しばらくして、陸も距離を保って後ろからついていった。交差点に差し掛かると、ちょうど赤信号になった。湊の車の後ろに、陸の車が停まる。湊の車のテールランプを見つめる陸の思考は、混乱していた。今すぐ車から降りて、湊の車から汐里を降ろし、後悔していることを伝えたい。そして、もう一度やり直したいと縋り付きたい。だが汐里が聞いてくれないことも、自分が嫌われていることも、陸は自覚している。信号が青に変わり、湊の車がゆっくりと動き出した。その時だった。対向車線から黒いセダンが猛スピードで飛び出し、湊の車に向かって一直線に突っ込んできたのだ!「汐里!」陸の頭が真っ白になり、意識より先に、体が反応した。ハンドルを切り、アクセルをベタ踏みして、自分の車を湊の車の前に割り込ませる。ドンッ。激しい衝突音。エアバッグが開き、強烈な痛みに襲われた後、陸の意識は闇へと消えていった。気がつくと、陸は病院にいた。消毒液の匂い、白い天井、ベッド脇の点滴。少し動いただけで、全身に激痛が走る。「目が覚めた?」汐里の声だった。陸が顔を向けると、汐里がベッド脇の椅子に座っていた。表情は読み取れなかったが、目が少し赤くなっている。陸は声を絞り出した。「怪我はないか?」「私は大丈夫。あなたの車が盾になってくれたから、かすり傷ですんだよ」と汐里が答えた。陸はほっと安堵の息を漏らす。「ならよかった……」汐里が言葉を続けた。「犯人は玲だった。狂ってるよね。私を殺そうとしたみたい。もう警察に逮捕されたんだけど、今回は逃げられないと思う」玲。陸は目を閉じた。また、自分が蒔いた種だ。自分があの時玲と関わらなければ……希望なんて抱かせなければ、玲だってこんな最後を迎えることはなかったのだから。「汐里」と陸は目を開けて汐里を見つめる。「今回のことで、少しは許してくれる気になった?」汐里も陸をじっと見つめ続けた。そして彼女は笑った。それは、とても冷ややかな笑みだった。「陸、まだ分かってないの?あなたがいなければ、私と玲が知り合うことはなかった。さらに言えば、命を狙われることもなかったんだよ?だから、全ての元凶は……陸、あなたなの。あの時、あなたが腎臓を提供してくれて、命が救われたって思ったの。だから、感
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