Semua Bab 捨てられたので、あなたの全てを奪います: Bab 1 - Bab 10

10 Bab

第1話

三國京介(みくに きょうすけ)の「子供が生まれたら結婚しよう」という言葉のせいで、私、堂本檸檬(どうもと れもん)は散々な目に遭った。お産直前には大出血をして、三途の川を渡りかけた末、やっと三國家の長男を生んだのだ。それなのに、息子のお宮参りのその日、京介は初恋相手、田中琳子(たなか りんこ)の手を掴んで掲げ、集まった人たちの前でこう言った。「皆様、琳子と僕の息子のお宮参りにご参加いただき誠にありがとうございます」私は階段口で立ち尽くしていた。京介は私を見ると笑いながらやってきた。「遅かれ早かれ話さなければならなかった。それなら子供がまだ幼いうちにお前と決着をつけた方がいい」京介は私に向かって杯を挙げた。彼の口調はまるでビジネスの商談をしているかのようだった。「お前は婚前妊娠したのだから、ここにいる人は皆、お前を軽蔑する。俺の両親だってお前とは面識がないのだから、お前は俺にすがる他ない。安心してくれ。息子はお前に育ててもらう。でも明日、お前には一緒に出生届を出しに行ってもらわなければならない。息子の親権は必ず琳子に渡してもらう」京介は私が泣き崩れるか、子供のために泣き寝入りすると思っていた。けれど私はただ静かにその場を離れ、帰国したばかりの三國家の当主、京介の父親と連絡を取った。数日後、私は息子、三國浩輝(みくに こうき)と共に三國家に籍をいれた。それ以来、私は京介の義母、息子は京介の弟となった。息子の親権は全部私が持つ。そして、将来の三國家の相続権も私に帰属することとなったのだ。/その日の午後、京介が家に帰ってきた。私はすぐさま下に降りると、家政婦の懐で眠っている息子をみつめた。家政婦は戸惑いながらまず京介の顔色を窺い、彼がうなずくと、私に子供を渡した。もやもやしていた心がようやく落ち着いた。少なくとも京介はまだ息子を私に抱かせてはくれるのだ。「京介の勝ちね」田中琳子は、出し抜けにこう言うと、吹き出しながら続けた。「私たちは賭けをしていたの。 私は『堂本家のお嬢様であるあなたは、愛する人が別の女性と結ばれることを受け入れられず、怒りのあまり京介のもとを去って行くにちがいない』と言った。けれど京介は 『あいつは俺のことを命がけで愛している。たとえ俺が10人、20人もの女性
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第2話

田中琳子はむくれながら三國京介にぴったりとくっついていた。「負けを認めるわ。私を京介の好きなようにしていいわよ。にしても…こんなに自信に満ちてあふれているけど、あの女が子供を連れて逃げ出さないか怖くないの?」京介は彼女のスカートの裾をまくり上げた。それを見て察した家政婦たちは皆その場を離れた。彼は全く気にかける様子もなく、皮肉っぽく言った。「当時あいつは俺と付き合うために、堂本家と縁を切ったんだ。今俺のもとを離れたら、あいつはもう生きていけない」ソファが軋む音が鳴った。京介は息を荒くしながら言った。「しかも、八年も俺と付き合い、婚前妊娠までしたことは、周囲に知れ渡っている。だから俺の仲間のぼんぼんたちの眼中にも、あいつは入っていない。誰も過去を背負った女なんて、引き受けたくないんだ。あいつの顔が好みというやつがいたって、この俺から子供を奪おうという度胸がなければ無理だ」/私は主寝室のドアを閉めた。リビングで繰り広げられている恥じらいもないイチャつきを遮断したかった。幸い、息子は何も聞いていない。慎重に息子をベッドに寝かしつけると、正面からスマホで息子の顔を撮って、ラインに送った。【息子が私のもとに戻ってきました。私たちの約束を忘れないでくださいね】数秒後に一言返事が返ってきた。【分かった】私は安堵した。実際のところ賭けに勝ったのは田中琳子だったのだ。私は愛していた人が他の女と一緒になるなんて許さない。汚れた男には必ず代償を払ってもらわなければならない。/その晩、消毒会社の人がやってきた。私は息子を抱きかかえながら、赤ちゃん部屋で片づけをしていた。田中琳子は出かけていて、京介は仲間を家に呼んで飲み会をしていた。ドア越しでも、京介たちのさわがしい声が聞こえてきた。「さすが、三國家の御曹司。堂本家のご令嬢は本来揺ぎない跡取り娘だったのに、京介さんと駆け落ちをしたばかりか、自ら子供まで生むなんて!一番やばいのは、彼女は婚前妊娠させられて、しかも息子は今後彼女のことをお母さんと呼ぶこともできないのに、その屈辱にも耐えていることですよ。京介さんのことを死ぬ気で愛しているに違いないですね」1階にいる人たちは、どっと大笑いした。京介は乾杯の音が鳴り響く中、気にも留めていない様子だ。「こ
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第3話

翌日の午前10時、京介は私と息子、田中琳子を車に乗せて、戸籍の手続きをしに市役所へ連れて行った。車を降りるとき、田中琳子はわざとらしく息子を抱きたいようなそぶりを見せた。しかし彼女が抱いた途端、息子は大声で泣き叫んだ。彼女はすぐさま赤ん坊を押し戻すと、京介に泣きながら訴えた。「京介、この女ったら子供の教育もなってない…私の体中に唾を吐いてきたのよ」京介は慌てて彼女の腰に手をまわして、優しくなだめた。だが、その眼差しは鋭く私を非難していた。「檸檬――琳子が浩輝の法律上の母親だと言ったはずだ。なのに、お前は息子が自分の母親を拒むように仕向けるなんて……一体何を考えているんだ!」浩輝は私の懐に戻ってきた途端落ち着きを取り戻した。私は感情を淡々と告げた。「浩輝は香水の匂いが苦手なの」カッとなった田中琳子は、地団駄を踏んで言い返してきた。「一体どこにこんな傲慢な子供がいると言うのよ。香水の匂いも耐えられないなんて!この香水は京介がわざわざ人を遣って国外から取り寄せた限定品よ。一瓶何十万もするの。ほしくたって、あんたは手に入れられないわよ!」京介は、田中琳子のこうした高慢さに惹かれていた。彼女の前に身をかがめると、唇にキスをした。「こいつと張り合ってどうするんだ。琳子が気に入ってくれたんだったら、また人を遣って買ってきてもらおう」田中琳子はやっとしぶしぶうなずいた。私をキッと睨むと、化粧を直しに行った。/田中琳子がいなくなると、京介は私に囁いた。「檸檬、お前の気が晴れないことは分かっている。でもな、お前は俺を許さなければならない。三國家はQ州では名の知れた家柄で、俺はその御曹司だ。適当な女を嫁に迎え入れるわけにはいかないんだ。琳子は田中家の次女で、三國家と格が合う。彼女との結婚は息子の将来にも有利に働く。――それに、お前には浩輝を育てる権利をあげただろう」彼の一言一句が何一つ全くピンとこなかった。私は彼の目を見て言った。「京介。――私は京介のために堂本家と縁を切ったのよ」「それは知っている。でもここ数年、俺がお前を粗末に扱ったことは1度もなかった。どのみちお前には、帰る家も引き取ってくれる人もいない。おとなしく三國家にベビーシッターとして居座ればいい。いつでも我が子のお世話ができるし、一石
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第4話

夕食を食べ終えたとき、京介が突然メッセージを送ってきた。息子をどこに連れて行ったのか問い詰めてくるのかと思ったが、開いてみるとただの連絡事項だった。【俺と琳子は今日は帰らない。息子を頼んだ。明日は三國家のホームパーティーだ。10時に息子を連れて三國家本宅に来てくれ。今お前は俺の家のベビーシッターだということを忘れないように。万が一遅刻したり、でたらめを話したりするようなことがあれば、もう一生息子と会わせないからな】私は顔を上げて本宅の趣深い内装をぐるっと見渡した。そして快く「はい」と返信した。心配無用。遅刻するどころか、京介たちよりも早く到着しているんだから。/三國家のパーティー当日、私は晴れの場にふさわしい格式高い着物を着た。浩輝には赤いジャンプスーツを着せて、二階から会場を見下ろしていた。今日は三國家の親戚たちはもちろん、上流階級の超名門一族も数多く集まっていた。京介と田中琳子ももう到着していた。京介は高級なオーダーメイドスーツで身を包み、田中琳子はタイトなロングスカートを身にまとっている。2人は人々の中を歩き回りながら、お世辞を浴びている最中であった。「この方が奥様ね、お家柄も釣り合っているし、本当にお似合いのカップルだわ!」田中琳子は上品に微笑み、グラスを掲げた。「京介のビジネスに皆さまのご支持を賜っておりますこと、感謝申し上げます。今後さらに良いパートナーシップを築いて、共に成長してまいりましょう」慌てて何人かが相槌を打った。京介は満足げに田中琳子を見つめており、その眼差しは彼女への好意に満ちていた。不意にある女性が大声で尋ねた。「そうだ、京介くん。お嫁さんが三國家の長男を生んでくれたそうじゃないの、なんで今日は連れて来ていないわけ?」京介は笑顔を崩さない。「息子はまだ幼いので、このような場に来れば泣きわめいてしまいます。 ですが、ベビーシッターに息子を連れて来るよう言いつけてあります。父上はずっと忙しくてなかなか帰国できないので、なんとしても父に孫の顔を見せてあげなければならないでしょう?」その場にいた人々が賛同してうなずいた。それから間もなく、京介からのメッセージを受信した。【今どこにいる?遅刻するなと言ったのに、なぜまだ来ていないんだ!】スマホを手にとって返信しようとしてい
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第5話

私の襟を引っ張っていた力も抜けた。田中琳子はまだ気にせずに全力で私から浩輝を取り上げようとしていた。家政婦とボディーガード数人が駆け寄ってきて、彼女を引きはがした。私はようやく一息つくことができ、浩輝をギュッと懐に抱きしめた。耳元に田中琳子の不満げな声が響いた。「あなたたち、私を引きはがしたわね? 私は我が子を取り返そうとしているのよ。だったら、私を助けるべきでしょう!京介、何をぼーっとしてるの!」浩輝の泣き声が騒々しく響き渡り、田中琳子も怒りくるっている。その騒ぎに。会場の人々は皆こちらを見上げていた。私は浩輝をあやしながら振り返った。そして京介が恐れおののいた表情でやってきた人物をみつめているのを見た。さきほど三國浩介(みくに こうすけ)が放った言葉ははっきりと聞こえていなかったようだが、京介は心の底から彼のことを恐れていた。田中琳子はより一層焦っている様子だった。彼女は憤りのあまり足を踏み鳴らした。「ぼーっとしてないでなんとかしてよ。息子はまだこの女の手の中なのよ。取り返せなかったら、お父様が来てしまうわ。老いのせいで息子がこの女のものだと誤解でもされたらどうするのよ!」京介は我に返り、低い声で田中琳子を怒鳴った。「誰が父上のことをそんなふうに言っていいと言った?」「京介…なんで私に怒鳴るのよ。お父様はボケてきているっていつも京介が言っているんじゃない。随分お年を召されているのにまだ会社の株を譲ってくれないとも。いずれお父様が亡くなれば全て…」「黙れ!」田中琳子はやはり小さい頃から甘やかされてきたお嬢様相当の受け皿しか持ち合わせていなかった。京介が「黙れ」と言ったのを聞くや否や、ハイヒールを踏み鳴らし、怒りを爆発させて京介に食ってかかろうとしたのだ。しかし次の瞬間、京介はうやうやしく前に進み出ると、三國浩介に挨拶をした。「父上、てっきりもうしばらくしてから出てこられるのだと…どうかお許しください。妻とベビーシッターの間でちょっとした意見のすれ違いがあっただけで、たいしたことではありません。すぐにベビーシッターを帰らせますので」京介は私の方を振り向くと、警告するかのような視線を送ってきた。「檸檬、息子を琳子に渡して、出ていってくれ」私はかまわず下を向いたまま、浩輝の腕についた
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第6話

自分では患部を見ることができないが、上を向きながら触ってみると、痛みのあまり「あぁ!」と声がでた。三國浩介は注意深く患部の様子を見ると、途端に顔を曇らせた。そして彼の目が京介の方へと向けられたとき、その目は怒りに満ちていた。「京介、これが目上の人へのお前の態度か?」京介は口をパクパクさせた。「目上…?目上の人?彼女は…」「もういい。お前の言い訳を聞いている暇などない」三國浩介はきつい口調で遮ると、下の会場を見渡してゲストたちにこう言った。「お集まりの皆さま、妻と子供が怪我をしたので私はいますぐ2人を連れて病院にいかなければなりません。今日の三國家のホームパーティーはこれでお開きとします。皆様の貴重なお時間を無下にしてしまい申し訳ございません。また時間があるときに集まりましょう」言い終わると三國浩介はボディーガードに車を回すように言いつけた。そして片手で息子を抱え、もう一方の手で私の手を握り、ベビーシッターに病院まで付き添うように言った。ゲストたちは数秒間静まり返った。続いてどっと激しい驚きの声が沸き上がった。「三國社長は再婚されていたのですか?いつ再婚されたのですか?まったく存じ上げておりませんでした!しかもお子様までお生まれになったとは…!しかし、つい先ほど京介さんが自分の息子だと申されたばかりなのに、なぜ今度は三國社長のお子様ということになるのです?一体どういうことですか?」赤ん坊が京介の息子であると知っていた京介の仲間たちもまた呆気にとられていた。京介は我に返ると、慌てて大声で叫んだ。「父上、何をおっしゃっているのですか!堂本檸檬が父上の妻だなんてありえません。それに浩輝は僕の息子です。浩輝はいうまでもなく父上の息子ではなくて孫です!」三國浩介が足を止めることはなかった。京介は唇を噛み、話の矛先を変えた。「待てよ、堂本檸檬!この場でちゃんと話さなきゃ行かせないぞ!お前はいつの間に父上の妻になったんだ。お前はほかでもない俺の…」玄関がもうすぐそこというところまで来たところで、私は片手を後ろに回して京介の手を握ると、立ち止まった。そして振り向くと、彼に問いかけた。「ほかでもない俺の何?」京介は思わず本当のことを口走りそうになったが、まだ周りに大勢の人がいたので、言おうとした
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第7話

「また、田中琳子さんは田中家のご令嬢です。三國家と格が合い、結婚すればメリットが…」三國浩介はこれ以上京介に弁解のチャンスを与えなかった。三國浩介は私の手を引き、車がすでに玄関口に来ていると目で合図を送ってきた。「もういい。後で話してくれ」車に乗り込むと、私は車の窓から外を眺めた。京介はまだ2階にいる。怒りのあまり手すりを叩きながら、何かぶつぶつと言っている。田中琳子は彼に歩み寄って肩をポンポンと叩いたが、バッと強く押しのけられていた。「首を見せてくれ」三國浩介は浩輝を助手席のベビーシッターに渡すと、無理やり私の首を彼の方へ向けさせた。「君に着物を着せるべきではなかった。襟もとがきつすぎる。まあはっきり言って、京介が容赦なく引っ張ったのが悪い。もしあのとき私が来ていなければ、本当にどうなっていたことか…」首元を見られているのが落ち着かず、襟を上にあげて隠したくなった。しかし、しっかりと着付けられているので全く動かすことができない。「大丈夫です。薬を塗ればよくなりますよ。私も甘かったです。ゲストの前で息子を取り上げようとしてくるとは、思ってもみなかったもので…ボディーガードを連れて行くべきでした」三國浩介の両眉は相変わらずしかめられたままだった。彼は私の目を見ながら、とても真剣に誓った。「今日のことは、必ず私が片を付ける。君は安心してくれ。金輪際絶対に君と浩輝をこんな目に合わせたりはしない」顔が熱くなり、ますます居心地が悪くなった。ただ軽くうなずき、振り返って窓の外をみることしかできなかった。/実のところ、ついこの前まで三國浩介が本当に私の提案を聞き入れるとは思っていなかった。京介に浩輝から追い出されたその日、私は一人で街を歩いていた。ショックのあまり足がふらついた。頭の中は彼に言われた言葉でいっぱいだった。…浩輝を育てる権利はあるが、親権は田中琳子に渡さなければならない。1度目の体外受精に失敗したときに、京介の友達から田中琳子という名前を聞いた。幼い頃から京介は田中家のご令嬢の彼女に片思いをしており、彼女が海外留学に行くときにやけ酒で酔いつぶれた京介は、彼女以外とは結婚しないと宣言したのだと彼らは話した。私は耐えきれなくなって、京介のもとへ行って説明を求めた。京介はその
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第8話

「三國京介は社長の実の息子ではないと聞きました。亡くなったお兄様夫婦が残した子で、三國社長のご両親に育てられたのち、社長がご両親の後を継いだ際に養子に迎えられたそうですね。社長は養子をもたれているため、30代になられた今も結婚されていません。しかしながら、残念なことに京介さんにはビジネスのセンスがなく、毎年彼は少なからず三國家の財産を食いつぶしています。それなら、別の後継ぎを育てられてはいかがでしょうか?」オフィスは数秒間静まり返り、三國浩介はようやく顔をあげて私の方を見た。知的で落ち着いた目が私のことを上から下までじっと見つめた。三國浩介は右手で秘書に部屋からでていくよう指示し、左手でオンライン会議を中断した。彼は椅子に深く腰掛け、私に向かってこう言った。「正真正銘三國家の血を継いだ子をくれると言ったな。だが三國家は血縁が薄く、私の代は自分と兄の2人しかいない。兄も早死したので、次の代は兄の息子の京介しかいない。ということは、君のいう子供というのは京介の子か?」私はうなずいた。「そうです。三國京介の息子です。信じられないというなら、DNA検定をしていただいても結構です」三國浩介は目を細め、全身から私への疑心を漂わせていた。「DNA鑑定は必ずするにしても、私の知っているところでは京介はもう籍を入れていて、法的な妻の名は田中琳子という。私は彼女の写真も見たことがある。君は田中家のご令嬢ではない。君は何者だ?京介とはどんな関係なんだ?」私は唇を噛んだ。認めたくはなかったが、本当のことを話すほかない。「私と京介は8年間付き合って、私は彼の子供を産みました。それなのに彼は私を見捨て、息子を奪い、田中琳子を母親にしようとしています。決して彼らの思いどおりにするわけにはいかないので、私には後ろ盾が必要なのです」三國浩介は眉をピクリと動かした。「知っての通り、私は戸籍上は京介の父親だが、血縁上は叔父だ。もし君が子供を連れて私に嫁げば、君は京介の義母となり、君の子供は京介の弟になる。君は何でそんなに、私が孫の世代にあたる子を養子に迎えることに確信をもてるのだね?」確信なんてなかった。しかしそれを表に出すわけにはいかない。私は服の裾をギュッと握りしめ、一言一句はっきりと告げた。「なぜなら社長は
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第9話

「分かった。予定を調整して、明日堂本家に挨拶に行く」私がまだ言い終わらないうちに、彼は遮って言った。そして秘書に電話をかけさせて、明日の予定を空けた。私が驚いて言葉を失っているのをみると、彼は手を差し伸べて私の甲の上に重ね、私を落ち着かせるような眼差しを向けた。そして私にこう言った。「当然のことだ。私に気を遣わないでくれ」張り詰めていた心がふっと解け、私は彼と指を絡めた。/三國家本宅に帰ってくると、ホームパーティーのときの装飾は全て片付けられていて、再び厳かな雰囲気に戻っていた。京介は書斎のドアの前にいたが、私と目を合わせる勇気さえも持ち合わせていないようだった。「父上、お帰りなさい」三國浩介は京介の目をじっと見つめた。「他に言うことは?」京介は歯を食いしばり、ぎゅっと目をつぶって、やっと一言絞り出した。「母上、お帰りなさい」私はとても気分が良かった。三國浩介と腕を組んで彼の前を通り過ぎ、よく通る声で答えた。「うん、良い子ね」書斎のドアを閉めた途端、外から京介の怒りに満ちた唸り声が聞こえた。テーブルの上には京介の反省文が置いてあった。三國浩介はそれをちらりと眺めると、シュレッダーに放り投げた。そのまま電話を応じ、オンライン会議を始めた。オンライン会議を聞いているうちに眠くなり、私は立ち上がって主寝室へと向かおうとした。しかし、京介がいきなり飛び出てきて、私の行く手を塞いだ。「檸檬、お前は俺をこんなに憎んでいたんだな。俺に復讐するためにまさか父上に嫁ぐとはな!」家政婦たちは一階にいて、ベビーシッターは赤ちゃん部屋で浩輝をみている。ボディーガードは門の外にたっており、三國浩介はすぐそこの書斎にいる。――それでも私は京介に怯えることはなかった。「京介も私が京介を憎んでいると知っていたのね」京介は言葉を詰まらせ、顔を曇らせた。「なんでお前はこんなふうに変わってしまったんだ。昔はあんなにも俺のことを愛していて、お前は俺のために両親さえも捨てたというのに!父上がお前に何か言ったのか?それとも金か?金が欲しければ俺に言えばいい、欲しいだけ与えてやるぞ!」私は馬鹿げていると思い、逆に彼に問い返した。「京介のお金は浩介さんからもらったものでしょう?京介、忘れないで。両
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第10話

「言ってみて。三國家に京介が存在する意味はまだ何か残っているかしら?」京介の顔はすっかり青ざめた。彼はガタガタと身震いし、唾をゴクリと飲み込んだ。そして慌てて腰をかがめるとこう言った。「檸檬、本当にすまなかった。すべて俺が悪かった。檸檬のことを欺いてはいけなかったし、あんな態度を取るべきじゃなかった。俺を許してくれないか。これからはお前1人を愛すると約束する。琳子とは離婚して、お前と結婚する!お願いだ、俺から全てを奪わないでくれ…」家政婦がボディーガードを呼び、彼を連れだすように言った。京介は動揺のあまり、抑えていた声を爆発させてわめき立てた。「檸檬!俺はお前のことを愛している。琳子と結婚したのは、仕方ない成り行きだったんだ。もう一度俺のことを信じてくれ、頼む!」書斎のドアが開き、三國浩介が早足で駆け寄り、京介と私の間に立ちはだかった。「無事か?」「私は大丈夫です。ただ京介は少し過激になっています。病院に連れて行って診てもらってはどうでしょうか?」三國浩介はうなずいた。「京介を病院に連れて行ってくれ」「やめろ…やめてくれ!」京介は激しく抵抗したが、数秒もたたないうちに連れ去られた。私は京介が立ち去るまで三國浩介の後ろから、そっと彼に向かって手を振った。因果応報――これで京介と私はおあいこだ。三國浩介は京介が家の外に出るのを見届けると、私の方を振り返った。そして私に尋ねた。「明日、堂本家のご両親に挨拶に行ったら、私は明後日から引き続き海外で仕事に明け暮れることになる。次に帰国するのは1年後だ。君は…」「浩介さんと一緒に行きます。けいちゃんも連れて行きます」私はなんの迷いもなく頷いた。彼は少し驚いていたが、すぐに笑って言った。「分かった、君たちの分の手続きを進めさせる」彼は一呼吸を置くと、変わらず微笑みを浮かべながらこう言った。「檸檬さん、私は誰かと付き合ったことがないもので、君にどう接すればいいのか分からない。だが努力しようと思うので、何か間違ったことをしていたら言ってほしい」私も一緒に笑い、刻々と頷いた。浩介さんは書斎へ仕事をしに戻った。私は浩輝の様子をチラッと覗いてから、寝室に戻ると床についた。/翌日に両親への挨拶を終えて家で荷物をまとめているとき、ボディ
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