僕は夢を視ているようだ。 様々な場面が浮かんでは消え、近づいては遠ざかる。 とても目まぐるしい。「それともこれは過去の記憶かな……?」 僕は夢と現実の区別がつかない状態になっていた。「お前の「改装」スキルは本当に凄いな。どんなスクラップも新品同様に作り直せるんだから」 誰かが僕にこう言った。 そう言われた事を、はっきりと覚えている。とても懐かしい。「でも僕にこう言ったのは誰だっけ……?」 名前を思い出せない。でも僕にとって「友人」で、ビジネスパートナーであった事だけは覚えている。 僕のスキルは「改装」で、壊れた機械を直したり、改造したりすることができる。 でも逆に云うとそれしかできない。「改装」は後方支援系のDランクスキルだった。 僕は冒険者になるべく、冒険者ギルドに登録したが、結局、誰も僕をパーティーに加えてはくれなかった。そして僕は役立たずの烙印を押され、路頭に迷った。 そんな僕を救ってくれたのが、この「友人」だった。 友人はAランクの冒険者で腕っぷしが強く、ダンジョンの奥深くまで潜って様々なスクラップを集めてくることができた。 そしてそのスクラップを僕が「改装」し、人々の役立つ「製品」にして売り出した。 すると商品はたちまち大人気となり、飛ぶように売れた。 商売は順調だった。僕は飢え死にせずに済むようになった。 そんな僕には恋人がいた。 彼女は僕の幼馴染で、どんな時も一緒にいてくれて、誰よりも僕の成功を喜んでくれた。「苦労をかけた彼女をやっと笑顔にすることができて嬉しかったな……」 しかし生活が安定すればする程、彼女の心が僕から離れて行く「溝」を感じた。 そしてそれは危惧ではなかった。現実だった。彼女の心は「友人」に傾いていた。 僕は、僕を欺き、僕に内緒で逢瀬を重ねる二人を問い詰めた。 そして決定的な現場を抑え、言い逃れができない状況に二人を追い込んだが、二人が諦め、僕に謝罪するかと思いきや、二人の取った行動は僕の想像とは全く違っていた。 二人は開き直り、僕にこう言い放ったのだ。 まず彼女は「壊れた機械を直す事しかできないあなたじゃ、私の欲しい人生はくれないのよ」と僕を蔑んだ。 彼女の言葉は鋭いナイフとなって僕の胸を貫いた。とても衝撃的で痛かった。 そして友人は「もうお前
Last Updated : 2026-06-01 Read more