てゆっくりと歩き出した。 不安を抱える私の手を、優しい桜木の手がしっかりと握ってくれる。それだけで私は、不安が少し消えたような気がした。 少しだけ、少し
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